企業法務の学び方(4)
―リーガル・オペレーションズと契約ガバナンス

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一橋大学大学院法学研究科教授
一橋大学大学院法学研究科教授。国際取引法、商取引法、企業法務を専門分野とする。三菱商事法務部部長代行等を経て、2022年4月より現職。
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この記事のまとめ

企業法務の学び方」シリーズでは、全4回にわたって企業法務に関する情報をお伝えしてきました。

企業法務を学ぶことの目的は、企業現場で起こるさまざまな事柄に対して適切な問題意識を持ち、妥当な解決を導くための手がかりを探り出すことにあります。そのためには、企業法務の実務の根底にあるフィロソフィーを正しく理解することが求められていることについて、コンプライアンスや内部統制を取り上げて説明してきました。

最終回となる第4回では、企業法務の営みを総括する形で、リーガル・オペレーションズと呼ばれる実務概念を紹介し、企業法務の実務全体が、契約を通じて規律を確保していく契約ガバナンスという仕組みによって、企業が社会的・倫理的責任を全うできる体制構築が図られていることについて学びます。

ヒー

契約法務を担当していますが、「契約ガバナンス」という言葉はあまり馴染みがありません。どんなものでしょうか?

ムートン

契約法務は企業法務の中でもコアの業務ですね。従来の契約審査などの範囲を超えて、さらに取り組むべき観点について、ご紹介していきます。

※この記事は、2024年8月20日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。

リーガル・オペレーションズとは

リーガル・オペレーションズとは

企業法務のあり方をめぐっては、近年、政府や有識者を中心に活発な議論が進められており、その定義についても認識の共通化が図られてきています。一例として、経済産業省が「国際競争力の強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会」という会議体を通じて法務機能についての見解をまとめていることはすでに第1回でご紹介したとおりです。

そこでは、企業の法務機能は、以下の2つの機能を両立させていくことを通じて、ビジネスのナビゲーターとして企業価値の向上に貢献していくことが求められています。

ガーディアン機能:法的リスク管理の観点から、経営や他部門の意思決定に関与して、会社の権利や財産、評判などを守る機能

パートナー機能:経営や他部門に法的支援を提供することによって事業の執行の戦略的な実現を目指す機能

近年、こうした企業法務の役割期待をより実務的な視点から機能的に捉える考え方が打ち出されています。

米国の業界団体CLOC(Corporate Legal Operations Consortium)は、リーガル・オペレーションズLegal Operationsという概念を打ち出して、法務機能についても、企業の全社的リスクマネジメント(Enterprise Risk Management: ERM)との連携を積極的に図っていくべきであることを強調しています。

CLOCが提唱するリーガル・オペレーションズとは、法務部門の中に置かれるビジネス・プロセスや専門家のことを指し、企業の法務部門の業務をより効果的に実現できるように、「戦略立案、財務・プロジェクトマネジメント、テクノロジーの専門知識を提供すること」を目指すものです。その業務範囲は、Core 12と呼ばれる12の機能に分けて整理され、ナレッジ・マネジメントを含む業務のマネジメント人材育成戦略立案などを基軸としています。

経産省の研究会が示す攻めと守りの法務機能と、CLOCが示すリーガル・オペレーションズの考え方からは、以下のような法務機能の4分類が示されます。

攻めの法務機能(攻め)守りの法務機能(守り)
戦略的法務機能(戦略)・個別取引・プロジェクトに関する経営判断への支援
・その他意思決定に際しての政策立案時点からの関与および法的見地からの戦略構築の支援
・コンプライアンス・内部統制等の構築
・企業不祥事や争訟への戦術的な対応
オペレーショナル法務機能
(オペレーション)
・日常業務における法務スキル向上に向けた各種取り組み(教育研修、契約レビュー等)・リスク予防に向けた管理体制の構築
・ナレッジ・マネジメント
・サプライチェーン・マネジメント

法務機能には、企業価値の向上に貢献する「攻め」の法務機能と、企業価値の維持を主眼とする「守り」の法務機能があり、攻めと守りのそれぞれの機能は、それぞれさらに戦略的法務機能(「戦略」)とオペレーショナル法務機能(「オペレーション」)に分類されます。

上記4分類は、いずれも企業経営に直結した、付加価値の高い法務機能の実現を目指すものですが、その中でも、「戦略・守り」「オペレーション・攻め」「オペレーション・守り」の分野は、CLOCが提唱するリーガル・オペレーションズに該当するものと想定されます。そして、その延長線上に、テクノロジーを駆使した法務のデジタル・トランスフォーメーション(DX)が見据えられていると考えられます。

リーガル・オペレーションズとしての企業法務に求められる変革

リーガル・オペレーションズと呼称される実務は、ある企業が活動を行うに当たって、プリンシパルとしての立場からエージェントである各種プレーヤーの規律を図るメカニズムを設計することに強く関連しています。

企業法務に携わる法務担当者は、取引相手と交渉をして権利を勝ち取り、義務の負担を適切なレベルに抑えてリスク管理を行うという実務をすでに実践しています。こうした実務をさらに全社リスク管理というプロセス・マネジメントのレベルに拡張させることで、統合型のオペレーショナルな企業法務へ転換させていくことができるのです。

ヒー

統合型のオペレーショナルな企業法務? 日々接している契約書やひな形とどのような関係があるのでしょうか?

分かりやすい例として、サプライチェーン・マネジメントとしての「ビジネスと人権」の課題が挙げられます。多くの方は、サプライチェーン・マネジメントとはいっても、「2次、3次の間接サプライヤーとは契約関係もない以上、そこで行われている強制労働などの問題については責任を負えない」と考えておられるかもしれません。

しかし、企業は、ビジネスと人権についてサプライチェーンを健全なものとする社会的責任を負っている以上、「2次、3次の間接サプライヤーを含めたサプライチェーンを適切に管理するために、どのようにリーダーシップを発揮して、サプライチェーン全体を規律付けていくか」という発想への切り替えが求められています。

サプライチェーンの下流側に位置するグローバル調達企業は、サプライチェーン全体を管理するための制度を構築する役割を担います。サプライヤー行動規範を制定し、傘下のサプライヤーにこれを遵守させる責任があります。約款のような契約技術もフル活用していかなければなりません。

時に欧米の大企業が、自社の約款への合意を強制し、譲歩を認めない頑なな姿勢をとることの背景には、もちろん企業組織の官僚的な側面や、交渉力の優位性をふりかざしているような側面は否定できないにせよ、その根底の動機を探ると、プリンシパルとして取引の制度設計を行う任務を負っているという責任感の下で実践されている行為であると捉えることができます。

ヒー

「大企業は交渉に応じてくれない」というイメージがありましたが、こんな背景もあるのですね。

契約ガバナンスとは

プリンシパル=エージェント関係と契約ガバナンス

すでに第1回でふれたとおり、契約には、プリンシパル=エージェント関係を規律する機能があります。そして、そのエッセンスは、ある取引や組織活動に関する制度の構築を担う当事者である企業プリンシパル)が、契約関係の生み出す規律を通じて、相手方エージェント)を監視・監督していくメカニズムとして認識されます。

企業がプリンシパルとしての責任を果たすための企業法務を実践するに当たっては、単に個々の法務担当者が担当する契約業務をこなしていくという対応のみでは不十分です。企業法務の基盤ともいえる契約実務についても、より全社的な視点で管理していくという発想の転換が必要となります。

具体的には、自分が直接担当者として関わらない取引や案件を適切に管理していくためにはどうすればよいのかが課題となります。つまり、自分の目の届かないところを管理する手法を考えなければなりません。このことを抽象的に説明すると、プリンシパルとしての立場に置かれた当事者は、企業の社会的・倫理的責任をも踏まえた上で、適切な制度設計を契約という仕組みの中に織り込む責任があるという「契約ガバナンス」の考え方が求められているということができます。

契約ガバナンス」とは、プリンシパル=エージェント関係を規律する契約について、第三者であるステークホルダーの利害についても反映させた上で、関係者全体の厚生の最大化を図っていく営みであると捉えられます。

企業は不特定多数の当事者と取引を行っています。もし、法務担当者が一つ一つの当事者との間の契約について現場対応を行うことができないのであれば、現場で締結される契約について最低限のフォーマットを決めておいて、そこに、社会的な責任の観点から、あらかじめ相手方に遵守させなければならない事柄、自ら遵守しなければならない事柄をルールとして織り込んでおくことが考えられます。

これは、企業が内部統制を構築するに当たって、従業員に対して社内規程を導入して、一律に遵守させることと同じ発想です。不特定多数の取引先には、一律的な内容が織り込まれた契約を通じてルールを強制していくことが不可避となります。

ムートン

「契約ガバナンス」を意識していなくとも、多くの企業で「自社ひな形」や「自社基準」を作成して契約に盛り込むべき内容を定めていることなどは、契約ガバナンスの一類型と言えるでしょう。

契約ガバナンスとリーガル・オペレーションズ|法務DXの実践

リーガル・オペレーションズとは、その原点である企業の契約実務を発展させる形で、プリンシパル=エージェント関係を規律する仕組みを全社ベースで構築し、第三者であるステークホルダーに対する責任も反映した契約ガバナンスを徹底させていく営みであるといえます。

全社的なリスク管理を実践するに当たっては、テクノロジーを有効活用することが欠かせません。リーガル・オペレーションズの基盤である契約ガバナンスの進化は法務DXをゴールとして捉えます。では、契約ガバナンスを進化させるDXとはどのようなものなのでしょうか。以下では、このことを企業法務に求められる4つの変化として示してみたいと思います。

企業法務をオペレーションとして捉える|プリンシパル企業の制度設計の責任

契約ガバナンスの考え方は、企業のガバナンスや統制の範囲を拡張する際に、新しい仕組みを生み出すヒントとして有用となります。サプライチェーンの下流側に位置するグローバル大企業は、みずからの製品製造における部品その他の調達過程において、傘下サプライヤーに対して、自らのサステナビリティ・ポリシーを遵守させるよう指導し、万が一問題が発生した場合の対処法も含め適切な制度を創設しなければなりません。

しかし、筆者のみるところ、日本の企業法務は、自身が相手方との関係においてプリンシパルであると自覚し、取引スキームを責任をもって設計していこうとする意識を必ずしも十分には持ち合わせていないように感じられます。

その背景には、欧米の契約法において見られるような、申込み・承諾型の契約成立アプローチを契約法制度の中に実効性のある形で持ち合わせていない日本の実務慣行の特性が存在するのではないかと筆者は考えています。

「契約は当事者間で真摯に交渉されて合意に至らなければならない」という考えが強いことは良いのですが、その反面、どちらも社会課題に対しては他人任せの状況が生じてしまいます。どちらかの当事者がプリンシパルとして取引に関する基礎的な制度設計について責任をもって果たしていくという意識がどうしても希薄になってしまうのです。

当事者関係の規格化・標準化

ある取引や組織活動における当事者間の関係においてプリンシパルとなった当事者が適切なリーダーシップを発揮するためには、不特定多数の取引先に対して一律の条件を遵守させることが求められます。そうしたノウハウが蓄積されるプロセスの行き着く先は、契約の規格化・標準化です。

定型的な当事者関係においては、すでに準備された約款規約社内規程などが標準化された制度の構築ツールとして機能します。ただ、こうした制度は、時代の変化とともに、最適な姿が目まぐるしく変化していきます。標準化された制度は、常に見直しの機会を与えられなければなりません。ある組織、ある業界の中には、標準化された制度をアップデートするための専門家や担当者が必要となるでしょう。米国企業の法務部門において設置が進んでいるLegal Operations担当とは、そのような任務を負った専門家であるものと理解することができます。

取引先の選定プロセスの構築

契約ガバナンスに実効性を持たせるために規格化・標準化が必要となる場面の多くは、対象となる相手方として不特定多数の当事者が想定されています。不特定多数を想定した管理体制を構築する上では、一つ一つの契約についての多様性はあまり尊重されず、どのような契約条件で合意するかという交渉上の問題は影をひそめ、誰と取引をするかという取引当事者選択の判断に重きが置かれます。必然的に、取引先のデュー・ディリジェンスという業務が大きなウェイトを占めることとなります。

サプライヤーなどの取引先のデュー・ディリジェンスを効果的に実施するためには、アクセスするデータの量と質を高め、より精度の高い判断が行えるようなテクノロジーの進化が望まれます。

サプライヤーの選定に当たっては、企業内の複数の部門にまたがった総合的な判断が求められます。複数の部門の情報共有のあり方、選定に当たっての判断基準など、ルール化しなければならない内部管理上の事柄は多く挙げられ、これらを統合的に取り扱うシステムの構築が望まれます。そして、そのような統合的なシステムの基軸となるのは、契約管理です。

どの相手方について、デュー・ディリジェンスの結果どのような判定が出され、いつ契約を締結し、更新したか、次回のデュー・ディリジェンスにおける重点精査項目としてどのような項目が挙げられるか、などのデータ管理を有効に実現できるような工夫が求められます。

テクノロジーの活用

イノベーションに伴う取引構造の複雑化や、多様なステークホルダーに配慮した新しいガバナンスなどの外的環境変化は、企業法務に対し、より付加価値の高い実務を求めます。ただ、企業法務というオペレーションは、契約という制度を基盤として成り立つものである以上、イノベーションとの関わり方も、契約という制度基盤をどのように進化させていくかという切り口から考察していかなければなりません。

企業が法務DXを達成させるためには、企業法務の本質に立ち返って、契約の連鎖(nexus of contracts)によって成り立っている市場メカニズムに対して、テクノロジーを活用しながらどのように付加価値を与えていくかの考察が欠かせないのです。

最近の下請法違反事例を元に

例えば、最近、製造業において下請法が求める基準を逸脱した取引条件を課す事例が不祥事として相次いで明らかになっています。自動車メーカーが取引先に金型を無償で保管させていた事案など、多くの事案は、現場において違法性の認識がないまま取引慣行が継続されていたようです。

法務部門は現場に対して警鐘を鳴らす機会は幾度となくあったはずですが、それがなぜ実践できなかったのかを改めて振り返る必要があるでしょう。現場担当者に対して十分な教育指導が行われていなかったということなのかもしれませんが、法務DXという切り口で見た場合、もう少しシステマティックに問題を予防する手法を考えてみる必要があります。

例えば、取引先との契約において、金型の保管は有償とすることや、支払代金から割戻の減額は行わないことなどについて、メーカー側が自ら進んで誓約する条項が置かれていたとするならば、現場担当者の認識も多少は違っていたはずでしょうし、取引の相手方も、もっと早い段階で問題意識を持ちえた可能性があります。

契約書という文書は何のために存在する?

「契約書という文書は、権利・義務を裁判を通じて実現するためのものだ」という意識があると、自社の義務に関する事柄を、相手から求められてもいないのに自ら宣誓していくようなことは一見するとおかしな作業に見えるかもしれません。

実務に照らすと、法務部門が契約書のレビューを求められた場合、自社の権利を確保することや、契約条項から明らかに違法性が疑われることは目を皿にして契約書をチェックするでしょうが、相手方からの要請もない中で、「下請法違反は致しません」と自発的に宣誓するようなことは、なかなかアイディアとしては浮かんでこないでしょう。

ヒー

「これ、なんで入れたの?」と言われそうですね…

しかし、契約書という文書が、「プリンシパル企業が自身の社会的責任を果たすためのコミットメントとしての役割を負うものである」と自覚するのであれば、社会的責任として自らが負うべき事柄をしっかりと契約書の中に誓約事項として落とし込むことは、それなりに意義のあることであると気付くことができます。契約書で自社の義務を宣誓することは、現場担当者への注意喚起にもなり、後々の監査項目としても取り上げられやすくもなるのです。こうした営みは契約ガバナンスのエッセンスであると捉えることができます。

グローバル大企業が実践する契約ガバナンスの実務

そしてこのような契約ガバナンスに基づいた実務は、欧米のグローバル大企業においてはすでに定着しているといえます。グローバル大企業は「ビジネスと人権」を確保するために、自社が制定するサプライヤー行動規範を通じて、単にサプライヤーに対して人権遵守を求めるだけでなく、自社の社会的な責任を明確にし、例えば苦情処理制度を設けて問題を早期に発見・対応できるような仕組みを整えるとともに、いざ問題が発覚した場合には、サプライヤーと一緒になって自社も積極的に問題解決に向けて行動をしていく義務を負う旨を契約に織り込んでいます。

このような実務は、不特定多数との大量の取引を念頭に置いたものであり、法務部門の担当者がハンズオンで一つ一つチェックして対応するような事柄でもないようにも思われます。

例えば、AIを活用して、企業が取り交わす契約の中で、下請法の問題が生じやすい取引類型を抽出し、それらの契約書の中に、注意喚起として下請法やサステナビリティにおいて遵守すべき事柄を列挙するよう促して、その履践状況をリアルタイムでモニタリングできるような仕掛けを施しておくなどの不祥事予防のアイディアが考えられます。

まとめ

「企業法務の学び方」シリーズでは、全4回にわたって企業法務の学び方と題して企業法務に関する情報をお伝えしてきました。企業法務を学ぶことの目的は、企業現場で起こるさまざまな事柄に対して適切な問題意識を持ち、妥当な解決を導くための手がかりを探り出すことにあります。そのためには、歴史と教訓から学び、実務の根底にあるフィロソフィーを正しく理解することが必要です。

第1回では、企業法務には守りのガーディアン機能と攻めのパートナー機能があり、これを実践するためには、企業法務のコアの実務である契約の本質に迫り、プリンシパルがエージェントの活動を規制しモニターしていくことが求められていることについて触れ、プリンシパル=エージェントという関係性が連鎖・蓄積しながら実践されていく企業法務の姿を概観しました。

第2回では、企業コンプライアンスの考え方の発展の歴史を紐解きながら、企業が導入するコンプライアンス・プログラムとは、企業自らをプリンシパルとして、エージェントである役職員や取引先等に、法令遵守のためのインセンティブを施していく仕組みであることについて触れました。

第3回では、企業内部統制の考え方の発展の歴史を紐解きながら、契約の連鎖(nexus of contracts)によって成り立つ企業をとりまく世界において、連鎖する契約を一つ一つきめ細かくフォローするためには、雇用関係や取引関係といった契約関係の規律を通じて統制を図っていくことが重要である点について触れました。

そして最終回となる第4回では、こうしたさまざまな企業法務の営みを総括する形で、リーガル・オペレーションズと呼ばれる概念を紹介し、企業法務の実務全体が、契約を通じて規律を確保していく契約ガバナンスという仕組みによって、企業が社会的・倫理的責任を全うできるような体制づくりが求められていることについて学びました。そして、企業法務が進化していくためには、イノベーションとの共存が欠かせないこと、AIを中心としたテクノロジーを活用しながら法務DXの実現を目指していくことが、日本企業がグローバル大企業と肩を並べるために欠かせない視点であることに触れました。

日本企業が健全な成長を遂げていくためには、その土台となる企業法務の整備強化が欠かせません。そのためには、企業法務を、歴史や教訓から学び、そこから筋の通った理論を構築し、実務の進化を図っていく営みが重要となります。皆さんの業務に少しでもお役に立てれば幸いです。

ムートン

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参考文献

鈴木卓=門永真紀編著『Legal Operationsの実践』(商事法務、2024年)

小林一郎『日本の契約実務と契約法―日本的契約慣行の研究』(商事法務、2024年)