【2026年施行】早期事業再生法とは?
経営不振の事業者が利用できる
新しい手続きを分かりやすく解説!
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- この記事のまとめ
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「早期事業再生法」とは、経済的に苦境に陥るおそれのある事業者が、倒産状態となる前に利用できる手続きを定めた法律です。2025年6月13日に公布され、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日に施行されます。
早期事業再生の手続きでは、金融機関等が有する貸付債権等が権利変更の対象となります。
裁判所が指定した第三者機関(指定確認調査機関)による申請要件の確認を受けたうえで、対象債権者集会の決議と裁判所の認可が得られれば、借金の減額などが認められます。この記事では早期事業再生法について、経営不振の事業者が利用できる新しい手続きを詳しく解説します。
※この記事は、2025年8月12日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。
※この記事では、法令名を次のように記載しています。
- ・早期事業再生法、法…円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律
目次
早期事業再生法とは
「早期事業再生法」とは、経済的に苦境に陥るおそれのある事業者が、倒産状態となる前に利用できる手続きを定めた法律です。2025年の国会で成立(令和7年法律第67号)し、2026年中の施行が予定されています。
早期事業再生法の目的
早期事業再生法の目的は、経済的に苦しくなった事業者が早期に事業再生へ取り組み、事業価値の毀損や技術・人材の散逸を避けるための制度を整備することです。
従来の日本の法制度では、倒産状態に陥る前の段階で事業再生を円滑に進めることは難しい点が課題とされていました。
そこで早期事業再生法では、経済的に苦しくなった事業者を対象として、裁判所の認可の下で債権者の多数決によって債務の減額などを認める制度(以下「早期事業再生」といいます。)が新設されました。
早期事業再生が広く活用されれば、早い段階で事業者の財務状態を改善し、事業価値の毀損や技術・人材の散逸を防げるようになることが期待されます。
早期事業再生と他の倒産手続きとの関係
日本では、裁判所が関与する事業再生の手続きとして「民事再生」と「会社更生」が設けられています。しかし民事再生と会社更生はいずれも、支払不能や債務超過の具体的なおそれがある、すでに倒産状態となった会社を対象とするものです。
倒産状態に陥る前に行う事業再生の手続きとしては、「私的整理」が挙げられます。
しかし私的整理は、裁判所が関与することなく、債務者である事業者と金融機関などの債権者の交渉によって行われます。私的整理によって債務の減額などを行うためには、対象となる全債権者の同意を得なければなりません。

今回新設された早期事業再生は、主に民事再生や会社更生を行うべき段階に至っていない事業者が、早期に事業再生へ取り組むために利用することを想定したものです。
このような事業者は、従来であれば私的整理を行うほかなく、全対象債権者の同意を得なければならないという高いハードルが課されていました。早期事業再生を利用すれば、一部の債権者が反対していても、多数決によって債務の減額などが認められ、円滑に経営を立て直せる可能性があります。
公布日・施行日
早期事業再生法の公布日および施行日は、以下のとおりです。
- 公布日・施行日
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公布日:2025年6月13日
施行日:公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日
※一部の規定を除く












