コンプライアンスのチェックリストとは?
項目例や作成時のポイントなどを
分かりやすく解説!

おすすめ資料をダウンロードできます
✅ 10分で読める!2026年施行予定の法改正まとめ【無料】
この記事のまとめ

企業がコンプライアンスを推進するためには、遵守すべき項目をまとめたチェックリストを作成するのが効果的です。次の項目などにつき、自社の業種や事業内容に合わせたチェックリストを作成しましょう。

① 経営・組織
② 人事・労務管理
③ 個人情報・営業秘密
④ 契約管理
⑤ 広告・宣伝
⑥ 会計・税務
⑦ 知的財産権

コンプライアンスのチェックリストは、現場担当者の行動指針としても用いることが望ましいです。できる限り具体的な行動に落とし込めるような項目を検討しましょう。また、社会情勢の変化や自社における教訓などを反映するため、定期的にチェックリストを見直すことをお勧めします。

この記事ではコンプライアンスのチェックリストについて、項目例や作成時のポイントなどを解説します。

ヒー

コンプライアンス対策は、何から確認すればよいでしょうか?

ムートン

チェックリストを活用して、自社の体制や業務上のリスクを確認してみましょう。

※この記事は、2026年9月30日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。

コンプライアンスのチェックリストとは

コンプライアンスのチェックリストとは、企業がコンプライアンスに取り組む際、確認すべき事項をまとめたリストです。自社の業種や事業内容に合わせたチェックリストを作成しましょう。

コンプライアンスとは

「コンプライアンス」とは、事業者が社会規範を遵守することを意味します。法令のほか、社内規程・契約・企業倫理など、コンプライアンスの対象となる社会規範は多岐にわたります。

コンプライアンス違反が発生すると、企業イメージの低下や法的なペナルティなどのさまざまなリスクを負ってしまいます。企業はコンプライアンスを徹底し、不祥事の予防に取り組むことが大切です。

コンプライアンスのチェックリストを作成するメリット

企業がコンプライアンスを推進するためには、遵守すべき項目をまとめたチェックリストを作成するのが効果的です。

あらかじめ作成したチェックリストに沿って確認を行えば、多角的な観点からコンプライアンスの状況をチェックすることができます。また、チェックリストに沿った確認を定期的に行うことにより、前回の確認時から変化した点や、不適切となった点などを発見しやすくなります。

ただし、チェックリストを利用した画一的な確認だけを行えば十分であるとは限りません。チェックリストはベースとして活用しつつ、現場の状況に合わせた臨機応変な確認・検討も行いましょう。

実務に役立つコンプライアンスのチェックリスト例|セルフチェックにも有用

コンプライアンスに関する確認は、次に挙げる観点などから多角的に行うことが求められます。

① 経営・組織
② 人事・労務管理
③ 個人情報・営業秘密
④ 契約管理
⑤ 広告・宣伝
⑥ 会計・税務
⑦ 知的財産権

チェックリストの参考例を紹介しますので、自社の状況に応じて適宜調整したうえでご利用ください。なお、ここで紹介する項目例は社内全体で利用するチェックリストを想定したもので、部署ごとに作成するチェックリストではより具体性の高い項目を定めることをお勧めします。

経営・組織

□ 法令・社内規程を遵守するための基本方針を定めているか
□ コンプライアンスを担当する責任者・部署を明確にしているか
□ コンプライアンスに関する社内規程・マニュアルを整備しているか
□ 役員・従業員に対して定期的にコンプライアンス研修を実施しているか
□ 法令改正や事業環境の変化を把握し、必要に応じて社内ルールを見直しているか
□ 法令違反や不正行為を相談・通報できる窓口を設置しているか
□ 内部通報者が不利益な取扱いを受けないための仕組みを整備しているか
□ 不正や法令違反が発生した場合の報告・調査・是正手順を定めているか
□ 反社会的勢力との関係を排除するための方針・手続を整備しているか
□ 取締役等による利益相反や会社財産の私的利用を防止する仕組みを整えているか

人事・労務管理

□ 労働条件通知書や雇用契約書を適切に交付・締結しているか
□ 就業規則を適切に作成・届出・周知しているか
□ 労働時間・休憩・休日を適切に管理しているか
□ 時間外労働や休日労働の時間数を適切に管理し、法令上必要な手続きを行っているか
□ 割増賃金を適切に計算・支給しているか
□ 年次有給休暇を適切に付与・管理しているか
□ 最低賃金を下回る賃金設定になっていないか
□ ハラスメントを防止するための方針・相談窓口・対応体制を整備しているか
□ 妊娠・出産、育児休業・介護休業等を理由とする不利益な取扱いをしていないか
□ 採用・配置・昇進・退職等について、法令に反する差別的な取扱いをしていないか

個人情報・営業秘密

□ 個人情報を取得する際に、利用目的を適切に定め、本人に通知・公表しているか
□ 個人情報を利用目的の範囲内で取り扱っているか
□ 個人データへのアクセス権限を適切に設定しているか
□ 個人情報の漏えい・滅失・毀損を防ぐための安全管理措置を講じているか
□ 個人情報を第三者に提供する際、必要な手続きを行っているか
□ 個人情報の取扱いを外部委託する場合、委託先を適切に監督しているか
□ 従業員に対して個人情報保護に関する教育を行っているか
□ 営業秘密に該当する情報を適切に特定・管理しているか
□ 営業秘密へのアクセス権限を必要な従業員に限定しているか
□ 退職者による営業秘密の持ち出し・漏えいを防止する措置を講じているか

契約管理

□ 契約締結前に契約内容や取引条件を十分に確認しているか
□ 契約書について法務担当者等によるチェックを受ける体制を整えているか
□ 契約締結権限を持つ者を明確に定めているか
□ 契約書の重要な条項について、関係従業員等に情報共有をする仕組みを整えているか
□ 契約期間・更新期限・解約期限などを適切に管理しているか
□ 締結済みの契約書等を適切に保管・管理しているか
□ 秘密保持義務・個人情報の取扱い・反社会的勢力の排除などについて必要な条項を定めているか
□ 下請事業者・業務委託先との取引について適用される法令を確認し、必要に応じて契約に反映しているか
□ 契約締結後も、契約の規定に沿って取引や業務が履行されているかを確認しているか

広告・宣伝

□ 商品やサービスについて、事実と異なる表示をしていないか
□ 商品・サービスの品質、性能、効果等を、実際よりも著しく優良であると誤認させる表示をしていないか
□ 価格・取引条件を実際よりも著しく有利であると誤認させる表示をしていないか
□ 「No.1」「業界最高」などの表示を、合理的な根拠なく行っていないか
□ 二重価格表示について、比較対象となる価格が適切であることを確認しているか
□ 広告であることを隠して口コミ・レビューを依頼するなど、ステルスマーケティングを行っていないか
□ 景品を提供する場合、景品表示法上の限度額等を確認しているか
□ 広告に使用する写真・文章・イラスト等について、第三者の権利を侵害していないか
□ 広告表示について、法令や業界の自主規制に照らして事前チェックを行っているか

会計・税務

□ 取引について、適切な時期・金額による会計処理をしているか
□ 売上や経費を意図的に操作するなど、不適切な会計処理をしていないか
□ 領収書・請求書・契約書等の証憑を適切に保存しているか
□ 経費について、事業との関連性を確認しているか
□ 現金・預金などの会社資産を適切に管理しているか
□ 会社資金と役員・従業員の個人的な資金を明確に区分しているか
□ 法人税・消費税・源泉所得税等の申告・納付期限を管理しているか
□ インボイス制度や電子帳簿保存法など、適用される制度や法令に対応しているか
□ 税務申告の内容について、必要な資料や根拠を確認しているか
□ 架空取引や架空経費の計上などの粉飾を防止するため、必要な監査体制を整えているか

知的財産権

□ 自社の商品・サービス名について、他社の商標権を侵害していないことを確認しているか
□ 新商品・新サービスの開発前に、第三者の特許権等を侵害しないことを確認しているか
□ 他社の文章・画像・動画・音楽等を無断で使用していないか
□ インターネット上で取得した画像や素材について、利用条件を確認しているか
□ ソフトウェアやフォント等について、ライセンス条件を遵守しているか
□ 自社が作成した著作物等について、権利関係を適切に整理しているか
□ 従業員が職務上作成した知的財産について、権利の帰属を確認しているか
□ 外部のデザイナー・制作会社等に依頼する場合、知的財産権の帰属を契約で明確に定めているか
□ 自社が保有する知的財産権について、更新期限や存続期間を適切に管理しているか
□ 第三者から知的財産権の侵害を指摘された場合の社内対応手順を定めているか

コンプライアンスのチェックリストの活用方法

コンプライアンスのチェックリストは、社内全体での策定・利用に加えて、部署ごとにも設けるとより効果を高めることができます。

社内全体のコンプライアンスチェックに用いる

会社の組織に関わる事柄や、幅広い部署に共通して関係する事柄については、社内全体のコンプライアンスチェックリストにまとめておくとよいでしょう。例えば、経営・組織や人事・労務管理、個人情報・営業秘密の取り扱いなどに関する基本的な考え方は、社内全体のチェックリストに馴染みやすい事項です。

全社的なコンプライアンスチェックは、取締役会やコンプライアンス委員会などの組織が中心となって行います。企業が目指す方向性や、適用される法令などの状況を踏まえたうえで、網羅的な確認を行いましょう。

部署ごとのコンプライアンスチェックに用いる

コンプライアンスを徹底するためには、各部署における日常的なコンプライアンスチェックが欠かせません。取り扱う業務や取引の内容は部署ごとに異なるため、個別のコンプライアンスチェックリストを設けることが望ましいです。

例えば、人事部門においては労働関係法令や個人情報の取り扱い、営業部門においては契約管理や広告・宣伝について重点的に項目を設定するなど、部署の特性に応じた内容のチェックリストを作成しましょう。

コンプライアンスのチェックリストを作成する際のポイント

企業がコンプライアンスのチェックリストを作成する際には、特に次のポイントに留意してください。

① 自社の業種や事業内容に合わせて項目を検討する
② 自社に適用される法規制を幅広く調査する
③ 現場担当者の行動指針になるように、具体的な項目を定める
④ 定期的にチェックリストを見直す

自社の業種や事業内容に合わせて項目を検討する

コンプライアンスチェックリストの項目は、自社の事業内容や個々の業務の特性に合わせて作成することが重要です。

例えば、一般消費者向けに事業を行う場合は個人情報保護に関する項目、多くの従業員を雇用する企業では人事・労務管理に関する項目を充実させるのがよいでしょう。
このように、事業内容や個々の業務を分析したうえで、問題になり得るコンプライアンス上のリスクを幅広く洗い出し、確認すべき項目を検討することが大切です。

自社に適用される法規制を幅広く調査する

企業がコンプライアンスを推進するに当たり、法令は最も重点的に確認・遵守すべき社会規範の一つです。チェックリストを作成する際は、自社に適用される法規制を幅広く調査し、遵守すべき事項に対応するチェック項目を漏れなく設けましょう。

会社法や労働関係法令などは多くの企業に共通して適用される一方で、特定の業種に限って適用される法規制についても見落とさないように注意してください。官公庁がガイドライン等を公表している場合は、法令と併せて参照することが求められます。

現場担当者の行動指針になるように、具体的な項目を定める

各部署において利用するコンプライアンスチェックリストは、現場担当者の具体的な行動指針としての側面を有します。そのため、現場担当者が具体的な行動に落とし込めるように項目を記載することが望ましいです。

例えば「個人情報を適切に管理しているか」と記載するだけでは、どのような方法で個人情報を管理すればいいのかが分かりません。
「個人情報が含まれるファイルにパスワードを設定したか」などと記載した方が、現場担当者がとるべき具体的な行動が分かりやすいでしょう。

チェックリストを見た際、現場担当者がとるべき行動をすぐに理解できるかどうかという観点から、項目の内容や記載ぶりを検討することをお勧めします。

定期的にチェックリストを見直す

コンプライアンスチェックリストは、一度作成したものをずっと利用し続けるのではなく、定期的に内容を見直しましょう。
日々の業務の中で生じたヒヤリハット事例、他社の企業不祥事、報道やSNSによって注目を集めている問題意識などを反映することで、チェックリストの効果がさらに高まり、コンプライアンス違反のリスクをより低減することができます。

おすすめ資料をダウンロードできます
✅ 10分で読める!2026年施行予定の法改正まとめ【無料】
ムートン

最新の記事に関する情報は、契約ウォッチのメルマガで配信しています。ぜひ、メルマガにご登録ください!