TOPQ&A記事テレワーク中の時間外労働は禁止なのに、社員から残業代請求されました。
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テレワーク中の時間外労働は禁止なのに、社員から残業代請求されました。

当社では、テレワークの社員に対しては時間外労働を一律で禁止しています。先日、テレワークをした従業員から「実は先月の業務量が多く、80時間の残業をしたため残業代を支払ってほしい」と言われました。ヒアリングすると、確かに通常の業務量よりは多かったものの、残業が発生する見込みが出た段階で相談してくれれば調整できたのにと考えています。この場合でも、残業代を支払わなければならないのでしょうか。
会社が把握している従業員の労働時間と従業員が主張する労働時間の相違を確認し、残業を禁止している会社のルールが徹底されているかを確認しましょう。
労働時間に相違がなく、会社のルールが徹底されていない場合には、残業代を支払わなければならない可能性があります。
回答者
下田 和宏 弁護士
弁護士法人横浜パートナー法律事務所

テレワークとは

テレワークとは、インターネットなどの情報通信技術を利用し、自宅などオフィス以外で仕事をする、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことです。

主に自宅(在宅勤務)、サテライトオフィス勤務、モバイル勤務があります。

テレワークのメリットとデメリット

テレワークには、労働者の通勤負担の軽減やオフィスコストの削減など、企業側にも従業員側にもメリットがあります。非常時に感染リスクを抑えつつ、事業の継続が可能なため、コロナ禍で普及したという背景があります。

一方で、従業員がオフィス以外で仕事をしているため、労働時間の把握・管理が難しく、長時間労働となることや中抜け時間などが発生することもあります。

その結果、従業員から、残業代を請求されてしまうことがあります。

実際の対応時のポイント

まずは、労働時間を適正に把握・管理しておくことが重要です。企業側が労働時間を把握・管理しておくことにより、従業員が残業していないかを確認することができます。

 テレワークの場合は、パソコンの使用時間の記録やサテライトオフィスへの入退場の記録などの客観的な記録のほか、労働者の自己申告や電子メールなどによる報告などで労働時間を把握することが考えられます。

 次に、残業への対策として、メール送付の抑制やシステムへのアクセス制限など強制的に仕事ができない状態にすることが考えられます。

 また、テレワークに限りませんが、残業する場合の事前申請・許可制を日頃から徹底しておくことはとても重要です。
残業の事前申請等がされておらず、企業側が把握していない時間は、たとえ従業員が仕事をしていたとしても、労働時間として認定され難い傾向にありますので、不必要な時間外労働や残業代請求に対する企業側の有効な反論手段となります。

最後に、従業員への注意喚起(原則禁止などテレワークの趣旨を理解してもらう、時間の管理をしておく)の徹底も残業への抑止として有効な手段となります。

まとめ

テレワークは、労働時間の把握・管理が難しいので、労働時間を把握・管理する方法を確立しておくことが重要です。

また、残業をさせないための方法としては、強制的に残業ができないシステムや環境を作る、残業する場合の事前申請・許可制を徹底することが重要です。

これらを実施していれば、もし従業員から残業代を請求されてしまっても、反論し争うことが可能です。

 

※この記事は、2024年8月6日に作成されました。

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