【最判令和7年12月23日】
LPガスの供給契約終了に伴う
配管設置費用等の請求が
消費者契約法違反により棄却された事例

この記事のまとめ

最高裁令和7年12月23日判決では、LPガス(液化石油ガス)の供給事業者であるX社が、戸建て住宅を購入したYに対し、供給契約の解約に伴って配管設備等の設置費用の未回収分(=本件算定額)の支払いを求めた事案が問題になりました。

最高裁は、Yに本件算定額の支払いを義務付ける契約条項は、消費者契約法に基づいて無効であると判断しました。その理由として最高裁は、本件算定額が配管設備等の設置の対価とはいえないことや、X社がY以外の契約者全体に設置費用の負担を転嫁できることなどを挙げています。

直近の法令改正および本判決を踏まえて、LPガスの供給に関して三部料金制が浸透することにより、料金体系の透明化が期待されます。

裁判例情報
最高裁令和7年12月23日判決(裁判所ウェブサイト)

※この記事は、2026年1月30日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。

事案の概要

LPガス(液化石油ガス)の供給事業者であるX社が、戸建て住宅を購入したYに対し、供給契約の解約に伴って配管設備等の設置費用の未回収分の支払いを求めた事案です。

X社は、Yが購入した戸建て住宅の建設に際して、施工を担った住宅メーカーであるA社に対して、配管設備等の設置費用21万円(=本件設置費用)を請求しませんでした。
X社とAが締結した供給契約においては、供給開始日から10年が経過する前に契約が終了する場合、AはX社に対して、同費用のうち終了の時期に応じた額(=本件算定額)を支払うべき旨が定められていました。

Yは供給開始日から2年弱が経過した時期に、LPガスの供給事業者をX社からB社へ変更することとし、X社との間の供給契約を終了させました。
X社は本件算定額として、Yに対して17万3775円を請求しました。しかし、Yは本件算定額の支払いを拒否したため、X社は同額および遅延損害金の支払いを求めて提訴しました。

Yは、本件算定額の支払義務を課す契約条項(=本件条項)が、消費者契約法9条1項にいう「当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項」(=違約金等条項)に当たり、X社に生ずべき平均的な損害は存在しないので、その全部が無効になると主張しました。

原審の東京高裁は、本件条項は配管設備等の設置費用の未回収分をYが支払う旨の合意であって、違約金等条項に当たらないと判断し、X社の請求を認めました。Yはこれを不服として、最高裁に上告しました。

判決の要旨

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