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【廃棄物処理法改正(2020年4月施行)に対応】 産業廃棄物処理委託契約の レビューポイントを解説!

契約ウォッチ編集部

契約ウォッチ編集部

(公開:2020/08/21)
この記事のまとめ

改正廃棄物処理法(2020年4月1日施行)に対応した契約書のレビューポイントを解説!!

今回の産業廃棄物処理法では、前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の発生量が50トン以上の事業場には、電子マニフェストの使用が義務づけられます。 この記事では、紙マニフェストから電子マニフェストに切り替えるにあたって、どのような点に注意して契約書をレビューすべきかを解説します。
ぜひ、契約書のレビューポイントを見直すときにご活用ください。 廃棄物処理法について知識がない方も、この記事を読めば、すぐに契約書レビューに実践できます!

新旧対照表のダウンロードはこちらから

 【2020年4月施行】 廃棄物処理法の新旧対照表 (解説つき)

廃棄物処理法の改正点について、もっと詳細を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

※この記事では、法令名を次のように記載しています。

  • 廃棄物処理法…2020年4月施行後の廃棄物処理法(昭和45年法律第137号)
  • 旧廃棄物処理法……2020年4月施行前の廃棄物処理法(昭和45年法律第137号)
先生、廃棄物処理法が改正されるみたいですね。 産業廃棄物処理委託契約をレビューするときは、 今までどおりにレビューして大丈夫でしょうか?
ヒツジ
ムートン先生
基本的には、今までと変わりません。 ですが、電子マニフェストに関する契約条項について、これを機会に、きちんと定めておくとよいでしょう。 改正をふまえて注意すべきレビューポイントを理解しておきましょう!

産業廃棄物処理委託契約とは?

産業廃棄物とは、事業活動に伴って排出される廃棄物です。事業者は、産業廃棄物が発生した場合、 その廃棄物を自ら処理しなければならない、というのが廃棄物処理法の原則です(廃棄物処理法3条、11条)。処理とは、分別、保管、収集、運搬、再生、処分等をいいます(同法1条)。

もっとも、多くの事業者は、自ら処理をするのではなく、他社に処理を委託していることでしょう。廃棄物処理法では、例外的に、事業者が他社に廃棄物の処理を委託することを認めています(同法12条5項)。産業廃棄物処理契約とは、事業者が、他社に廃棄物の処理を委託するときに締結する契約のことをいいいます。 廃棄物処理委託契約には法令で定められた事項を記載して、書面で締結しなければなりません(同法12条6項、同施行令6条の2)。

このように例外的に、他社に処理を委託することにしているため、基本的には、廃棄物を排出した事業者が、誰にどのように廃棄物が収集運搬・処分されたのかを把握して責任をもたなければなりません。廃棄物を排出した事業者は、他社に収集運搬を依頼すればそれで責任を免れるわけではなく、その廃棄物がどのように処分されるのかについても責任を負うのです。

廃棄物の処理というのはどのような工程なのですか?
ヒツジ
ムートン先生
廃棄物の処理とは、収集運搬された後、一時的に保管され、さらに収集運搬されて焼却・破砕などの中間処理が行われて、最終的に処分(埋め立て等)されるまでの工程をいいます。収集運搬業務と処分業務は、それぞれ異なる許可が必要となりますので、廃棄物を排出した事業者は、収集運搬業者と処分業者のそれぞれに委託することになります。もっとも、処分業者が、収集運搬業の許可も得ている場合には、当該事業者に、収集運搬と処分のいずれの業務も委託することもあります。

廃棄物を排出した事業者は、廃棄物の収集運搬と処分についてそれぞれ他人に委託することになります。収集運搬業者と処分業者との間で三者間契約を締結することは禁止されています(廃棄物処理法12条5項)。 そのため、廃棄物処理委託契約と一口にいっても、委託する業務の内容に応じて大きく3つの種類があります。廃棄物処理委託契約をレビューするときは、まずは、どの種類の契約であるかを確認しましょう。

①廃棄物の収集運搬業務の委託契約

 廃棄物の収集運搬業務のみを委託する際に利用します。

②廃棄物の処分業務の委託契約

 廃棄物の処分業務のみを委託する際に利用します。

③廃棄物の収集運搬・処分業務の委託契約

 委託先の事業者が、収集運搬業務と処分業務のいずれの許可も得ているときは、廃棄物の収集運搬・処分業務のいずれも委託することができます。このように、廃棄物の収集運搬・処分業務のいずれも委託する際に利用します。

公益社団法人全国産業廃棄物連合会が標準様式として、「産業廃棄物処理委託契約書(ひな型)」を作成しています。そちらを購入して利用するのでもよいでしょう。

産業廃棄物処理委託契約に定めるべき事項

廃棄物処理法には、産業廃棄物について排出事業者の責任が定められています。この責任の1つに、 廃棄物処理委託契約には法令で定められた事項を記載して、書面で締結しなければならない、 というものがあります(同法12条6項、同施行令6条の2)。 産業廃棄物処理委託契約に定めるべき事項は、以下の事項です(廃棄物処理法12条6項、同令6条の2、同規則8条の4の2)。

廃棄物処理委託契約に定めるべき事項

【収集運搬・処分に共通して定めるべき事項】

☑委託契約の有効期間
☑ 産業廃棄物の種類・数量
☑ 契約金額
☑ 受託者の事業範囲(※許可証を添付しなければならない)
☑ 産業廃棄物の性状・荷姿
☑ 通常の保管下における産業廃棄物の腐敗、揮発等の性状の変化
☑ 産業廃棄物の混合等によって生じる支障
☑ 委託する産業廃棄物にJIS C 0950含有マークが含まれている場合は、JIS C 0950含有マークの表示に関する事項
☑ 委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等が含まれる旨
☑ その他産業廃物の取扱い上の注意
☑ 上記情報に変更があったときの伝達方法
☑ 受託業務の終了の報告(※マニフェストによる報告で代替できる)
☑ 契約解除時の産業廃棄物の取扱い

【収集運搬のみに定めるべき事項】

☑ 運搬の最終目的地の所在地
☑ 積替保管を行う場合、積替保管を行う場所の所在地・積替保管できる産業廃棄物の種類・保管上限
☑ 積替保管を行う場合であり、産業廃棄物が安定型産業廃棄物である場合、他の廃棄物と混合することの拒否

【処分のみに定めるべき事項】

☑ 処分場所の所在地・方法・処理能力
☑ 最終処分の場所の所在地・方法・処理能力
☑ 委託する産業廃棄物が輸入された廃棄物である場合、輸入された廃棄物である旨

廃棄物法改正(2020年4月施行)で気を付けるべき産業廃棄物処理委託契約のレビューポイント

それでは、今回の改正をふまえて、気を付けるべきレビューポイントを解説します。 2020年4月1日以降、産業廃棄物処理委託契約を締結するときは、次のレビューポイントを確認しましょう。

改正により、気を付けるべき契約書レビューポイント(1つ)

ポイント1│紙マニフェストに代えて電子マニフェストを使用するときのルールが明らかになっているか?

なお、これらのレビューポイントを見逃したからといって、法令違反となるおそれはありません。 しかし、法務担当者としては、自社にとって、大きな不利益を被ることがないように理解しておくべきポイントです。

改正ポイント

まず、今回の産業廃棄物処理法の改正点をおさえましょう。改正点は、1点です。 改正により、一定の事業者に対する電子マニフェストの使用が義務づけられます(12条の5)。 すなわち、前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の発生量が50トン以上の事業場には、電子マニフェストの使用が義務づけられます。 それ以外の事業場は紙マニフェストの使用が認められます。

気を付けるべきレビューポイント|紙マニフェストに代えて電子マニフェストを使用するときのルールが明らかになっているか?

排出事業者(委託者)の立場から、産業廃棄物処理契約で気を付けるべき点を解説します。収集運搬と処分のいずれか又は双方を委託するときのいずれにもあてはまります。

マニフェストの記載義務

産業廃棄物処理法を遵守するために、産業廃棄物処理契約書には、次のようなマニフェストに関するルールが定められていることが多くあります。

記載例

(マニフェストに関する義務)
1. 委託者は、委託する産業廃棄物の紙マニフェストの法定記載事項を正確にかつ漏れなく記載するものとする。
2. 前項のマニフェストの法定記載事項に虚偽又は記載漏れがある場合は、受託者は、委託物の引取りを一時停止して、法定記載事項の修正を委託者に請求し、修正内容を確認の上、委託物を引き取るものとする。

しかしながら、このように、紙マニフェストを前提とした規定となっている場合は、電子マニフェストを用いたときのルールが不明確です。 そこで、マニフェストに関するルールが定められているときは、電子マニフェストを用いたときのルールを明確にするために、次のように追記することが考えられます。

記載例

(マニフェストに関する義務)
1. 委託者は、委託する産業廃棄物の紙マニフェストの法定記載事項を正確にかつ漏れなく記載し、 委託者が紙マニフェストに代えて電子マニフェストを使用する場合には、電子マニフェストの法定登録事項を 正確かつ漏れなく登録するものとする。 2. 前項のマニフェストの法定記載事項又は法定登録事項に虚偽又は記載漏れがある場合は、受託者は、委託物の引取りを一時停止して、 法定記載事項又は法定登録事項の修正を委託者に請求し、修正内容を確認の上、委託物を引き取るものとする。

業務終了後の報告義務

もう一つ、マニフェストに関するルールを定めた条項の例をあげます。 次のような、マニフェストを業務終了報告書の代用とする旨の規定です。

記載例

(委託業務終了報告)
1. 受託者は委託者から委託された産業廃棄物の業務が終了した後、直ちに業務終了報告書を作成し、委託者に提出するものとする。
2. 受託者は、収集・運搬業務については、それぞれの運搬区間に応じた紙マニフェストB2票、B4票、B6票で、処分業務については、マニフェストD票で前項の業務終了報告書に代えることができる。
3. 前二項の規定にもかかわらず、受託者は、委託者が請求する場合、本業務の詳細について速やかに委託者に報告するものとする。

排出事業者(委託者)としては、廃棄物の運搬・処分の終了時期を把握するため、受託者に業務終了報告書の提出を求めることが通常です。 もっとも、マニフェストの交付があれば、産業廃棄物の運搬が終了した時期を把握することができるため、マニフェストは、業務終了報告書の代用とすることを定めたものとなっています。 このような規定も、紙マニフェストの交付を前提として規定されているときは、次のように電子マニフェストを用いたときのルールを明確にしておくことが考えられます。

記載例

(委託業務終了報告) 1. 受託者は委託者から委託された産業廃棄物の業務が終了した後、直ちに業務終了報告書を作成し、委託者に提出するものとする。 2. 受託者は、収集・運搬業務については、それぞれの運搬区間に応じた紙マニフェストB2票、B4票、B6票で、処分業務については、マニフェストD票で前項の業務終了報告書に代えることができるものとし、 又は受託者が紙マニフェストに代えて電子マニフェストを使用する場合には、受託者が電子マニフェストに法定登録記載事項を登録することで、当該業務終了報告書の提出に代えることができるものとする。 3. 前二項の規定にもかかわらず、受託者は、委託者が請求する場合、本業務の詳細について速やかに委託者に報告するものとする。

まとめ

廃棄物処理法の改正をふまえた産業廃棄物処理委託契約のレビューポイントは以上です。改正についてもっと詳細を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。


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