【最判令和7年3月3日】米国法人による
国外サーバーを用いたコメント機能の提供が、
日本国内における特許権の侵害に
当たるとされた事例
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- この記事のまとめ
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最高裁令和7年3月3日判決では、「ニコニコ動画」を運営する株式会社ドワンゴが、動画配信サービス「FC2動画」を運営する米国法人であるFC2, Inc.に対し、特許権侵害を理由に侵害行為の差止めと損害賠償を請求した事案が問題になりました。
最高裁は、FC2, Inc.によるドワンゴの特許権の侵害を認定しました。その理由として最高裁は、コメントシステムが日本国内のユーザーのアクセスによって構築され、日本国内にある端末上でコメントが表示される点などを挙げています。FC2, Inc.のサーバーが国外にあることについては「特段の意味はない」と断じました。
クラウドサービス、SaaS、動画配信やAI関連システムなどを提供する企業は、国外サーバーを用いたサービスであっても、日本市場向けに提供され、日本国内の端末上でその結果が表示される場合には、日本の特許権等を侵害し得ることに留意すべきです。
※この記事は、2025年12月25日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。
目次
事案の概要
「ニコニコ動画」を運営する株式会社ドワンゴが、動画配信サービス「FC2動画」を運営する米国法人であるFC2, Inc.に対し、特許権侵害を理由に侵害行為の差止めと損害賠償を請求した事案です。
ドワンゴが運営する「ニコニコ動画」には、動画上に重なる形でコメントを表示する機能が搭載されています。ドワンゴはこの機能に関して、「コメント配信システム」という名称の発明につき特許権を有していました。
一方、FC2, Inc.が運営する「FC2動画」においても、ニコニコ動画のサービスに類似したコメント表示機能が提供されていました。ドワンゴは、FC2, Inc.による同機能の提供が自社の特許権を侵害するものであると主張し、侵害行為の差止めと損害賠償を請求しました。
これに対してFC2, Inc.は、特許権侵害を否認しました。
特に最高裁の審理では、FC2, Inc.は日本の領域外でコメントに関するファイルの配信行為をしているに過ぎず、コメント配信用のシステムの一部も日本の領域外にあるため、特許権の効力は及ばないと主張しました。
第一審では特許権侵害が否定されましたが、原審の知財高裁では特許権侵害が認定され、ドワンゴが勝訴しました。これをFC2, Inc.が不服として、最高裁に上告しました。












