【2026年施行予定】公益通報者保護法改正とは?
実効性の向上・範囲拡大・
刑事罰化などを分かりやすく解説!

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【2026年施行予定】公益通報者保護法改正の新旧対照表
10分で読める!2025年施行予定の法改正まとめ

この記事のまとめ

2025年6月11日公益通報者保護法の改正法が公布されました。改正法は、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます。

今回の公益通報者保護法改正による変更点の概要は、以下のとおりです。
(1) 事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上
(2) 公益通報者の範囲拡大
(3) 公益通報を阻害する要因への対処
(4) 公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化

この記事では、2025年6月11日に公布された公益通報者保護法改正による変更点を解説します。

ヒー

企業不祥事について、外部へ通報をした人への報復的な処分をニュースで見ました。これって防げないのでしょうか?

ムートン

今回の改正では、公益通報をした人への不利益な取扱いに対して刑事罰が定められるなど、抑止的な内容が盛り込まれています。全体を確認していきましょう。

※この記事は、2025年6月30日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。

※この記事では、法令名を次のように記載しています。

  • 改正公益通報者保護法…公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和7年法律第62号)による改正後の公益通報者保護法

【2026年施行予定】公益通報者保護法改正とは

2025年6月11日に公益通報者保護法の改正法が公布されました。今回の公益通報者保護法改正では、事業主に公益通報への対応体制の整備を求めつつ、労働者等により積極的な公益通報を促すための変更が行われます。

公益通報者保護法改正の目的

今回の公益通報者保護法改正の目的は、企業不祥事の早期発見や是正を図るため、公益通報制度の実効性を高めることにあります。

公益通報制度は、企業内部での不祥事について、内部の労働者などによる通報を促すことを目的とした制度です。通報窓口を明確化したうえで、通報者が不利益な取扱いを受けないように保護することで、積極的な通報を促す効果が期待されています。

公益通報制度は一定の成果を見せているものの、以下のような課題が指摘されていました。

  • 公益通報体制の整備などを行っていない事業者がいる
  • 内部通報窓口の認知率が低い

国際的には、企業の内部通報制度の実効性に関して、投資家の関心が高まる傾向が見られています。また、「国連ビジネスと人権の作業部会」が2024年5月に公表した訪日調査報告書では、公益通報者の保護をさらに強化すべき旨の勧告が行われました。
さらに、EU通報者保護指令やG20ハイレベル原則で示された公益通報者保護の基準に比べると、日本における公益通報者の保護は依然として弱い状況であることが指摘されています。

このような近年の事業者の公益通報への対応状況や、公益通報者の保護を巡る国内外の動向に鑑み、公益通報制度の実効性を高めることを目的として今回の改正法が成立しました。

参考:消費者庁「公益通報者保護制度検討会報告書」

公布日・施行日

今回の公益通報者保護法改正の公布日および施行日は、以下のとおりです。

公布日・施行日

公布日2025年6月11日
施行日:公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日

ムートン

2026年の末ごろまでに施行されることが予定されています。企業の担当者は準備を進めましょう。

公益通報者保護法改正による変更点一覧

今回の公益通報者保護法改正では、主に以下の変更が行われます。

(1)事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上
(2)公益通報者の範囲拡大
(3)公益通報を阻害する要因への対処
(4)公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化

次の項目から、各変更点の概要を解説します。

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