【公取委命令令和7年12月19日】
JR東海を含む6社による跨線橋の点検業務などの
入札談合に対して、排除措置命令および
課徴金納付命令が行われた事例

この記事のまとめ

公正取引委員会令和7年12月19日命令の事案では、愛知県や名古屋市などの地方公共団体が発注する業務について、JR東海(東海旅客鉄道株式会社)を含む6社による入札談合が行われました。

公正取引委員会は、上記入札談合が「不当な取引制限」に当たると判断し、6社に対して排除措置命令を行うとともに、JR東海を除く5社に対しては課徴金納付命令を行いました。

本件は、不当な取引制限の一種である入札談合の典型的な事案といえます。今後も引き続き、公正取引委員会の入札談合に対する厳しい監視が続くと考えられます。

公共入札へ参加する場合には、他の事業者と価格についてのすり合わせをしたり、受注の機会を融通し合ったりしてはなりません。

このような「持ちつ持たれつ」といった考え方に基づく事前協議等は入札談合に当たると判断され、思いがけず排除措置命令や課徴金納付命令を受けるおそれがあるので要注意です。

事案情報
公正取引委員会令和7年12月19日命令(公正取引委員会ウェブサイト)

※この記事は、2026年1月30日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。

※この記事では、法令名を次のように記載しています。

  • ・独占禁止法…私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律

事案の概要

愛知県や名古屋市などの地方公共団体(=特定地方公共団体等)が発注する業務について、JR東海(東海旅客鉄道株式会社)を含む6社による入札談合が問題となった事案です。

特定地方公共団体等は、JR東海の東海鉄道事業本部が管理する線路を跨いでかけられた橋(=跨線橋)の点検業務など(=特定跨線橋点検等業務)について、受注者を決定するための入札を行いました。

特定跨線橋点検等業務の入札には、下記の5社が参加しました。

  • 日本交通技術株式会社
  • ジェイアール東海コンサルタンツ株式会社
  • 大日コンサルタント株式会社
  • 株式会社トーニチコンサルタント
  • 丸栄調査設計株式会社

上記の5社にJR東海を加えた6社は、遅くとも2021年2月29日以降、特定跨線橋点検等業務の受注予定者を事前に決定する入札談合を行っていました。

2014年より5年に1回の近接目視による跨線道路橋点検が義務化されたことを受けて、特定地方公共団体等は特定跨線橋点検等業務を発注するようになりました。

JR東海は、国土交通省から点検が円滑に進むように協力を要請されたため、5社に対して協力を求めました。
JR東海は入札談合の仲介役として、5社に対して点検すべき橋や発注者の名称などを記載した点検リストを交付し、受注希望を聞き取ってとりまとめるなどの役割を担いました。

実際には、すべての特定跨線橋点検等業務の入札に5社の全部または一部が参加し、そのほとんどすべてを5社のうちいずれかが受注していました。

命令の要旨

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