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BCP(事業継続計画)とは? 必要性、策定・実施・検証の流れを 分かりやすく解説!

契約ウォッチ編集部

契約ウォッチ編集部

2022/08/10 (公開:2022/04/08)
この記事のまとめ

BCP(事業継続計画)とは、企業にとって不測の事態が発生した際に、重要な事業を中断させず、仮に中断したとしても可能な限り短期間で復旧させるための方針・体制・手順等を示した計画です。

BCPは事業の継続を主眼としており、従来の防災活動とは異なります。

経営者には、BCP策定の必要性とメリットを理解したうえで意思決定を行うことが求められます。また、単にBCPを策定するだけでなく、教育訓練等によってその内容を従業員等に浸透させることや、定期的な改善・見直しを行うことも大切です。

この記事ではBCPについて、必要性、策定・実施・検証の流れ、策定事例などを分かりやすく解説します。

新型コロナウイルス感染症の流行を受け、BCPの重要性がさらに高まりましたよね。
ヒツジ
ムートン先生
そうですね。いつ何が起こるか分からない現代において、事前に予測し対策しておくことの重要性が再認識されていますね。

BCP(事業継続計画)とは

「BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)」とは、企業にとって不測の事態が発生した際に、重要な事業を中断させず、仮に中断したとしても可能な限り短期間で復旧させるための方針・体制・手順等を示した計画です。

グローバル化やITの発展などによりボーダレスとなりつつある現代において、企業の事業活動は、地震などの災害のほか、感染症や他国間の戦争など、様々な要因の影響を受けやすくなっています。そこで、どのような不測の事態に直面しても、事業を継続・復旧できるようBCPを策定し、リスクマネジメントを徹底する必要があります。

BCPの策定が必要とされる理由・背景

内閣府が2005年に「事業継続ガイドライン-あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応-」(以下「事業継続ガイドライン」)を公表するなど、BCPの必要性は十数年前から指摘されていましたが、2011年の東日本大震災をきっかけに、さらに注目を浴びることになりました。その後、2020年の新型コロナウイルス感染症の急拡大を受け、BCP策定の意義が改めて認識されています。

自然災害・テロ・システム障害・情報漏えい・感染症の流行など、不測の事態が発生した際には、事業の一部又は全部を停止しなければならない(せざるを得ない)可能性があります。しかし、長期間事業を停止してしまうと、財務状況の悪化や、顧客離れなどを招き、廃業・倒産といった事態になりかねません。

そこで、万が一企業にとって不測の事態が発生しても、いち早く立ち直ることを可能とするため、平時の段階からBCPを策定することが求められます。

BCPと「BCM(事業継続マネジメント)」の関係性

BCPの策定は、不測の事態下における事業継続を実現するための総合的なマネジメント活動を意味する、「BCM(Business Continuity Management:事業継続マネジメント)」の一環として位置づけられます。

BCMの具体的な活動例としては、以下のものが挙げられます。

✅ BCPの策定・維持・更新
✅ 事業継続を実現するための予算・資源の確保
✅ 事前対策の実施
✅ 取組を浸透させるための教育・訓練の実施、点検、継続的な改善
など

BCPが事業継続を実現するための「設計図」だとすれば、BCMは設計図を実施するために、必要な体制の整備・改善を内容とする一連の取組を指します。会社の経営陣は、経営レベルの戦略的活動の一環として、主体的にBCMへ取り組むことが求められます。


BCP(BCM)が従来型の防災活動と異なる点

従来型の防災活動は、緊急事態への対応を目的とする点では、BCP(BCM)と共通しています。

しかし、BCP(BCM)が従来型の防災活動と大きく異なるのは、優先的に復旧すべき重要事業・業務を絞り込み、回復に向けた具体的なスケジュールを経営判断として決める点にあります。不測の事態を乗り越え、会社全体として生き残るために何をすべきかを考えることが、BCP(BCM)の本質的要素と言えるでしょう。


BCPの策定等(BCM)に関して経営者に求められる事項

BCPの策定等(BCM)に取り組むことは、会社の経営を株主から委託された経営者の責任と言えます。BCMを十全に機能させる観点から、経営者には平時・有事を通じて、以下の取組を率先して行うことが求められます。

✅ BCMの必要性・メリット・コストなどを理解したうえで、BCMの導入を決定し、自社の重要事項として実施させること
✅ 自社の経営理念やビジョンを踏まえ、BCMに関する一連の取組の実施・見直し・改善などについて的確に判断し、実行させること
✅ BCMに関する議論・調整・改善などに積極的に参画すること
✅ BCM及び事業継続能力に関する情報発信を行い、取引先等の重要な利害関係者に対する信頼構築に努めること
✅ BCMを通じて企業価値を高める体制を構築し、取引・利益等の拡大を目指すこと
✅ BCPの発動時において、戦略・対策の選択に関する的確な判断を行い、予想を超えた事態が発生した場合には、既存BCPを柔軟に活用して臨機応変な判断・対応指示を行うこと


BCPの策定・実施・検証の流れ

BCPを具体的に策定する際には、事前に基本方針の策定・体制構築・事業環境の分析検討などを行う必要があります。また、BCPを策定した後も、社内へ浸透させるための取組や、定期的な見直し・改善を行うことが必要です。

BCPの策定・実施・検証の流れを、時系列に沿って見ていきましょう。

BCMに関する基本方針の策定

BCPの策定に先立ち、BCMに関する基本方針を策定する必要があります。

BCMを実施するに当たっては、自社の事業内容や周囲の環境をよく理解し、自社が果たすべき責任や、自社にとって重要な事項を明確化しなければなりません。社内外の利害関係者からのフィードバックを整理すると、これらの事項が明確になってくるでしょう。

そのうえで経営者は、自社の事業継続に対する考え方を示す基本方針を策定する必要があります。基本方針は、BCMに関する全ての取組の基礎となるため、取締役会決議を経ることが適切です。

BCMに関する基本方針の例

✅ 人命を最優先とする
✅ 顧客に対する供給責任を果たす
✅ 特定の社会的責任を必ず果たす
など

また、事業継続の目的・達成すべき目標・BCMの対象とする事業の種類や事業所の範囲についても、基本方針の一環として明らかにしておきましょう。

BCM実施体制の構築

BCMに関する分析・検討やBCPの策定を行うには、BCM実施体制を全社的に構築する必要があります。

具体的には、BCM責任者やBCM事務局のメンバーを指名し、さらに関係部門の担当者で構成されたプロジェクトチームを立ち上げるなどの対応が考えられます。また経営者は、BCMの実施体制についての総括的責任と説明責任を負わなければなりません。

事業影響度分析・リスク分析

不測の事態における対応優先順位を決定する前段階として、「事業影響度分析」と「リスク分析」という2つの分析を行います。

事業影響度分析(守るべき業務・水準の目標を決める)

事業影響度分析では、各事業が停止した場合に、その影響の大きさ・変化を時系列で評価します。

具体的には、以下の観点を踏まえ、可能な限り定量(具体的な数値や数量で表現すること)的に影響度評価を行い、自社にとって重要な製品・サービスを特定します。そのうえで、各製品・サービスがどの程度の供給停止期間に耐え得るかを検討することが必要です。

事業中断による影響度評価の観点

✅ 利益・売上・マーケットシェアへの影響
✅ 資金繰りへの影響
✅ 顧客への影響、顧客との取引維持の可能性への影響
✅ 従業員の雇用・福祉への影響
✅ 法令・条例・契約等に違反した場合の影響
✅ 自社の社会的な信用への影響
✅ 社会的・地域的な影響
など

次に、影響度評価の結果を踏まえ、優先的に継続・復旧すべき重要事業を絞り込みます。

それぞれの重要業務につき、「目標復旧時間(どのくらいの時間で復旧させるか)」と「目標復旧レベル(どのくらいの水準まで復旧させるか)」を決定します。さらに重要業務間での優先順位も設定しておきます。

上記の分析・検討を経たうえで、各重要業務の実施に不可欠となる経営資源を把握する必要があります。

重要業務の実施に不可欠な経営資源の例

✅ キーパーソン
✅ 事務所・工場等の拠点
✅ 工程
✅ 機械
✅ 金型
✅ 工具
✅ 梱包
✅ 原料・部品
✅ サービス
✅ ライフライン
✅ 物流
✅ データ
✅ システム
✅ 資金
など

各経営資源の中で、復旧時間の短縮や復旧レベルの向上の障害となる要素(ボトルネック)がある場合には、調達ルートの見直しなどを通じて改善を図ることが求められます。

リスク分析

リスク分析では、想定される発生事象(不測の事態)ごとに、自社にとってどの程度のリスクが発生するかを分析します。具体的には、以下の手順でリスクの分析・評価を行います。

リスク分析の手順

✅ 発生事象の洗い出し
→事業の中断を引き起こす可能性のある発生事象を、全て洗い出します。

✅ リスクマッピング
→各発生事象について、発生の可能性・発生した場合の影響度を定量的・定性的に評価し、対応の優先順位を設定します。

✅ 各発生事象によるリスクの詳細分析
→優先的に対応するリスクが発生した場合に、各経営資源やその調達先・インフラ・ライフライン・顧客等にもたらす被害を詳細に分析します。

具体的に実施する対応策の決定

事業影響度分析・リスク分析の結果を踏まえて、具体的にどのような対応を行うかを検討し、経営者が意思決定を行います。平時から実施する対策(例:代替拠点の確保など)については、大きなコストを要するものもあるため、費用対効果を十分検討しながら戦略・対策を選択することが重要です。

対応策の検討・決定に当たっては、以下の観点(特に最初の2つ)を重視する必要があります。

✅ 重要製品・サービスの供給継続・早期復旧
✅ 企業・組織の中枢機能の確保
✅ 情報・情報システムの維持
✅ 資金確保
✅ 法規制等への対応
✅ 行政・社会インフラ事業者の取組と整合性の確保

BCPその他の計画の策定

実施すべき対応策に関する意思決定の内容を踏まえて、BCPその他の計画を策定します。策定すべき計画の種類と、各計画の内容は以下のとおりです。

✅ BCP(事業継続計画)
→緊急時における体制(関係者の役割・責任・指揮命令系統・権限委譲のルールなど)、緊急時の対応手順(初動対応、その後の事業継続対応)など

✅ 事前対策の実施計画
→平時から順次実施すべき対策(事前対策)の実施体制、予算確保、実施スケジュールなど

✅ 教育・訓練の実施計画
→経営者その他の役員・従業員に対する教育・訓練の実施体制、年間目的、対象者、実施方法、実施時期など

✅ 見直し・改善の実施計画
→BCMの点検・見直し・継続的改善のための体制、スケジュール、手順など

✅ 法規制等への対応
✅ 行政・社会インフラ事業者の取組と整合性の確保

実際の作業を円滑化するため、各部署別の計画や、マニュアル・チェックリストを作成したりすることも効果的です。

事前対策及び教育・訓練の実施

策定した「事前対策の実施計画」及び「教育・訓練の実施計画」に基づき、事前対策と教育・訓練を実施します。

事前対策については、BCM事務局と各担当部局が連携して行います。教育・訓練については、BCM事務局が主導して企画しつつ、有事の事業継続における連携が発生する可能性も踏まえて、他企業や組織との連携訓練も実施することが望ましいでしょう。

BCPの点検・見直し・改善

BCMの有効性低下やBCPの陳腐化を防ぐため、定期的(年1回以上)に点検を行う必要があります。またBCMについては、自社の事業戦略や次年度予算の検討と連動した定期的な見直し(年1回以上)や、自社の事業・環境に大きな変化があった際の臨時的な見直しを実施すべきです。

これらの点検・見直しや、その結果に基づくBCMの是正・改善は、経営者による積極的な関与の下、BCM事務局が進捗を管理しつつ進めていきます。


BCP策定のコツ

自社の状況を踏まえて、BCPを適切に策定するためには、以下のコツを踏まえて対応するのがよいでしょう。

BCPの策定事例を参考にする

内閣府ウェブサイト「防災情報のページ」では、BCPの策定事例が公表されています。また、内閣官房ウェブサイトでも、各社のBCP策定事例の概要が一部公表されています。

事業・業務の内容が同じでなくとも、他社のBCP策定事例を参考とすることは、自社におけるBCPの策定に当たって大いに参考となります。本記事の末尾に各リンクを掲載していますので、併せてご参照ください。

BCPのガイドラインを参照する

内閣府は、「事業継続ガイドライン」を公表しています。事業継続ガイドラインには、本記事で解説したBCPの策定・実施・検証の流れなどが、より詳細にまとめられています。

ガイドラインは非常によく整理されているので、自社でBCPを策定する際にはぜひ参考にしてください。

社外コンサルタントにアドバイスを求める

事業影響度分析やリスク分析を行う際には、自社の事業や環境を客観的な視点から分析しなければなりません。しかし、会社内部のメンバーだけではどうしても視点が偏ってしまい、適切な分析ができないおそれがあります。

客観的な視点から事業影響度分析やリスク分析を行い、より適切な形でBCPを策定するためには、社外コンサルタントにアドバイスを求めることも有力な手段です。費用対効果の検証は必要ですが、予算を確保できる場合は、社外コンサルタントへの相談も検討してみましょう。


この記事のまとめ

BCPの記事は以上です。最新の記事に関する情報は、契約ウォッチのメルマガで配信しています。ぜひ、メルマガにご登録ください!


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