企業結合規制とは?
類型・審査・形態について分かりやすく解説!
- この記事のまとめ
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独占禁止法の「企業結合規制」を解説!!
独占禁止法は、企業結合を規制しています。独占禁止法は、公正・自由な競争の実現を目指す法律ですが、 企業結合の中には、その結果公正・自由な競争を阻害するおそれがあるものがあります。
独占禁止法で規制される企業結合とはどのような類型か、 理解しておきましょう。
この記事では、独占禁止法の知識がない方にも基本から分かりやすく解説します。
※この記事は、2020年12月31日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。
※この記事では、法令名を次のように記載しています。
・独禁法…私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)
目次
独占禁止法が定める「企業結合規制」とは?
独占禁止法は、株式保有や合併等の企業結合により、それまで独立して活動を行っていた企業間に結合関係が生まれ、 当該企業結合を行った会社グループが単独で、又は他の会社と協調的行動を採ることによって、ある程度自由に市場における価格, 供給数量などを左右することができるようになる場合(競争を実質的に制限することとなる場合)には、当該企業結合を禁止しています。 一定の要件に該当する企業結合を行う場合、公正取引委員会に届出・報告を行うこととされています。
公正取引委員会 独占禁止法の規制内容
企業結合規制の類型
独占禁止法第4章で、企業結合規制を定めています。
独占禁止法における、企業結合規制は、大きく次の2つに分けられます。
- 一般集中規制(特定の企業グループへの経済力の集中それ自体を規制)
- 市場集中規制(特定の分野において競争が実質的に制限される企業結合を規制)
一般集中規制は、独禁法9条、11条、17条、17条の2で規制されています。
市場集中規制は、独禁法10条、13条~18条で規制されています。
一般集中規制
- 一般集中規制
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・事業支配力過度集中の規制(独禁法9条)
・銀行業・保険業を営む会社による議決権の取得等の規制(独禁法11条)
事業支配力過度集中の規制
独禁法9条は、他の国内の会社の株式を保有することにより「事業支配力が過度に集中することとなる」会社を設立すること、 あるいはそうした会社に転化することを禁止するものです。
「事業支配力が過度に集中すること」については、独禁法9条3項で説明されています。
また、公正取引委員会において「 事業支配力が過度に集中することになる会社の考え方」というガイドラインが公表されています。
銀行業・保険業を営む会社による議決権の取得等の規制
独禁法11条は、銀行または保険会社による事業支配力の過度の集中などを防止する観点から、 他の国内の会社の議決権保有割合を制限するものです。
銀行は他の国内の会社の総株主の議決権の5%を超えて保有すること、保険会社は10%を超えて保有することが禁止されています。
ただし、独禁法11条1項1号~6号に該当する場合、および公正取引委員会の認可を得た場合は制限を超えて保有することができます。
この認可の基準については公正取引委員会により「独占禁止法第11条の規定による銀行又は保険会社の議決権の保有等の 認可についての考え方」が公表されています。
市場集中規制
独禁法4章は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、企業結合を禁止しています。
具体的には、株式保有、合併などの企業結合によって、結合関係が形成・維持・強化され、一定の取引分野における競争に影響を及ぼすことを規制するものです。
また、独占禁止法は、各企業結合の類型ごとに規制を定めています。
- 企業結合の類型
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・会社の株式取得・所有(独禁法10条)
・役員兼任(独禁法13条)
・会社以外の者の株式取得・所有(独禁法14条)
・合併(独禁法15条)
・共同新設分割・吸収分割(独禁法15条の2)
・共同株式移転(独禁法15条の3)
・事業譲り受けなど(独禁法16条)
会社の株式取得・所有(独禁法10条)
第10条
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律– e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ
1 会社は、他の会社の株式を取得し、又は所有することにより、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、 当該株式を取得し、又は所有してはならず、及び不公正な取引方法により他の会社の株式を取得し、又は所有してはならない。
2 会社であつて、その国内売上高(国内において供給された商品及び役務の価額の最終事業年度における合計額として公正取引委員会規則で定めるものをいう。 以下同じ。)と当該会社が属する企業結合集団(会社及び当該会社の子会社並びに当該会社の親会社であつて他の会社の子会社でないもの及び当該親会社の子会社 (当該会社及び当該会社の子会社を除く。)から成る集団をいう。以下同じ。)に属する当該会社以外の会社等(会社、組合(外国における組合に相当するものを含む。 以下この条において同じ。)その他これらに類似する事業体をいう。以下この条において同じ。)の国内売上高を公正取引委員会規則で定める方法により合計した額(以下「国内売上高合計額」 という。)が200億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるもの(以下この条において「株式取得会社」という。)は、 他の会社であつて、その国内売上高と当該他の会社の子会社の国内売上高を公正取引委員会規則で定める方法により合計した額が50億円を 下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるもの(以下この条において「株式発行会社」という。)の株式の取得をしようとする場合 (金銭又は有価証券の信託に係る株式について、自己が、委託者若しくは受益者となり議決権を行使することができる場合又は議決権の行使に ついて受託者に指図を行うことができる場合において、受託者に株式発行会社の株式の取得をさせようとする場合を含む。)において、 当該株式取得会社が当該取得の後において所有することとなる当該株式発行会社の株式に係る議決権の数と、当該株式取得会社の属する 企業結合集団に属する当該株式取得会社以外の会社等(第4項において「当該株式取得会社以外の会社等」という。) が所有する当該株式発行会社の株式に係る議決権の数とを合計した議決権の数の当該株式発行会社の総株主の議決権の数に占める割合が、 100分の20を下回らない範囲内において政令で定める数値(複数の数値を定めた場合にあつては、政令で定めるところにより、それぞれの数値) を超えることとなるときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、あらかじめ当該株式の取得に関する計画を公正取引委員会に届け出なければならない。 ただし、あらかじめ届出を行うことが困難である場合として公正取引委員会規則で定める場合は、この限りでない。
3~5 略
6 第2項及び前項の「子会社」とは、会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している会社等として公正取引委員会規則で定めるものをいう。
7 第2項及び第5項の「親会社」とは、会社等の経営を支配している会社として公正取引委員会規則で定めるものをいう。
8 第2項の規定による届出を行つた会社は、届出受理の日から30日を経過するまでは、当該届出に係る株式の取得をしてはならない。ただし、公正取引委員会は、その必要があると認める場合には、当該期間を短縮することができる。
9 公正取引委員会は、第17条の2第1項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとする場合には、 前項本文に規定する30日の期間又は同項ただし書の規定により短縮された期間(公正取引委員会が株式取得会社に対してそれぞれの期間内に公正取引委員会規則で定めるところに より必要な報告、情報又は資料の提出(以下この項において「報告等」という。)を求めた場合においては、前項の届出受理の日から120日を経過した日と全ての報告等を受理した 日から90日を経過した日とのいずれか遅い日までの期間)(以下この条において「通知期間」という。)内に、株式取得会社に対し、第50条第1項の規定による通知をしなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
⑴当該届出に係る株式の取得に関する計画のうち、第1項の規定に照らして重要な事項が当該計画において行われることとされている期限までに行われなかつた場合
⑵当該届出に係る株式の取得に関する計画のうち、重要な事項につき虚偽の記載があつた場合
⑶~⑺ 略
10 前項第1号の規定に該当する場合において、公正取引委員会は、第17条の2第1項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとするときは、 同号の期限から起算して1年以内に前項本文の通知をしなければならない。
11~14 略
本条は、会社が他の会社の株式を取得し、または所有することによって市場における競争を制限することを規制するものです。
一定規模以上の取得について事前届出を義務付け、その実行前に審査する仕組みを設けています。
- 事例
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【公正取引委員会平30年8月24日公表】
長崎県の地方銀行であるA銀行等を子会社に持つYが、同県の地方銀行であるB銀行の株式にかかる議決の50%超を取得する計画を立てた。
公正取引委員会は、長崎県及び同県内の複数の経済圏における中小企業向け事業性貸出しの取引分野における競争が実質的に制限されることとなると指摘した。 これに対して、最終的には当事会社グループが合計で1千億円弱相当の事業性貸出債権を他の金融機関に譲渡すること、 不当な金利上昇等を予防するためのモニタリング体制を構築・実施することやこれらの措置の実施状況について公正取引委員会に報告することを条件に容認された。
役員兼任(独禁法13条)
第13条
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1 会社の役員又は従業員(継続して会社の業務に従事する者であって、役員以外の者をいう。以下この条において同じ。)は、 他の会社の役員の地位を兼ねることにより一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、当該役員の地位を兼ねてはならない。
2 会社は、不公正な取引方法により、自己と国内において競争関係にある他の会社に対し、自己の役員がその会社の役員若しくは従業員の地位を兼ね、 又は自己の従業員がその会社の役員の地位を兼ねることを認めるべきことを強制してはならない。
本条は、会社の役員または従業員が競争関係にある会社等の役員を兼任することにより競争を制限することを規制するものです。
会社の意思決定に関わり、業務を執行する立場にある役員が複数の会社、特に競争関係にある会社の役員を兼任すると、競争制限的な共通の意思決定がなされるなど、市場における競争に悪影響が及ぶおそれがあります。
もっとも、役員兼任のみで結合関係が認められることは考えにくく、通常、株式保有と併せて用いられ、株式保有の違反として処理されます。
- 事例
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【同意審決昭48年7月17日】
Y電鉄が、競争関係にあるAバスの発行済株式総数13万株の約85%に当たる11万株を取得するとともに、Aバスの取締役5名のうち3名、監査役1名に自社の役員または従業員を兼任させた事案。
Y電鉄に10条1項、兼任役員に13条1項が適用され、Y電鉄にその所有するAバスの株式11万株のうち8.5万株の処分が、兼任役員にAバスの役員の辞任が、命じられている。
会社以外の者による株式の取得・所有(独禁法14条)
第14条
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会社以外の者は、会社の株式を取得し、又は所有することにより一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、 当該株式を取得し、又は所有してはならず、及び不公正な取引方法により会社の株式を取得し、又は所有してはならない。
本条は、「会社以外の者」による株式取得を規制するものです。
10条に基づく会社による株式保有の規制と同じ内容です。ただし、事前届出の義務はありません。
合併(独禁法15条)
第15条
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1 会社は、次の各号のいずれかに該当する場合には、合併をしてはならない。
(1) 当該合併によつて一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合
(2) 当該合併が不公正な取引方法によるものである場合
2~3 略
本条は、合併により市場における競争が制限されることを規制するものです。
特に、競争単位の減少を通じて市場構造が非競争的になることを防止しようとするものです。
- 事例
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【同意審決昭44年10月30日】
国内1位と2位の高炉メーカーの合併について、公正取引委員会が合併をしないよう勧告するとともに東京高裁に緊急停止命令の申立てをしたところ、両社が勧告を応諾せず、審判手続きが開始されたが、その途中で同意審決となった事案。
鉄道用レール(合算シェア100%)、食缶用ブリキ(同61.2%)、鋳物用銑(同56.3%)、および鋼矢板の4品目について、設備の譲渡、株式の譲渡、技術の提供等の措置をとることを条件に、本件合併は認められた。
その他
以下の企業結合の類型についても、独禁法上、規制がされています。
共同新設分割・吸収分割(独禁法15条の2) 共同株式移転(独禁法15条の3) 事業譲り受けなど(独禁法16条) |
- 事例
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【東京高判昭26年9月19日、最判昭29年5月25日】
YがA興業の所有する2つの映画館について共同経営の契約を締結したことについて、Yが営業の実権を収めている実態からみて事業の賃借に(16条1項3号)当たるとされ、企業結合について法的措置がとられた。
企業結合規制の審査
公正取引委員会が「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」(企業結合ガイドライン)を策定しています。
具体的にどのような場合に企業結合審査の対象となるのかはこの企業結合ガイドラインで説明されています。
以下、この企業結合ガイドラインにしたがって、企業結合規制について説明してきます。
企業結合規制の審査は、次の4つのステップから構成されています。
⑴結合関係の認定 | 複数の会社が株式保有、役員兼任、合併などにより一定程度または完全に一体化して事業活動を行う関係 (結合関係)が形成・維持・強化されるか、を判断します。 結合関係が形成・維持・強化されると認定できる場合に企業結合審査の対象となります。 |
⑵一定の取引分野の画定 | 企業結合により結合関係が形成・維持・強化されるすべての会社(当事会社グループ)の事業活動について、企業結合が一定の取引分野における競争に与える影響を判断します。 具体的には、商品・役務の範囲、取引の地域の範囲、取引段階、取引の相手方などについて、需要者にとっての代替性、供給者にとっての代替性などから判断されます。 |
⑶「競争を実質的に制限することとなる」かの認定 | 「競争を実質的に制限する」とは、「競争自体が減少して、特定の事業者又は事業者団体がその意思で、ある程度自由に、価格、品質、数量、 その他各般の条件を左右することによって、市場を支配することができる状態をもたらすこと」と解されています(東京高判昭28年12月7日)。 |
⑷問題解消措置 | 企業結合が、「競争を実質的に制限することとなる」場合でも、競争制限の弊害を解消するに足る措置(問題解消措置)を講ずることができる場合には、その措置の実施を条件に企業結合は容認されえます。 適切な措置は、構造的措置が原則となりますが、技術革新などにより市場構造の変動が激しい市場では、行動的措置も妥当となりえます。 ✅構造的措置 企業結合によって失われる競争を回復させる措置。 事業譲渡、結合関係の解消、第三者との業務提携の解消など。 ✅行動的措置 企業結合によって容易になるおそれがある競争制限が行われないように当事会社グループの行動に一定の制約を課す措置。 共同出資会社における情報交換の遮断、共同資材調達の禁止など。 |
企業結合規制の形態
企業結合の形態は、以下に分類することができます。
- 企業結合の形態
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①水平型企業結合
②垂直型企業結合
③混合型企業結合
①水平型企業結合とは、同一の一定の取引分野において競争関係にある会社間の企業結合、をいいます。
②垂直型企業結合とは、メーカーとその商品の販売業者との合併など、取引段階を異にする会社間の企業結合、をいいます。
③混合型企業結合とは、異業種に属する会社間の合併、一定の取引分野の地理的範囲を異にする会社間の合併など、①②いずれにも該当しない企業結合、をいいます。
一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる可能性は、①が最も高く、②、③は通常は一定の取引分野における競争を実質的に制限することにはなりません。
水平型企業結合
水平型企業結合が、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなるのは、 当事会社グループの単独行動による場合と、当事会社グループとそのうちの一つ、または複数の競争者(以下「競争者」という。)が協調的な行動をとることによる場合とがあります。
個々の事案において競争が実質的に制限されるか否かは、この2つの観点から検討されます。
- 単独行動による競争の実質的制限
- 協調的行動による競争の実質的制限
単独行動による競争の実質的制限についての判断要素は、以下のとおりです。
- 単独行動による競争の実質的制限についての判断要素
-
✅当事会社グループ・競争者の地位、市場における競争の状況など
✅輸入
✅参入
✅隣接市場からの競争圧力
✅需要者からの競争圧力
✅総合的な事業能力
✅効率性
✅当事会社グループの経営状況
✅一定の取引分野の規模
協調的行動による競争の実質的制限についての判断要素は、以下のとおりです。
- 協調的行動による競争の実質的制限についての判断要素
-
✅当事会社グループ・競争者の地位など、市場における競争の状況など
✅取引の実態など
✅輸入
✅参入
✅隣接市場からの競争圧力
✅需要者からの競争圧力
✅効率性
✅当事会社グループの経営状況
競争の実質的制限にあたるか否かは、これらの判断要素を総合的に考慮して判断します。
ただし、企業結合ガイドラインはセーフハーバー基準を示しており、 この基準に該当すれば、競争の実質的制限にはあたらないとして、判断要素に関する検討は行われません。
このセーフハーバー基準では、ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI)が用いられます。
HHIについて、以下のいずれかに該当する場合は、競争の実質的制限にあたらないとされます。
- 企業結合後のHHIが1500以下である場合
- 企業結合後のHHIが1500超2500以下であって、かつHHIの増分が250以下である場合
- 企業結合後のHHIが2500を超え、かつ、HHIの増分が150以下である場合
HHIは、当該一定の取引分野における各事業者の市場シェアの2乗の総和によって算出されます。
HHIの増分は、企業結合後のHHIから企業結合前のHHIを差し引いたものです。
具体的にどのような場合に競争が実質的に制限されるか否かは、企業結合ガイドラインを参照してください。
垂直型企業結合
垂直型企業結合についても、単独行動による競争の実質的制限と協調的行動による競争の実質的制限の2つの観点から検討します。
単独行動による競争の実質的制限についての判断要素は、以下のとおりです。
- 単独行動による競争の実質的制限についての判断要素
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✅川下市場において市場の閉鎖性・排他性の問題が生じるか
✅川上市場において市場の閉鎖性・排他性の問題が生じるか
✅当事会社グループ・競争者の地位、市場における競争の状況など
✅輸入
✅参入
✅隣接市場からの競争圧力
✅需要者からの競争圧力
✅総合的な事業能力
✅効率性
✅当事会社グループの経営状況
協調的行動による競争の実質的制限についての判断要素は、以下のとおりです。
- 協調的行動による競争の実質的制限についての判断要素
-
✅垂直型企業結合後に、当事会社グループと競争者が協調的な行動をとりやすくなる程度
✅当事会社グループ・競争者の地位、市場における競争の状況など
✅取引の実態など
✅輸入
✅参入
✅隣接市場からの競争圧力
✅需要者からの競争圧力
✅効率性
✅当事会社グループの経営状況
また、垂直側企業結合についても、企業結合ガイドラインはセーフハーバー基準を示しています。
以下のいずれかに該当すれば、競争の実質的制限にはあたらないとして、判断要素に関する検討は行われません。
- 当事会社が関係するすべての一定の取引分野において、企業結合後の当事会社グループの市場シェアが10%以下である場合
- 当事会社が関係するすべての一定の取引分野において、企業結合後のHHIが2500以下の場合であって、企業結合後の当事会社グループの市場シェアが25%以下である場合
具体的にどのような場合に競争が実質的に制限されるか否かは、企業結合ガイドラインを参照してください。
混合型企業結合
混合型企業結合についても、単独行動による競争の実質的制限と協調的行動による競争の実質的制限の2つの観点から検討します。
単独行動による競争の実質的制限についての判断要素は、以下のとおりです。
- 単独行動による競争の実質的制限についての判断要素
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✅市場の閉鎖性・排他性に問題が生じる程度
✅有力な潜在的競争者との企業結合による競争に与える影響の程度
✅当事会社グループ・競争者の地位、市場における競争の状況など
✅輸入
✅参入
✅隣接市場からの競争圧力
✅需要者からの競争圧力
✅総合的な事業能力
✅効率性
✅当事会社グループの経営状況
協調的行動による競争の実質的制限についての判断要素は、以下のとおりです
- 協調的行動による競争の実質的制限についての判断要素
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✅(当事会社グループが競争者の秘密情報を入手する場合や、混合型市場閉鎖によって競争単位の数が減少する場合に) 混合型企業結合後に当事会社グループと競争者が協調的な行動をとりやすくなる程度
✅当事会社グループ・競争者の地位、市場における競争の状況など
✅取引の実態など
✅輸入
✅参入
✅隣接市場からの競争圧力
✅需要者からの競争圧力
✅効率性
✅当事会社グループの経営状況
また、混合側企業結合についても、企業結合ガイドラインはセーフハーバー基準を示しています。
そのセーフハーバー基準は、垂直型企業結合と同様です。
具体的にどのような場合に競争が実質的に制限されるか否かは、企業結合ガイドラインを参照してください。