【2022年4月1日等施行】
特許法改正のポイントを解説!

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三浦法律事務所弁護士
2009年神戸大学大学院法学研究科実務法律専攻(法科大学院)修了。2010年弁護士登録。 知的財産、企業法務一般を取り扱う。
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この記事のまとめ

2021年5月14日、「特許法等の一部を改正する法律」(以下「本改正法」といい、本改正法による改正を「本改正」といいます。)案が国会において可決され、成立しました。

本改正は、従前の企業知財実務に変更をもたらしうる重要なものであり、今後の実務上の対応を検討する前提として本改正の内容を正確に押さえておく必要があります。

本記事では、本改正のうち、企業の知財実務担当者の皆様において関心が高いと思われる以下の改正項目
①訂正審判等における通常実施権者の承諾要件見直し
②海外からの模倣品流入への規制強化
③特許権侵害訴訟における第三者意見募集制度の導入

を中心に解説します。

※この記事では、法令名を次のように記載しています。

  • 特許法…改正後の特許法(昭和34年法律第121号)
  • 旧特許法…改正前の特許法(昭和34年法律第121号)

(※この記事は、2021年12月13日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。) 

特許法改正(2022年4月1日等施行)の全体像

まず、本改正の全体像を確認しておきましょう。

本改正は、「新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、デジタル化、リモート・非接触など経済活動のあり方が大きく変化」したこと(経済産業省ウェブサイト「『特許法等の一部を改正する法律案』が閣議決定されました」)を背景としています。

そして、このような変化に対応するために、
(1)新型コロナウイルスの感染拡大に対応したデジタル化等の手続の整備
(2)デジタル化等の進展に伴う企業行動の変化に対応した権利保護の見直し
(3)訴訟手続や料金体系の見直し等の知的財産制度の基盤の強化

を趣旨として、以下の各項目の改正がなされました。

改正項目

(1)新型コロナウイルスの感染拡大に対応したデジタル化等の手続の整備
① 審判口頭審理のオンライン化
② 印紙予納の廃止・料金支払方法の拡充
③ 意匠・商標国際出願手続のデジタル化
④ 災害等の理由による手続期間徒過後の割増料金免除

(2)デジタル化等の進展に伴う企業行動の変化に対応した権利保護の見直し
① 海外からの模倣品流入への規制強化
② 訂正審判等における通常実施権者の承諾要件見直し
③ 特許権等の権利回復要件の緩和

(3)訴訟手続や料金体系の見直し等の知的財産制度の基盤の強化
① 特許権侵害訴訟における第三者意見募集制度の導入
② 特許料等の料金体系見直し
③ 弁理士制度の見直し

本改正法の施行日は2022年4月1日とされましたが、(1)①審判口頭審理のオンライン化等の一部の改正項目については既に2021年10月1日に施行されています(経済産業省ウェブサイト「『特許法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令』が閣議決定されました」)。

本記事では、本改正のうち、企業の知財実務担当者の皆様において関心が高いと思われる以下の改正項目
1|訂正審判等における通常実施権者の承諾要件見直し
2|海外からの模倣品流入への規制強化
3|特許権侵害訴訟における第三者意見募集制度の導入

を中心に解説します。

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