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法令

【2021年1月施行】 労働派遣契約の電子化とは?

契約ウォッチ編集部

契約ウォッチ編集部

2021/03/01 (公開:2020/12/15)
この記事のまとめ

労働派遣契約の電子化(2021年1月1日施行)のポイントを解説!!

「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則及び厚生労働省の 所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の 一部を改正する省令」(令和2年10月9日公布)では、労働派遣契約の電子化が認められるようになります。

この記事では、労働派遣契約の電子化について解説します。

※この記事では、法令名を次のように記載しています。

  • 労働者派遣法…労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)
  • 労働者派遣法施行規則…労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則(昭和61年労働省令第20号)
  • e-文書法…民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成16年法律第149号)
  • e-文書省令…厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成17年厚生労働省令第44号)
先生、今回の改正で、労働者派遣契約の電子化が認められるようになったんですね。
ヒツジ
ムートン先生
そうです。派遣元企業と派遣先企業間で締結される労働者派遣契約については、これまで書面で作成しておく必要があると考えられてましたが、 電磁的記録により作成することが、つまり電子化が認められるようになります。

公布日・施行日

改正の根拠となる法令名は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令」(厚生労働省令第170号)です。

この省令により、「労働者派遣法施行規則(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則)」及び「e-文書省令 (厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令)」が改正されます。

「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う 書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令」の公布日と施行日は、次のとおりです。

公布日・施行日

公布日|2020年10月9日

施行日|2021年1月1日

労働派遣契約の電子化の概要

今回の改正により、労働派遣契約の電子化が認められます

改正に関するパブリックコメントでは、改正内容について以下のように説明しています。

⑴派遣労働者の雇入れ時の説明の義務付け(施行規則第 25 条の 14 第2項)
派遣元事業主に対し、派遣元事業主が実施する教育訓練及び希望者に対して実施する キャリアコンサルティングの内容について、派遣労働者に対する雇入れ時の説明を義務付けることとする。
⑵労働者派遣契約に係る事項の電磁的記録による作成について(e-文書省令別表2)
労働者派遣契約の当事者は、施行規則第 21 条に基づき、労働者派遣契約に係る事項について、 書面に記載しておかなければならないこととされているが、電磁的記録により作成することを認めることとする。

引用元│労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令の一部を改正する省令案に関する御意見募集について 概要

労働者派遣契約の電子化は、この⑵の改正内容となります。

改正のポイント

労働者派遣契約の電子化について解説します。

派遣元企業と派遣先企業は、労働者派遣契約の締結に伴って、労働者派遣法26条1項に定める事項を書面に記載する必要があります(労働者派遣法施行規則21条3項)。

労働者派遣法施行規則

第21条
1~2 略
3 労働者派遣契約の当事者は、当該労働者派遣契約の締結に際し法第26条第1項の規定により定めた事項を、書面に記載しておかなければならない。
4 略

引用元│労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則– e-Gov法令検索 –電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

労働者派遣法

第26条
1 労働者派遣契約(当事者の一方が相手方に対し労働者派遣をすることを約する契約をいう。以下同じ。)の当事者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者派遣契約の締結に際し、次に掲げる事項を定めるとともに、その内容の差異に応じて派遣労働者の人数を定めなければならない。
⑴派遣労働者が従事する業務の内容
⑵派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所の名称及び所在地その他派遣就業の場所並びに組織単位(労働者の配置の区分であつて、配置された労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者が当該労働者の業務の配分に関して直接の権限を有するものとして厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。)
⑶労働者派遣の役務の提供を受ける者のために、就業中の派遣労働者を直接指揮命令する者に関する事項
⑷労働者派遣の期間及び派遣就業をする日
⑸派遣就業の開始及び終了の時刻並びに休憩時間
⑹安全及び衛生に関する事項
⑺派遣労働者から苦情の申出を受けた場合における当該申出を受けた苦情の処理に関する事項
⑻派遣労働者の新たな就業の機会の確保、派遣労働者に対する休業手当(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第二十六条の規定により使用者が支払うべき手当をいう。第二十九条の二において同じ。)等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担に関する措置その他の労働者派遣契約の解除に当たつて講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項
⑼労働者派遣契約が紹介予定派遣に係るものである場合にあつては、当該職業紹介により従事すべき業務の内容及び労働条件その他の当該紹介予定派遣に関する事項
⑽前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
2~11 略

引用元│労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律– e-Gov法令検索 –電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

労働者派遣法施行規則21条3項で、「書面に記載しておかなければならない」と書かれていることから、 労働者派遣契約は書面で作成する必要があると考えられていました。

しかし、今回の改正に伴い、e-文書省令の別表2が以下のように改正されます。
これにより、労働者派遣法施行規則21条3項で作成を義務付けられている書面について、 書面の作成に代えて電磁的記録の作成を行うことができることになりました。

改正前

別表第2(第5条、第6条、及び第7条関係)

(略) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則 (略)
(略) (新設) 第33条の3第3項の規定による書面の記載 (略) (略)

改正後

別表第2(第5条、第6条、及び第7条関係)

(略) (略) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則
(略) 21条第3項の規定による
書面の記載←新設
第33条の3第3項の規定による書面の記載 (略) (略)

e-文書法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)

(電磁的記録による作成)
第4条 
1 民間事業者等は、作成のうち当該作成に関する他の法令の規定により書面により行わなければならないと されているもの(当該作成に係る書面又はその原本、謄本、抄本若しくは写しが法令の規定により保存をしなければ ならないとされているものであって、主務省令で定めるものに限る。)については、当該他の法令の規定にかかわらず 、主務省令で定めるところにより、書面の作成に代えて当該書面に係る電磁的記録の作成を行うことができる。
2 前項の規定により行われた作成については、当該作成を書面により行わなければならないとした作成に 関する法令の規定に規定する書面により行われたものとみなして、当該作成に関する法令の規定を適用する。
3 第一項の場合において、民間事業者等は、当該作成に関する他の法令の規定により署名等をしなければ ならないとされているものについては、当該法令の規定にかかわらず、氏名又は名称を明らかにする措置であって 主務省令で定めるものをもって当該署名等に代えることができる。

引用元│民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律– e-Gov法令検索 –電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

e-文書省令とは

e-文書省令とは、e-文書法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)の施行に伴い、 厚生労働省所管の法令について、電磁的保存等を行う範囲、要件等を定めるために、制定されたものです。

厚生労働省の所管する法令により、保存、作成などが義務付けられている書面について、電磁的記録による保存、作成などを認めるものです。

e-文書法とは、民間事業者が行う文書の保存、作成、閲覧等について、原則として電磁的記録によることを可能とする法律です。

実務への影響

派遣元企業と派遣先企業の間で締結される労働者派遣契約(個別契約も含みます。)に関しては、書面での締結が必要とされています。 この労働者派遣契約、特に労働者派遣の個別契約に関しては、期間が短いものであるという性質上、期間の経過と共に、再度の締結がなされる結果、 通常の雇用契約書と比べて数が多くなる傾向があり、その管理に一定の煩わしさや管理体制の構築を行うことが必要という問題点が指摘されていました。

今回の改正によって、書面という紙による管理を行う煩わしさから開放される結果、労働者派遣契約の当事者にとってはメリット 生まれることとなると考えられます。この改正を機に、労働派遣契約において電子契約がより進んでいくことが予想されます。

参考文献

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