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コンプライアンス対応業務とは? 業務内容などを分かりやすく解説!

契約ウォッチ編集部

契約ウォッチ編集部

(公開:2022/09/20)
この記事のまとめ

コンプライアンス担当業務とは、社内におけるコンプライアンス違反を未然に防ぐことや、コンプライアンス意識を社内全体に浸透させることなどを目的とした業務です。

主に以下の業務を行います。
✅ コンプライアンス推進体制の整備
✅ 企業活動に関するコンプライアンスチェック
✅ コンプライアンスに関する教育・研修
✅ コンプライアンス推進に関する広報

コンプライアンス担当者には、法令をはじめとする幅広い規範の理解に加えて、社内の各部署と適切にコミュニケーションをとる能力が求められます。コンプライアンス担当者は、法務部門と随時連携を行いつつ、会社をコンプライアンス違反のリスクから守りましょう。

今回はコンプライアンス対応業務について、業務内容や担当者に必要な能力などを解説します。

コンプライアンスって、そもそもどういう意味ですか?
ヒツジ
ムートン先生
従来は「法令順守」の意味で使われていましたが、近年では、「法令以外の幅広い規範を順守すること」という意味で使われています。

コンプライアンス対応業務とは

コンプライアンス担当業務とは、社内におけるコンプライアンス違反を未然に防ぐことや、コンプライアンス意識を社内全体に浸透させることなどを目的とした業務です。

コンプライアンス対応業務は、事業の売り上げに直接つながるものではないとの理由から、軽視されてしまうこともありますが、会社の存続を左右する非常に重要な業務です。

法務部門とコンプライアンス部門の関係

コンプライアンス対応業務は、

✅ 法務部門が通常の法務対応とまとめて担当する企業
✅ 法務部門から独立したコンプライアンス部門が担当する企業

の2通りに分かれています。

独立したコンプライアンス部門が設けられているのは、特にコンプライアンスの要請が強い大企業や上場企業が中心です。中小企業などでは、法務部門のなかにコンプライアンス担当を置いているというケースもあります。

いずれの形態をとるにしても、「法令」にかかわるという点で、法務部門とコンプライアンス部門の業務は互いに関連性が高いため、適切な相互協力が求められます。

コンプライアンスとは

そもそも「コンプライアンス(compliance)」とは、法令をはじめとする各種の規範(ルール・マナー)を順守することを意味します。

「法令順守」の側面が強調されることが多いですが、以下に記載したその他の規範を順守することもコンプライアンスの一環です。

コンプライアンス上順守すべき規範の例

法令(法律・政令・省令・条例など)
社内規程(就業規則・役員規程・コンプライアンス規程など)
✅ ガイドライン(官公庁が策定・公表しているものなど)
✅ 社会通念(社会の一般常識)
など

コンプライアンスが重要である理由

企業にとってコンプライアンスが重要であるのは、主に以下の2つの理由によります。

コンプライアンスが重要である理由

✅ 行政処分や刑事罰を避ける
→法令違反に当たる行為をした場合、行政処分や刑事罰の対象となり、企業経営に重大な悪影響が生じかねません。そのため、徹底した法令順守を図り、行政処分や刑事罰を避ける必要があります。


✅ 社会(特にステークホルダー)からの信頼を維持する
→公正・透明な経営を行っている企業は、社会からの信頼を得ることができます。
特に株主・取引先・従業員などのステークホルダー(利害関係者)からの信頼は、企業にとっての生命線です。企業が社会(特にステークホルダー)からの信頼を維持し、安定した経営を行うためには、コンプライアンスが不可欠となります。

コンプライアンス違反の事例

企業がコンプライアンス違反を犯した場合、不祥事として社会的な非難の対象となります。コンプライアンス違反のパターンは多種多様ですが、以下はその一例です。

コンプライアンス違反の事例

✅ 従業員のサービス残業が常態化している(労働基準法違反)
✅ 食品管理の衛生基準を満たしていない(食品衛生法違反)
✅ 他の企業とカルテルを形成している(独占禁止法違反)
✅ 取締役が会社の資金を横領している(業務上横領罪)
✅ あまりにも不公正な租税回避をしている(各種税法違反、そうでなくても社会通念違反)
など


コンプライアンスと関連の深い用語

コンプライアンスとの関連が深く、最近注目を集めている用語をいくつか紹介します。

内部統制

内部統制」とは、企業不祥事を防ぎ、業務の適正を確保するための社内体制を意味します。きちんとした内部統制システムを整備することは、会社全体のコンプライアンス強化につながります。

特に大会社や上場会社は、財務報告の信頼性を確保する必要性が高いため、会社法・金融商品取引法によって内部統制システムの整備が義務付けられています。

コーポレートガバナンス

「コーポレートガバナンス」とは、取締役会などを通じて、経営陣を監視・監督する仕組みを意味します。

一般的に、コンプライアンス違反は、従業員のみならず経営陣も起こす可能性があります。従業員に対しては、経営陣などが監視・監督を行えますが、上の立場である経営陣に対して、従業員が監視・監督するというのは、構造上、難しいものがあります。そこで、取締役会などで、経営陣を監視・監督する仕組み(=コーポレートガバナンス)を確保します。

このように、コーポレートガバナンスは、経営陣の監視・監督に主眼が置かれていますが、コンプライアンスは、従業員の監視・監督に主眼が置かれているという違いがあります。

リスクマネジメント

リスクマネジメント」とは、企業が抱えるリスクが顕在化し、損害を受けてしまうことを回避するための取り組みを意味します。

コンプライアンス違反が原因で行政処分や刑事罰を受けたり、社会からの信頼を失ったりすることは、会社にとって重大なリスクです。そのため、コンプライアンス対応は、リスクマネジメントの一環といえます。

CSR/SDGs/ESG

「CSR(Corporate Social Responsibility)」とは、企業が活動するに当たって担う社会的責任を意味します。社会に存在するさまざまな規範を順守すること(=コンプライアンス)は、CSRの重要な要素です。

「SDGs(Sustainable Development Goals)」とは、人類が抱える課題を解決するために国連総会で採択された、持続可能な開発のための17の国際目標です。SDGsによって掲げられた各目標は、コンプライアンスの一環として順守すべき規範に当たります。

「ESG(Environment, Social, Governance)」とは、企業が長期的に成長を続けるために、経営において意識すべき「環境」「社会」「ガバナンス」という3つの観点を意味します。ESGには、企業が自ら社会規範を順守する、あるいは社会規範を順守している企業を応援するなどの意味合いがあり、コンプライアンスとの関連性が深い用語といえるでしょう。

先生、頭が混乱してきました…!
ヒツジ
ムートン先生
これらの用語は、コンプライアンス担当者として覚えておきたいものです。いろいろな用語があって混乱するかもしれませんが、ゆっくり覚えていきましょう。

コンプライアンス対応業務の主な内容

コンプライアンス対応業務の主な内容は、以下のとおりです。

✅ コンプライアンス推進体制の整備
✅ 企業活動に関するコンプライアンスチェック
✅ コンプライアンスに関する教育・研修
✅ コンプライアンス推進に関する広報

コンプライアンス推進体制の整備

社内全体でコンプライアンスを徹底・推進するための体制整備は、コンプライアンス対応業務のなかでも根幹となる業務の一つです。

コンプライアンス推進体制の整備業務の例

✅ コンプライアンス対応業務を担当する組織の管理・運営
✅ コンプライアンス推進プログラムの作成・施行
✅ コンプライアンス推進マニュアルの整備・施行

企業活動に関するコンプライアンスチェック

日常の企業活動をチェック(監視)し、コンプライアンス違反を未然に防ぐことも、重要なコンプライアンス対応業務の一つです。

企業活動に関するコンプライアンスチェック業務の例

✅ 各種契約内容・締結のチェック
下請法の順守状況のチェック
✅ 知的財産管理
✅ 各部門からの相談対応
など

コンプライアンスに関する教育・研修

従業員のコンプライアンス意識を高めるため、コンプライアンス対応業務の一環として教育・研修を行います。

コンプライアンスに関する教育・研修業務の例

✅ 教育・研修プログラムの策定
✅ コンプライアンス研修の実施
など

コンプライアンス推進に関する広報

社内におけるコンプライアンスの状況を可視化し、役員・従業員による改善を促すための広報を行うことも、コンプライアンス対応業務の一環です。

コンプライアンス推進に関する広報を行う業務の例

✅ 自社のコンプライアンス推進状況の把握・分析
✅ 把握・分析結果の社内フィードバック
✅ 経営理念、倫理綱領などの制定・周知の支援
など

コンプライアンス違反発生時の対応

実際に社内でコンプライアンス違反が発生した場合は、迅速に事態を収拾するため、コンプライアンス担当者の尽力が求められます。

コンプライアンス違反発生時の対応業務の例

✅ コンプライアンス違反に関する事実関係の調査、法的検討
✅ ステークホルダー向けの情報開示
✅ 監督官庁とのやりとり
✅ 違反を犯した者に対する懲戒処分の検討
✅ 違反が発生した原因の究明、再発防止策の検討
など


コンプライアンス担当者に必要な能力

コンプライアンス対応業務の内容に鑑みて、コンプライアンス担当者には以下の能力が求められます。

✅ 法令をはじめとする幅広い規範の理解
✅ 社内の各部署とのコミュニケーション能力
など

法令をはじめとする幅広い規範の理解

法令・社内規程・ガイドライン・社会通念などの規範を社内全体で順守するためのサポートが、コンプライアンス対応業務の最重要課題です。

そのためコンプライアンス担当者には、これらの規範の全体像を把握・理解し、改正等によるアップデートにもタイムリーに対応することが求められます。

社内の各部署とのコミュニケーション能力

コンプライアンスを社内全体に浸透させるには、日々の業務や研修などを通じた各部署とのコミュニケーションが欠かせません。

コンプライアンスに関して、やるべきこと・やってはいけないこと・注意点などを分かりやすく伝えるコミュニケーション能力は、コンプライアンス担当者に求められる重要な資質です。


コンプライアンスと関係の深い法令

コンプライアンス担当者には、自社の活動に関係するすべての法令に精通することが求められます。そのなかでも、企業コンプライアンスの観点から問題になるケースが多い法令としては、以下の例が挙げられます。

民法
→私人間(個人、法人)の法律関係に共通して適用される法律です。


会社法
→会社の組織や運営方法などのルールを定めた法律です。


✅ 消費者契約法、特定商取引法、景品表示法
→事業者と一般消費者の間の取引に関するルールを定めた法律です。BtoC事業を展開する会社でよく問題になります。


✅ 製造物責任法
→製品の欠陥によって生じた損害の賠償責任を定めた法律です。メーカーなどでよく問題になります。


✅ 個人情報保護法
→個人情報の取り扱いなどを定めた法律です。


✅ 独占禁止法、下請法
→事業者間の競争を不当に制限する行為を禁止した法律です。


特許法、著作権法、商標法など
→知的財産権に関するルールを定めた法律です。


✅ 労働基準法、労働契約法、労働組合法、労働安全衛生法など
→使用者と労働者の間で適用されるルールを定めた法律です。


✅ 金融商品取引法
→株式など、金融商品の取引に関するルールを定めた法律です。特に上場企業では重要度が高まります。


コンプライアンス対応業務を行う際のポイント

コンプライアンス担当者は、以下の各点に留意したうえで業務に当たることが大切です。

✅ 経営者と連携してコンプライアンスを推進する
✅ さまざまな観点からリスクを検討する
✅ 法務担当者と緊密に連携する
✅ 「コンプライアンス違反は断固として許さない」という対応をとる
✅ ビジネス部門のブレーキ役であることを意識する
✅ コンプライアンス違反が起きた根本原因を探し解消する

トップと連携してコンプライアンスを推進する

コンプライアンスを社内全体に浸透させるには、経営者との連携が重要になります。

特に、コンプライアンスの浸透に当たっては、経営者などのトップが「会社としてコンプライアンスに取り組む」というメッセージを発信することが非常に効果的であるといわれています。

トップメッセージの発信により、「コンプライアンス=最重要課題」との認識がなされ、コンプライアンス担当も推進活動などを積極的に行いやすくなります。

ただし、トップメッセージ発信の際は、トップ自身がコンプライアンスの重要性について腹落ちしている状態で、さらに、「行動として示されること」が重要です。言葉だけ発信し行動が伴っていない状態だと、社員もコンプライアンスを軽視していくようになります。

もしトップがコンプライアンスの重要性を理解していない場合は、コンプライアンス担当が経営者の意識変革を働きかけていく必要もあるかもしれません。

さまざまな観点からリスクを検討する

✅ 社内でどのようなコンプライアンス違反が発生し得るのか
✅ 違反が発生した場合にどの程度の損害が生じるのか

といったリスクの分析は、コンプライアンス担当者の重要な役割です。

法令のルールのみならず、社会からの評判(レピュテーション)も念頭に置きつつ、さまざまな観点から多角的にリスクの検討を行いましょう。

法務担当者と緊密に連携する

コンプライアンスのなかでも「法令」順守に取り組むことは、重要度の高い課題です。法令順守に取り組む際は、法令や法改正の内容をきちんと把握し、社内体制の整備などを進めていかねばなりません。そのため、法令についての豊富な知見をもつ法務担当者との連携も大切になります。

コンプライアンス担当者と法務担当者が適切に連携することで、社内のコンプライアンス体制はいっそう強化されるでしょう。

「コンプライアンス違反は断固として許さない」という対応をとる

コンプライアンス推進の旗振り役である担当者は、誰よりも毅然とした態度でコンプライアンスを徹底しなければなりません。

時には社員から「コンプライアンス担当者は細かい・うるさい」といった不平不満をもらうこともあるかもしれません。しかし、コンプライアンスは企業が絶対に取り組まなければならない重要な課題なので、「コンプライアンス違反は断固として許さない」という姿勢を常に持ちながら、コンプライアンス対応業務に取り組みましょう。

ビジネス部門のブレーキ役であることを意識する

ビジネス部門は売り上げや利益を追求するあまり、コンプライアンス上疑義のある論点につき、コンプライアンス担当者に対して「問題ない」と意見するように求めてくるケースがあります。

しかしコンプライアンス担当者は、リスク管理を担う「ブレーキ役」であることを意識して、客観的な立場から分析・検討を行って意見を述べなければなりません。

コンプライアンス違反が起きた根本原因を探し解消する

万が一コンプライアンス違反が発生した場合、迅速な事態の収拾とともに、根本原因を特定し、再発防止を図ることが重要になります。

たとえば、ビジネス部門において残業が常態化し、労働基準法に違反してしまったというケースがあったとします。この場合、組織風土として残業をするのが当たり前という風潮があったのか、営業などのノルマが異常に高すぎて残業をせざるを得ない状況にあったのか、といった根本原因によって、とるべき措置も変わってきます。

そのため、場当たり的に対応をするのではなく、コンプライアンス違反の根本原因を探して解消することが大切です。


この記事のまとめ

コンプライアンス対応業務の記事は以上です。最新の記事に関する情報は、契約ウォッチのメルマガで配信しています。ぜひ、メルマガにご登録ください!


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