TOPQ&A記事製造システムの営業秘密が他社に漏洩させない仕組みを作りたいです。
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製造システムの営業秘密が他社に漏洩させない仕組みを作りたいです。

当社の工場内に製造ラインを新設して、他社に比べて効率的な製造システムを実現できることになりました。
そのため、製造ラインや工場のレイアウトといった情報が他社に漏れないようにしておきたいのですが、どのような対策が必要でしょうか。
ご質問のような性質の情報ですと、情報漏洩を防ぐためには、情報にアクセスする可能性のあるのは、従業員等、退職者、取引先、外部者が考えられますので、それぞれについて対策を考える必要があります。法的な面よりも、アイデアが重要かもしれません。
回答者
三輪 貴幸 弁護士
樟葉法律事務所

営業秘密について

製造ラインや工場のシステムといった情報も営業情報・技術情報に属するため、営業秘密となります。営業秘密は不正競争防止法により保護の対象になりますが、事後的な損害の回復よりも事前の漏洩の予防の方がより重要です

従業員等に対する対策について

従業員等は当然のことながら、ご質問のような情報にアクセスせざるを得ない存在になります。この場合、以下などの対策が考えられます。

アクセスできる者の制限・管理

例えば、社員のIDなどを登録し、これによる管理を図る方法が考えられます。

物理的なアクセス制限

例えば、製造ラインや工場の中に入るために必要な「鍵」(電子も含む)へのアクセスを管理する方法などが考えられます。

退職者に対する対応について

ご質問のような情報にアクセスしていた者が退職者となる場合、当該退職者の記憶を消去することが出来ない以上、その対応は重要です。この場合以下などの対応が考えられます。

退職後の秘密保持契約の締結

退職後に係る契約を対象者と締結するのは困難ですので、在籍中に契約を締結しておくのが重要です。

アクセスの断絶

例えば、「鍵」(電子も含む)を必ず返還させる、当該退職者の退職後にIDやパスワードを変更しておくなどの対策が考えられます。

取引先に対する対応について

取引先については、その関係上、ご質問のような情報へのアクセスを希望された場合に、その要望を断りにくい、ということもあるかもしれません。取引先との信頼関係の問題もありますが、情報は漏洩されると回復が極めて困難であるということを肝に銘じ対応する必要があります。この場合、以下の対応が考えられます。

取引上不必要なアクセスを拒絶する

シンプルですが最重要の対策と考えられます。

秘密保持契約の締結

取引先からのアクセスを認めざるを得ない、という場合は、かかる契約によってアクセスに制限を加える合意をしておくのが重要な対策になります。

外部者に対する対応について

外部者については、基本的にご質問のような情報へのアクセスの必要がない者であるはずです。したがって、この場合アクセスさせない対応を考えることになります。ただし、外部者の中にも、不正アクセス者もあれば、来訪者(販売員、見学者など)もあります。

不正アクセス者への対応

情報セキュリティ対策が重要です。電子ロックがハッキングで解除されたりしないような対策ということです。アナログとの組み合わせも効果的かもしれません。

来訪者等への対策

営業秘密とするのであれば、希望があっても見学等を一切認めないというのが最重要対策と考えられます。来訪者の立ち入りを禁止する様々な措置を講じることになると思われます。

まとめ

以上のように、アクセスすると考えられる者を分類し、それぞれについて対策を考えるということになりましょうが、やはり自社の業務態様に応じた個別具体的な対策が必要です。ここでは簡潔かつ抽象的にしか対策を紹介できませんでしたが、経済産業省が出している情報などを活用してみてください。

 

この記事は、2024年4月1日に作成されました。

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