法務初心者におすすめの書籍とは?
法務担当など300人が回答・
効果的な学習方法も分かりやすく解説!
※この記事は、2024年9月25日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。
※この記事は、株式会社LegalOn Technologiesが、契約ウォッチ会員(メルマガ登録者)を対象にアンケート調査を行い、301名から得られた回答を元に作成しています。
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目次
法務初心者の学習方法と悩み
法務初心者がよく行う学習方法とそれぞれのメリット・デメリットには以下のようなものがあります。
✅ ネットで検索・学習する
→手軽にできる反面、情報の信頼性に不安があり、うのみにしていいか分からない。
✅ 書籍などを読む
→情報の信頼性は高い反面、難しくて理解できなかったり、学習に時間がかかったりする。
✅ セミナーを受講する
→講師の話ベースで進むので学びやすい反面、基礎知識がないと体系的な学習は難しい。
✅ OJTで教育を受ける
→自社にあった教育を実施できる反面、教育担当者により、教える内容・質がばらつく。
自分で調べた情報が本当に正しいか分からない
分からないこと・不安なことを、相談・質問する相手もいないし、この方法であっているのか不安…。信頼できる情報源を確保したい。
自分の知識・スキルとして、何が足りないのか分からない
自分の知識やスキルが本当にこれで問題ないのか、分からない。他にもっと、知っておくべきことがあるんじゃないか…。
勉強するにしても、忙しくて学習時間があまり取れない
忙しいから、隙間時間に手軽にできる学び方がいいし、自分が気になるところだけをピックアップして情報を集めたい。
実務書を手にした初心者からよく聞く悩みの一つは、「基礎知識がなくて、内容が理解できない」「説明が難しくて、自分の理解で合っているのか分からない」というものです。
目の前の実務に必要な内容を理解するためには、まず基礎知識を身につけることが必要となります。コンパクトで分かりやすい本から、学習を始めていきましょう。
法務のおすすめ書籍【基礎編】
法務になったらまずはコレ! 法務の実務が分かる入門書
幅野直人『企業法務1年目の教科書 契約書作成・レビューの実務』
(2024年、中央経済社)
「契約書締結までの流れ」「契約書レビューの目的」などの契約書業務に関する基本的事項から、「コメントの仕方」「変更履歴の使い方」などの実践的なノウハウまで、分かりやすく解説しています。
河村寛治『改訂版 まずはここから! ベーシックな事例で学ぶ 企業法務の仕事』
(2023年、改訂版、第一法規)
企業法務部門の新人・若手社員を対象とした「短時間で網羅的に学べるテキスト」!最近の法務業務のDX化や法改正にも対応して、2023年に改訂されました。
ビジネスに役立つ! 分かりやすい法律の入門書
堀龍兒=淵邊善彦『ビジネス常識としての法律』
(2024年、第4版、日経文庫)
企業法務の全体像をふまえて、ビジネスに必要な法律について解説する入門書。文庫でコンパクトなのに、最近の法改正や社会状況の変化にも対応しています!
中野友貴『先生!バナナはおやつに含まれますか? 法や契約書の読み方がわかるようになる本』
(2018年、第一法規)
バナナとおやつが法に関係するの? それが関係するんです。専門的に学んだことがなくても、面白い事例を見ていくことで、法解釈の技術が身につく一冊です。
法律・条文の知識は、契約書にも直結します!
法制執務・法令用語研究会『条文の読み方』
(2021年、第2版、有斐閣)
法令の条文に出てくる「及び・並びに」「その他・その他の」などの法令用語の使い分けが分かると、契約書を読むときにも役に立ちます。明日から使える基礎知識を学びましょう。
白石忠志『法律文章読本』
(2024年、弘文堂)
「法律文章を『正確に』『分かりやすく』表現するにはどうすればいい?」にまっすぐ向き合う書籍。公的なカタい文章の内容を、事業部や現場にどう伝えるか悩んでいる法務担当者にも効く一冊です。
意外な盲点、六法・辞典はいつでも手元に
荒木尚志=森田宏樹 編集代表『ポケット六法 令和7年版』
(2024年、令和7年版、有斐閣)
コンパクトな六法は『ポケット六法』と『デイリー六法』が定番です。参照条文の便利な『ポケット六法』か、主要法令が2色刷になった『デイリー六法』かは、お好みで。
法令用語研究会 編『有斐閣法律用語辞典』
(2020年、第5版、有斐閣)
「この言葉ってどういう意味ですか?」と聞かれたときのために、法律用語辞典をお手元に。内容は実務家向けの簡潔な解説となっており、知りたいことがすぐに分かります。
社会人が法律・法学を本格的に学ぶなら、こんな本から
弥永真生『法律学習マニュアル』
(2016年、第4版、有斐閣)
「法律を学ぶための基礎の基礎」に着目した実践的な学習マニュアルです。全体像を学ぶ→必要なことを調べる→自分で書く、の流れが身に付くと、資料収集や法律学習が加速します!
伊藤真『伊藤真の民法入門』
(2024年、第8版、日本評論社)
司法試験塾の代表弁護士が書いた、読みやすく、全体像が分かると評判の初学者向けテキスト。民法だけでなく、法学入門・憲法・刑法など、さまざまな法律の入門書籍を選べます。
法務のおすすめ書籍【実務編】
契約書レビューに取り組むなら、こんな書籍をチェック!
出澤総合法律事務所 編『実践!!契約書審査の実務』
(2019年、改訂版、学陽書房)
企業法務に欠かせない、契約書審査の着眼点を実務目線で解説してくれているので、初めて取り組む人もどこに注目して、どう修正すればいいのかのポイントが分かります!
滝川宜信『取引基本契約書の作成と審査の実務』
(2019年、第6版、民事法研究会)
取引基本契約書の作成・審査について、豊富な記載例・変更例とともにポイントを解説! 法令・判例・学説などの情報も豊富で、実務家の手引きとして長年使われてきたロングセラーです。
契約書作成・見直しは初心者でも本格的な書籍を
飯田浩隆『類型別 企業間取引契約書作成のポイント 条項例にみる利害調整とリスク対策』
(2024年、中央経済社)
実務家視点で現実の取引と関連づけながら「契約条項のロジック」を解説する一冊。ソフトウェアサブスクリプション契約・クラウドサービス利用契約などの最近の類型もカバーしています!
近藤圭介 編著『業務委託契約書作成のポイント』
(2022年、第2版、中央経済社)
当事者間の交渉のプロセスを想定した、製造委託型・役務提供型の業務委託契約書のポイントが学べます。業務委託契約の全体像から、具体的な条項例まで解説しているので、実務に一押しです。
北浜法律事務所『取引基本契約書作成・見直しハンドブック』
(2018年、商事法務)
民法(債権法)改正に対応するための見直し内容を、弁護士が条項ごとにやさしく解説しているので、専門家でなくとも、取引基本契約書の条項作成の具体的なノウハウが身に付きます!
鮫島正洋 編集代表『技術法務のススメ 事業戦略から考える知財・契約プラクティス』
(2022年、第2版、日本加除出版)
知財法を知らないビジネスマンでも知財戦略を理解可能なように解説した、事業目線の知財戦略。技術系企業ならチェックしておいて損はない、知財ブティック系事務所の知見が光る書籍です。
住友商事株式会社法務部=三井物産株式会社法務部=三菱商事株式会社法務部 編
『新・国際取引契約ハンドブック』
(2021年、第2版、有斐閣)
国際売買取引の初心者からベテランまで、商社に限らず幅広い層に向けた、実践的な実務解説です。各社法務部のナレッジを結集しており、書き方・文例・書式が多数掲載されています。
法務の活躍の場は、まだまだ広がる!
瀧川英雄『スキルアップのための企業法務のセオリー 実務の基礎とルールを学ぶ』
(2022年、第2版、第一法規)
法務業務を問いと答えに見立てて、心構えや必要なスキルをレクチャー。業務のセオリーと「勝ち方」を解説します。
渡部友一郎 著・原作
(大舞キリコ 作画/星井博文 シナリオ/BUSINESS LAWYERS 編集協力)
『攻めの法務 成長を叶える リーガルリスクマネジメントの教科書』
(2023年、日本加除出版)
「企業の成長を叶える法務とは?」経営を支援する法務の姿がイメージできる一冊です。マンガもおすすめ!
明司雅宏『希望の法務 法的三段論法を超えて』
(2020年、商事法務)
企業法務リーダーは、これからの企業法務をどのように見据えているのか。リーダーの視点を追体験できます。
法務のおすすめ書籍【分野別編】
専門分野ごとのおすすめも、教えてもらいました!
厚生労働省労働基準局 編『労働基準法解釈総覧』
(2024年予定、改訂17版、労働調査会)
労働基準法の各条に関係する政令・規則・告示・通達などを掲載しており、辞書的に活用できる総覧です。
2024(令和6)年4月1日を基準とする、最新の改訂17版は2024年10月下旬発売です!
宮田正樹『元商社ベテラン法務マンが書いた 英文契約書ハンドブック』
(2016年、日本能率協会マネジメントセンター)
総合商社の法務部長を務めたベテラン法務マン(しかも営業出身)が、英文契約書と貿易実務の知識を初歩から解説!書籍や実務で契約と国際取引の基礎を押さえてから読むと理解が進みやすいです。
法務のおすすめ書籍【資格編】
資格の勉強は、その後も役に立つという評価が多い
『ビジネス実務法務検定試験® 3級公式テキスト 2024年度版』
(2024年、東京商工会議所)
ビジネス実務法務検定の3級へのチャレンジは、法務や法律の知識がない初心者におすすめ。公式問題集にはデジタル学習アプリもついてきます!
『ビジネス実務法務検定試験® 2級公式テキスト 2024年度版』
(2024年、東京商工会議所)
法学部出身の方や、法務の実務が一通り分かるようになった方は、ビジネス実務法務検定の2級で、法務の知識とリーガルマインドをさらに深く確実に身につけましょう!
行政書士・司法書士など、士業の試験にも挑戦!
行政書士試験研究会 編著『合格革命 行政書士 基本テキスト 2024年度』
(2023年、早稲田経営出版)
知っていますか? 行政書士はビジネス分野でも活躍しています! 行政法分野だけでなく、民法・商法なども学べるので、バランスよく学習できます。
山本浩司『山本浩司のautoma system1 民法I』
(2024年予定、第13版、早稲田経営出版)
転職・独立してもずっと使える資格を目指すなら司法書士にチャレンジ!実務で登記などを担当していれば、知識が役に立つ側面も。
法務の効果的な学習方法
法務実務を効果的に学ぶ、つまり実力をしっかりつけるためには、やはり、「本を揃えるだけ」では意味がありません。
もし「本を読むチカラ」や「本を読むには細切れすぎる時間」などを課題に感じているなら、オンラインでの動画による法務学習なども候補にしてみませんか?
以下では、法務実務を体系的に学ぶためのポイントをご紹介していきます。
法務担当者の学習にありがちな課題
法務担当者が学習を行う上では、法務の専門性やOJTの難しさ、実務の負荷などから、以下のような課題が浮かびやすくなっています。
法務初心者Aさんの課題
✅ そもそも何から勉強すればいいのかわからない…
→実務を学びたいけれど、紹介される本がぴったり当てはまるかわからない。法務の初心者コースのようなものがあれば、それを受けたい!
時間がない法務Bさんの課題
✅ 勉強したい気持ちはある、でも時間を取れない!
→法務の専門書は重くて大きいものが多く、持ち運びにくい。信頼できる内容がスマートフォンなどで見られるといいな…
法務業務を行う上では、以下のような流れを意識して、契約の基礎から各契約類型のレビュー方法、法令の知識までを体系的に学ぶことが、効果的な学習につながります!
- 法務の効果的な学習方法
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1|企業法務や契約について学ぶ必要性・重要性を認識する
2|全ての法務業務で必要な知識を学習する
3|自社の法務業務に必要な知識を優先的に学習する
4|一通り学んだ後は、最新の法改正情報の収集+疑問点が出てきた際の辞書的なツールを活用する
Legal Learningは、法務担当者間の知識のばらつきをなくし、強い法務組織を作ることを支援するために生まれたオンライン学習支援サービスです。
Legal Learningを活用すれば、企業法務の実務に必要な知識を、短期間でスムーズに身につけることができます。
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