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【2022年10月1日施行】 職業安定法(職安法)改正とは? ポイントを分かりやすく解説!

契約ウォッチ編集部

契約ウォッチ編集部

2022/09/08 (公開:2022/09/05)
この記事のまとめ

2022年10月1日より、改正職業安定法(職安法)が全面施行されます。

改正法には、インターネット上で求人情報を提供するメディアなどを対象とした規制強化などが盛り込まれています。具体的な改正のポイントは、以下のとおりです。

① 「募集情報等提供」の範囲が拡大
② 特定募集情報等提供事業者の届出制を創設
③ 求人情報の的確な表示を義務付け
④ 個人情報の収集目的の明示を義務付け

求人メディアの運営事業者や、実際に求人を行う企業は、改正職業安定法のルールを遵守して求人の掲載・依頼を行いましょう。

今回は、2022年10月1日施行・改正職業安定法による改正点を解説します。

今回の改正は、主に、誰に関係があるのでしょうか。
ヒツジ
ムートン先生
人材紹介事業を行う企業はもちろん、一般企業が求人を行う際のルールについても改正があるので、多くの企業に関係がある改正ですよ。

※この記事では、法令名を次のように記載しています。

  • 職業安定法…2022年3月31日公布の「雇用保険法等の一部を改正する法律」による改正後の職業安定法
  • 旧職業安定法…2022年3月31日公布の「雇用保険法等の一部を改正する法律」による改正前の職業安定法
  • 職業安定法施行規則…2022年6月10日公表の「雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令」による改正後の職業安定法施行規則

【2022年10月1日施行】職業安定法(職安法)改正とは

2022年10月1日に全面施行される改正職業安定法には、インターネット上で求人情報を提供するメディアなどを対象とした規制強化などが盛り込まれています。

改正のポイントは、以下の4つです。

① 「募集情報等提供」の範囲が拡大
→「募集情報等提供」に該当する事業を行う者に関係あり


② 特定募集情報等提供事業者の届出制を創設
→特定募集情報等提供事業者に該当する場合は関係あり


③ 求人情報の的確な表示を義務付け
→人材紹介事業を行う会社のみならず、一般企業も含め関係あり


④ (特定募集情報等提供事業者に)個人情報の収集目的の明示を義務付け
→特定募集情報等提供事業者に該当する場合は関係あり
※なお、「個人情報の収集目的の明示」自体は、旧法下において、人材紹介事業を行う会社のみならず、一般企業も含め義務化されています

本記事では、まず、職業安定法について簡単に解説し、その後2022年10月1日施行の職業安定法(職安法)改正について詳細に解説していきます。

ムートン先生
改正内容から読み始めたい方は、「【2022年10月1日施行】職業安定法改正の主な目的」から読んでください。

職業安定法とは

職業安定法とは、職業紹介事業等(いわゆる人材紹介)の適正な運営を確保するため、必要なルールを設けた法律です。

職業安定法の目的は、労働者と産業の適切なマッチングを促し、以下の3つを確保することにあります。

①各人の能力に適した職業に就く機会を与えること
②産業に必要な労働力を充足し、職業の安定を図ること
③経済・社会の発展に貢献すること

職業安定法がルールを定めているのは、「職業紹介事業等(人材紹介)」についてですが、これはしばしば、「労働者派遣」と混同されます。両者は以下のような違いがあります。

人材紹介と労働者派遣の違い

✅人材紹介
・人材の紹介を行うこと(職業安定法による規制)
・雇用関係は、人材と雇用を決めた企業の間で発生する(紹介者が人材を雇用しているわけではない)


✅労働者派遣
・人材の派遣を行うこと(労働者派遣法による規制)
・雇用関係は、人材と派遣元の会社の間で発生する(派遣元が自ら雇用している人材を派遣する)
・派遣先の会社と人材の間に雇用関係はない

施行日・公布日

インターネット上の求人メディアに対する規制強化などを盛り込んだ、2022年改正職業安定法の公布日・施行日は以下のとおりです。

公布日・施行日

公布日|2022年3月31日
施行日|2022年10月1日
※職業安定法32条及び32条の11第1項の改正規定、附則28条の規定は公布日から施行

【2022年10月1日施行】職業安定法改正の主な目的

2022年10月1日に全面施行される職業安定法の目的は、大きく以下の2点に要約されます。

✅ 新たな形態の求人メディアに対して規制を及ぼす
✅ 求人メディア全体に対する規制を強化する

新たな形態の求人メディアに対して規制を及ぼす

従来の求人メディアは、求人を行う企業や求職者から依頼を受けて、求人情報や求職情報を掲載しているものが大半でした。しかし最近では、企業などから直接依頼を受けず、インターネット上で公表されている情報を収集するなど、新たな形態で運営されている求人メディアが続々と登場しています。

このような新たな形態の求人メディアは、これまで職業安定法による規制の対象外となっていました。しかし、求職者に対して影響力を拡大している実情に鑑み、新たな形態の求人メディアに対しても、職業安定法による規制を及ぼす改正が盛り込まれました。

求人メディア全体に対する規制を強化する

新たな形態の求人メディアだけでなく、従来型を含めた求人メディア全体について、掲載内容や事業運営の適正化・質の向上を図る必要性が指摘されていました。

そこで、求人メディア全体に対して適用する規制として、

求人情報の正確性・最新性を保つための措置
個人情報保護・苦情処理体制の整備

等を義務付ける改正などが盛り込まれました。


改正ポイント①|「募集情報等提供」の範囲が拡大

職業安定法改正の1つめのポイントは、「募集情報等提供」に該当する求人サービスの範囲が拡大され、より多くの求人メディアが職業安定法による規制の対象になった点です。

募集情報等提供とは|新法・旧法を比較

旧法においては、「募集情報等提供」とは、①求人情報を求職者に提供すること、②求職者に関する情報を企業などに提供することを意味していました。

しかし、今回の改正により、募集情報等提供の定義が以下のとおり拡大しています。

旧職業安定法における「募集情報等提供」の定義

(定義)
第4条
⑥ この法律において「募集情報等提供」とは、労働者の募集を行う者若しくは募集受託者(第39条に規定する募集受託者をいう。以下この項、第5条の3第1項及び第5条の4第1項において同じ。)の依頼を受け、当該募集に関する情報を労働者となろうとする者に提供すること又は労働者となろうとする者の依頼を受け、当該者に関する情報を労働者の募集を行う者若しくは募集受託者に提供することをいう。


引用元│「職業安定法」– e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

職業安定法における「募集情報等提供」の定義

(定義)
第4条
⑥ この法律において「募集情報等提供」とは、次に掲げる行為をいう。
⑴ 労働者の募集を行う者等(労働者の募集を行う者、募集受託者(第39条に規定する募集受託者をいう。第3号、第5条の3第1項、第5条の4第1項及び第2項並びに第5条の5第1項において同じ。)又は職業紹介事業者その他厚生労働省令で定める者(以下この項において「職業紹介事業者等」という。)をいう。第4号において同じ。)の依頼を受け、労働者の募集に関する情報を労働者になろうとする者又は他の職業紹介事業者等に提供すること。
⑵ 前号に掲げるもののほか、労働者の募集に関する情報を、労働者になろうとする者の職業の選択を容易にすることを目的として収集し、労働者になろうとする者等(労働者になろうとする者又は職業紹介事業者等をいう。次号において同じ。)に提供すること。
⑶ 労働者になろうとする者等の依頼を受け、労働者になろうとする者に関する情報を労働者の募集を行う者、募集受託者又は他の職業紹介事業者等に提供すること。
⑷ 前号に掲げるもののほか、労働者になろうとする者に関する情報を、労働者の募集を行う者の必要とする労働力の確保を容易にすることを目的として収集し、労働者の募集を行う者等に提供すること。


引用元│「職業安定法」– e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

簡潔にまとめると、職業安定法4条6項では、募集情報等提供の定義が以下のとおり拡大されたということになります。

【改正前|以下2つのみ】
①求人情報を求職者に提供すること
②求職者に関する情報を企業などに提供すること


【改正後|上記に、以下が追加】
③求人情報・求職者に関する情報をクローリングして提供すること
④他の求人メディアに掲載されている求人情報を転載すること

今回の改正により、上記の「募集情報等提供」に該当するサービスを提供する事業者は、職業安定法の規制対象となります。

募集情報等提供事業者は各種規制の対象に

募集情報等提供を行う事業者(以下、募集情報等提供事業者)は、職業安定法に基づき、以下の規制を受けることになります。

募集情報等提供事業者に適用される規制

✅ 求人情報等の的確表示義務(職業安定法5条の4)
✅ 事業情報の公開に関する努力義務(同法43条の6)
✅ 苦情の処理・体制整備の義務(同法43条の7)
✅ 業務運営の改善向上を図るために必要な措置を講ずる努力義務(同法43条の8)

なお、募集情報等提供事業者が職業安定法上の義務に違反した場合、行政処分の対象となる点に注意が必要です(職業安定法48条の3など)。

改正点の要約

旧法|募集情報等提供の定義は以下のとおりだった
①求人情報を求職者に提供すること
②求職者に関する情報を企業などに提供すること


新法|旧法の定義に以下が追加されるとともに、募集情報等提供事業者に様々な規制が義務付けられた
③求人情報・求職者に関する情報をクローリングして提供すること
④他の求人メディアに掲載されている求人情報を転載すること


改正ポイント②|特定募集情報等提供事業者の届出制を創設

職業安定法改正の2つめのポイントは、「特定募集情報等提供事業者」の届出制が新設された点です(職業安定法43条の2)。

特定募集情報等提供とは|募集情報等提供との違い

「特定募集情報等提供」とは、募集情報等提供のうち、労働者になろうとする者(=求職者)に関する情報を収集するものをいいます(職業安定法4条7項)。

「募集情報等提供」には、求職者に関する情報を収集せず、単に求人情報だけを掲載するサービスなども含まれています。これに対して特定募集情報等提供に該当するのは、求職者に関する情報を収集するタイプのサービスのみです。

例えば、以下のいずれかに該当する求人サービスは特定募集情報等提供を行う事業(以下、特定募集情報等提供事業)に該当します。

特定募集情報等提供事業に当たる求人サービスの例

✅ 求職者に会員登録を求める求人サービス
✅ 求職者のメールアドレスを収集して、求人情報を掲載したメルマガを配信するサービス
✅ 求職者の閲覧履歴に基づいて求人情報を紹介するサービス
など

特定募集情報等提供事業を行おうとする場合、厚生労働大臣に対してその旨を届け出なければなりません(職業安定法43条の2第1項)。

既存事業者も2022年12月31日までの届出が必要

特定募集情報等提供事業の届出義務は、既に特定募集情報等提供事業を行っている事業者に対しても適用されます。

したがって、既存事業者も特定募集情報等提供事業の届出をしなければなりません。ただし経過措置により、施行日時点で既に特定募集情報等提供事業を行っている者は、2022年12月31日までに届出を行えばよいとされています(職業安定法改正附則5条1項)。

特定募集情報提供事業者に適用される行為規制

特定募集情報等提供事業者に対しては、募集情報等提供事業者に対する規制に追加して、さらに以下の行為規制が適用されます。

募集情報等提供事業者に適用される主な規制

✅ 求職者等の個人情報の取扱いに関する義務(職業安定法5条の5)
✅ 労働者からの報酬受領の禁止(同法43条の3)
✅ 事業概況報告書の提出義務(同法43条の5)
✅ 秘密保持義務(同法51条1項)

改正点の要約

「特定募集情報等提供事業者(※)」の届出制が新設され、様々な規制が課されることになった


(※)募集情報等提供を行う事業者のうち、労働者になろうとする者(=求職者)に関する情報を収集する事業者


改正ポイント③|求人情報の的確な表示を義務付け

職業安定法改正の3つめのポイントは、職業紹介事業者・求人を行う企業・募集情報等提供事業者などに対して、求人情報の的確な表示を義務付けた点です(職業安定法5条の4)。

従来は厚生労働省の指針によって、的確表示の基準が示されていたに過ぎませんでした。しかし今回の改正により、的確表示は法令上の義務に昇格し、違反者は改善命令等の対象となります。

的確な表示が義務付けられる事項

職業紹介事業者・求人を行う企業・募集情報等提供事業者などに対して的確な表示が義務付けられるのは、以下の事項です(職業安定法5条の4第1項、職業安定法施行規則4条の3第2項)。

的確な表示が義務付けられる事項

✅ 求人情報
✅ 求職者情報
✅ 求人を行う企業等に関する情報
✅ 自社に関する情報
✅ 職業安定法に基づく業務の実績に関する情報

虚偽の表示・誤解を生じさせる表示の禁止

職業紹介事業者・求人を行う企業・募集情報等提供事業者などは、的確な表示が義務付けられる事項について虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはなりません(職業安定法5条の4第1項)。

虚偽の表示・誤解を生じさせる表示の具体例

✅ 職種や業種について、実際の業務の内容と著しく乖離する名称を用いる
(例)
・営業職を「事務職」と称して募集する
・フリーランスの募集と雇用契約の募集を混同する


✅ 固定残業代制について不明確な表示をする
(例)
・固定残業時間を明示しない
・固定残業代を基本給に含めて表示する


✅ 求人を行う企業とグループ企業を混同した表示をする
(例)
・A社が自社の求人を行う際、有名なグループ企業であるB社の名前を借りて「B社は優秀な人材を必要としています」などと表記する


✅ モデル収入例を、必ず支払われる基本給のように表示する
(例)
・社内で特に給与が高い労働者の給与を、全ての労働者の給与であるかのように例示する

正確・最新の内容に保つ措置等の義務付け

さらに、求人を行う企業などは、的確な表示が義務付けられる事項のうち、以下の事項に関する情報を提供するときは、正確かつ最新の内容に保たなければなりません(職業安定法5条の4第2項、職業安定法施行規則4条の3第3項)。

正確かつ最新の内容に保つことが義務付けられる事項

✅ 求人情報
✅ 求人を行う企業等に関する情報
✅ 職業安定法に基づく業務の実績に関する情報

また、求人を行う企業から提供を受けた情報を正確かつ最新に保つため、職業紹介事業者・募集情報等提供事業者には以下の措置が義務付けられています(職業安定法5条の4第3項、職業安定法施行規則4条の3第4項)。

正確かつ最新の内容に保つために講ずべき措置

✅ 全ての職業紹介事業者・募集情報等提供事業者(共通)
→以下の全ての措置
・「求人情報・求職者に関する情報」(以下、求人情報等)の提供の中止や訂正を求められたら、遅滞なく対応する
・求人情報等が正確でない、又は最新でないことを確認したときは、遅滞なく情報提供の依頼者に訂正の有無を確認するか、情報提供を中止する


✅ 職業紹介事業者
→以下のいずれかの措置
(a)求人を行う企業又は求職者に対して、定期的に情報が最新かどうかを確認する
(b)求人情報等の時点を明らかにする


✅ 依頼を受けて求人情報等を提供する募集情報等提供事業者(1号・3号事業者)
→以下のいずれかの措置
(a)情報提供依頼者に対して、募集が終了した場合や情報の内容に変更があった場合には、速やかに通知するよう依頼する
(b)求人情報等の時点を明らかにする


✅ 自ら収集した情報を提供する募集情報等提供事業者(2号・4号事業者)
→以下のいずれかの措置
(a)求人情報等を定期的に収集・更新し、その頻度を明らかにする
(b) 求人情報等の時点を明らかにする

改正点の要約

職業紹介事業者・求人を行う企業・募集情報等提供事業者などに対して、情報の的確な表示が義務付けられ、以下の情報につき、的確な表示を行わなければならない
①求人情報
②求職者情報
③求人を行う企業等に関する情報
④自社に関する情報
⑤職業安定法に基づく業務の実績に関する情報
※さらに求人を行う企業などは、上記のうち、①③⑤を正確かつ最新の内容に保たなければならない



職業紹介事業者・募集情報等提供事業者に、求人を行う企業から提供を受けた情報を正確かつ最新に保つための措置を講じることが義務付けられた


改正ポイント④|個人情報の収集目的の明示を義務付け

職業安定法改正の4つめのポイントは、特定募集情報等提供事業者に対する行為規制の一環として、求職者の個人情報を収集するに当たり、本人に対して収集目的の明示を義務付けた点です(職業安定法5条の5第1項)。

旧職業安定法では、職業紹介事業者・求人を行う企業などを対象に、個人情報の保護に関するルールが既に定められていましたが、このルールが、今回新設された「特定募集情報等提供事業者」にも適用されます。

個人情報の利用目的の明示は、インターネットの利用その他適切な方法により行う必要があります(職業安定法施行規則4条の4)。

改正点の要約

今回新設された特定募集情報等提供事業者に対して、求職者の個人情報を収集するに当たり、本人に対して収集目的を明示する義務が課された


【解説つき】改正前と改正後の条文を新旧対照表で比較

それでは、改正点について、条文を確認しましょう。解説つきの新旧対照表をご用意しました。 以下のページからダウンロードできます。

新旧対照表のダウンロードはこちらから

職業安定法の新旧対照表 (解説つき)

ムートン先生
ぜひ、業務のお供に!ご活用いただけると嬉しいです!

〈サンプル〉
新旧対照表
新旧対照表

この記事のまとめ

【2022年10月1日施行】職業安定法(職安法)改正の記事は以上です。最新の記事に関する情報は、契約ウォッチのメルマガで配信しています。ぜひ、メルマガにご登録ください!


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