TOPQ&A記事空き家ビジネスを始める際に注意すべき点を教えてください.
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空き家ビジネスを始める際に注意すべき点を教えてください.

当社で新たに空き家ビジネス(民泊やシェアオフィス等)を始めたいと考えています。空き家物件は近隣地域でいくつか探そうと思うのですが、法的にどのような点に注意すべきでしょうか。
空き家ビジネスを始めるにあたっては、用途地域の確認、用途変更の手続き、耐震基準、消防法の遵守など、注意点を踏まえた上での計画が重要です。特に、空き家が管理状況に応じて老朽化していることから、流通している建物等と異なる考慮も必要になります。
回答者
家田 大輔 弁護士
名古屋まちとひと法律事務所

用途地域内の建築物の制限

空き家ビジネスを始める際、まず空き家物件が都市計画区域または準都市計画区域に該当する地域である場合、どの用途地域に属するかを確認する必要があります。

用途地域は大きく「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分かれ、全部で13種類あり、用途地域ごとに建築物の使用方法に制限があります。

始めようとしている空き家ビジネスが用途地域の制限に合致するか確認してください。

例えば、第一種低層住宅専用地域(「低層住宅に適した良好な住環境を保護する地域」)では、事務所や店舗として利用する場合、住宅兼用である必要があります。

用途変更について

空き家ビジネスを始めるにあたり、従来使用されていた建物の用途を民泊やシェアオフィスなどに変更する場合、建築基準法に基づく用途の変更に対する建築確認が必要かどうかを確認する必要があります。

用途の変更に対する建築確認が必要となるのは、以下のケースです。

  1. 建物の用途が、建築基準法別表1の「特殊建築物」に変更される場合
    (別表1には、劇場、公会堂、集会場、ホテル、飲食店、倉庫などが含まれています。)
  2. 変更部分の床面積が200㎡を超える場合

ただし、類似する用途への変更では用途の変更に対する建築確認は不要です。

例えば、住宅をシェアオフィスに変更する場合、シェアオフィスは特殊建築物に該当しないため、用途の変更に対する建築確認は不要です。
一方、住宅を民泊として利用する場合は、宿泊施設が特殊建築物に該当しますが、床面積が200㎡以下であれば用途の変更に対する建築確認は不要です。

事前に、建築士などの専門家に確認することをお勧めします。

耐震基準

空き家物件は、建物の管理状況に応じて老朽化していることがあるため、建築基準法に基づく耐震基準を満たす必要があります。そのため、改装が必要になることもあります。

前述の用途の変更に対する建築確認を行う場合には、改装によって基準に適合した建築確認が必要です。

また用途の変更に対する建築確認をしない場合でも、建築基準法に基づき構造部材の耐久性や耐震性能が求められます。

消防法の適用

空き家ビジネスを進める際に、建物の用途変更や、空き家だった建物に人が集まるようになることから、消防法の適用を考慮する必要があります。

消防法の適用にあたり、具体的には建物の用途や規模によって異なります。特に民泊等への改装時には、消防法8条による防火管理者の選任や、17条に基づく消火器や火災報知器などの設置が必要です。また、特定用途に分類される建物(宿泊施設や飲食店など)では防火設備の設置義務が発生し、消防署による立入検査も義務付けられています。さらに、避難経路の確保にあたり、店舗のレイアウトを考える必要もあります。

事前に消防署に確認し、消防法への適合を確認することをお勧めします。

その他

空き家は、建物の管理状況に応じて老朽化していることから多額の改修費用がかかる場合や、予期せぬ問題が発生することもあります。

各市町村では、空き家の購入や改装に対する補助金制度が設けられていることもあるため、自治体に問い合わせることをお勧めします。

また、空き家になった原因を理解することも重要です。地域の問題や建物に特有の問題がある場合、それを理解した上でビジネスを計画することが求められます。

 

※この記事は、2024年9月26日に作成されました。

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