TOPQ&A記事営業活動で特定商取引法に違反しないための注意点を知りたいです。
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営業活動で特定商取引法に違反しないための注意点を知りたいです。

今後売り上げを伸ばすために、今まであまり対応してこなかった電話営業や通信販売などの新たな営業手法を採用しようと考えています。
「特定商取引法違反には気を付けたほうがよい」とは聞いたことがあるのですが、実際にどのような点に気を付けるべきでしょうか?
特定商取引法は、主に事業者と比べて必ずしも法的知識や交渉力が十分とはいえない消費者の保護という観点から、電話勧誘販売を行う事業者や通信販売を行う事業者に対し、様々な規制を設けています。その規制に違反した業者に対して業務停止命令などの行政処分が課された事例も多数存在することもあり(しかも消費者庁のホームページに業者名等が公表されています。)、御社の営業手法が特定商取引法の規制に適合しているかしっかりとチェックすることが必要です。
回答者
隈本 源太郎 弁護士
隈本源太郎法律事務所

電話勧誘販売についての法規制

電話勧誘販売とは、事業者が電話で勧誘し、申込みを受ける取引をいいます(電話をいったん切った後、消費者が郵便や電話等によって申込みを行う場合も該当します。)

事業者は、①事業者の氏名等の明示、②再勧誘の禁止、③書面の交付、④前払式電話勧誘販売における承諾等の通知、⑤不当な行為の禁止などの行政規制を受け、これらの違反についての行政処分等の規定があります。

また、民事面でも、事業者は、①クーリングオフ、②過料販売契約の申込みの撤回又は解除、③契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し、④(消費者が)契約を解除した場合の損害賠償等の額の制限、⑤事業者の行為の差止請求などの規定があります。そのため、御社の営業手法がこれらに適合しているかのチェックが必要です。

規制内容の詳細は消費者庁ホームページなどをご参照ください。

通信販売についての法規制

通信販売とは、事業者が新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引(電話勧誘販売に該当するものを除く)をいいます。

通信販売を行う事業者は、①広告の表示、②誇大広告等の禁止、③未承諾者に対する電子メール広告の提供の禁止、④未承諾者に対するファクシミリ広告の提供の禁止、⑤特定申込みを受ける際の表示、⑥前払式通信販売の承諾等の通知、⑦解除妨害のための不実告知の禁止、⑧契約解除に伴う債務不履行の禁止、⑨顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止などの行政規制を受け、これらの違反についての行政処分等の規定がありますので、御社の営業手法がこれらの規定に違反していないか、チェックが必要です。

また、民事面でも、事業者は、①契約の申込の撤回又は契約の解除、②契約の申込みの意思表示の取消し、③事業者の行為の差止請求などの規定がありますので、御社の営業手法がこれらに適合しているかのチェックも必要です。

規制内容の詳細は消費者庁ホームページなどをご参照ください。

法改正との関係

特定商取引法は、法改正がしばしば行われる法分野です。

例えば、令和5年6月より、電話勧誘販売の書面交付(見出し1.「電話勧誘販売についての法規制」の③「書面の交付」)について、一定の要件のもとに電子交付が認められるようになりました。また、新聞広告・テレビ広告・ウェブ広告を利用して消費者に電話をかけさせて商品を販売する場合する手法のうち、一定の要件を満たすものは、見出し2.の通信販売としての規制ではなく、見出し1.の電話勧誘販売としての規制を受けることとなるなどの法改正が行われました。

御社の事業の法適合性について、今後の法改正の動向も踏まえチェックしていくことが必要です。

 

※この記事は、2024年6月6日に作成されました。

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