フランチャイズとは?
意味・仕組み・メリット・フランチャイズ契約に
定めるべき事項などを分かりやすく解説!

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この記事のまとめ

フランチャイズ」とは、本部(フランチャイザー)加盟店(フランチャイジー)に対して、本部がもつ商標などを使用して事業を行うことを認め、経営を支援し、これらの対価として金銭を受け取る事業形態です。

フランチャイズの形態をとることで、以下のようなメリットを享受できます。

【本部側のメリット】
加盟料ロイヤリティといった収入を得られる
・幅広い地域に自社ブランドの店舗を出店できる

【加盟店側のメリット】
・本部のノウハウやブランドイメージを直ちに活用できるため、初期段階から集客がしやすい

フランチャイズを始める際は、本部と加盟店の間で、「フランチャイズ契約」を締結します。

この記事ではフランチャイズについて、基本から分かりやすく解説します。

ヒー

フランチャイザー、フランチャイジー…どちらが「本部」でどちらか「加盟店」か、分からなくなりそうです。

ムートン

「動詞+er=~をする人」「動詞+ee=~をされる人」という意味合いです。interviewer(インタビュアー=インタビューをする人)とinterviewee(インタビュイー=インタビューをされる人)など、似た単語とセット覚えておくのもいいかもしれませんね。

※この記事は、2023年10月23日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。

フランチャイズとは|直営店との違いを含め分かりやすく解説!

フランチャイズ」とは、本部(フランチャイザー)加盟店(フランチャイジー)に対して、自己の商標などを使用して事業を行うことを認め、経営を支援し、これらの対価として金銭を受け取る事業形態です。

ムートン

一番身近な「フランチャイズ」としては、コンビニエンスストアが考えられます。

フランチャイジーが運営する店舗は、「フランチャイズ店と呼びます。これに対して、本部が運営する店舗は「直営店といいます。一利用者の立場からみると、どちらも同じブランドの店舗に見えますが、運営者が異なるケースがあります。

【直営店とフランチャイズ店】

フランチャイズの仕組み

フランチャイズ・チェーンを運営する本部は、加盟店に対して経営ノウハウの提供や商標の使用許諾などを行います。これにより、加盟店は直営店とほとんどかたちで、同じ店舗を出店できるようになります。

加盟店において得られる収益は、その一部が加盟金やロイヤリティなどのかたちで本部に支払われ、残りが加盟店のものとなります。

【フランチャイズの仕組み】

ランチャイズ形態をとっている業種の例

フランチャイズ形態は、非常に多様な業種で採用されています。以下に挙げるのは、フランチャイズ形態が採用されている業種の一例です。

①小売業
・コンビニエンスストア
・アパレルショップ
・雑貨屋
・書店
・メガネショップ
・文化用品の販売業
・菓子屋
・パン屋
・宅配業者
など

②外食業
・ハンバーガー屋
・牛丼屋
・ラーメン屋
・そば屋
・うどん屋
・ファミリーレストラン
など

③サービス業
・クリーニング屋
・美容室
・リフォーム業者
・レンタル業者
・学習塾
・印刷業者
・ビルメンテナンス業者
など

フランチャイズのメリット・デメリット

フランチャイズ形態には、本部・加盟店の双方にとってメリットがある反面、デメリットもある点に留意すべきです。

本部(フランチャイザー)側のメリット・デメリット

本部側にとって、フランチャイズ形態をとる主なメリット・デメリットは以下のとおりです。

本部側のメリット

・店舗運営のために人員を自ら割かなくても、加盟金やロイヤリティの支払いを受けられます。
・幅広い地域に自社ブランドの店舗を出店させることができ、ブランドイメージの向上につながります。

本部側のデメリット

・フランチャイズ店の運営が不適切である場合、自社のブランドイメージが損なわれるおそれがあります。
・直営店と比較して、フランチャイズ店には運営状況の監視が行き届きにくい面があります。

加盟店(フランチャイジー)側のメリット・デメリット

加盟店側にとって、フランチャイズ形態をとる主なメリット・デメリットは以下のとおりです。

加盟店側のメリット

・本部のノウハウ提供を受けられるため、スムーズに出店できます。
・本部のブランドイメージを利用して、早い段階から高収益を挙げられる可能性があります。

加盟店側のデメリット

・加盟金やロイヤリティの負担が大きく、利益があまり手元に残らないことがあります。
・フランチャイズ・チェーンのブランドイメージを損なう営業は認められないため、経営の自由度は低いです。

フランチャイズ開業までの流れ

個人が、フランチャイズ店を開業するためには、大まかに以下のような流れになるでしょう。

① チェーン本部についての情報を収集し分析する
② 気になるチェーン本部に絞り込み、チェーン本部への訪問をしたり、加盟説明会に参加したりして、事業の内容や収益性、主な契約内容、開業以前・以後にわたっての支援内容などを確認する
③ フランチャイズに加盟したい場合は、本部に意思を表明し、フランチャイズ契約を締結するなどの手続きを進める
④ フランチャイズ契約に基づいて本部からノウハウの提供や指導などを受け、開店に向けた準備を進める

開店後は、フランチャイズ契約に定められたルールを順守して、フランチャイズ・チェーンとしてのブランドイメージを損なわないようにしながら、業績・利益の向上を目指していくことになります。

ムートン

フランチャイズを始めたい場合は、トラブルにならないよう事前にある程度の知識を仕入れておいたほうが安全です。この点、中小企業庁が公表している以下が参考になりますよ。

中小企業庁「フランチャイズ事業を始めるにあたって」

フランチャイズ契約に定めるべき主な事項

本部と加盟店が締結するフランチャイズ契約において、定めるべき主な事項は以下のとおりです。

①フランチャイズ店の概要
②独立事業の原則
③経営指導
④テリトリー権
⑤フランチャイジーの順守事項
⑥商品の仕入れ方法
⑦加盟金・ロイヤリティなどの金銭的負担
⑧本部に対する報告
⑨契約期間・中途解約
⑩契約終了後の順守事項
⑪その他

ムートン

各事項について、概要を解説します。

フランチャイズ店の概要

加盟店が運営するフランチャイズ店の概要として、以下の事項などを定めます。

・提供する商品やサービスの内容
・店舗の名称
・使用する商標
・営業場所
・店舗の設備
など

独立事業の原則

加盟店は、本部から独立した事業者としてフランチャイズ店を運営します。したがって、本部はフランチャイズ店の業績や、フランチャイズ店による不祥事について責任を負いません。

フランチャイズ契約においても、加盟店の独立性を明確化するため、上記のような内容を定めておきましょう。

経営指導

フランチャイズ店では、直営店と同等の商品・サービスを提供し、表現するブランドイメージも直営店と同等にする必要があります。そのためには、本部の加盟店に対する経営指導が欠かせません。

フランチャイズ契約では、経営指導に関して以下の事項などを詳細に定めます

①開店前の経営指導
営業開始前の研修の実施、ノウハウの提供など

②開店時の経営指導
開店後数日間にわたる営業中の経営指導など

③開店後の経営指導
年数回程度の定期的な経営指導など

また、経営指導に要する費用の取り扱いについても明記しておきましょう。指導料や書類代は加盟金に含まれるとするのが一般的ですが、指導員の交通費や宿泊費については、加盟店の負担とすることもあります。

テリトリー権

加盟店が出店したフランチャイズ店の周辺に、本部が同一フランチャイズ・チェーンの他店舗を自ら出店せず、またはほかの加盟店に出店させないことを約束することがあります。この場合、加盟店には「テリトリー権」が認められたことになります。

テリトリー権が認められると、周辺に競合店舗が出店されなくなるので、加盟店は業績の向上が期待できます。そのため、加盟店側は、できる限り広い地域についてテリトリー権を認めてほしいと考える傾向にあります。

これに対して本部側としては、ブランドの出店を制限されることはデメリットであるため、テリトリー権の範囲を狭く限定したいと考える傾向にあります。

ムートン

テリトリー権の有無や範囲については、本部側と加盟店側の間で意見が対立し、契約交渉における論点の一つとなるケースが多いです。

フランチャイジーの順守事項

フランチャイズ店は原則として、直営店や他のフランチャイズ店と同等の店舗とすることが求められます。また、フランチャイズ・チェーンのブランドイメージを損なうような営業は認められません。

そこでフランチャイズ契約では、フランチャイズ・チェーンにふさわしい営業が行われるように、加盟店の順守事項を詳細に定めます。

以下に挙げるのは、加盟店の順守事項の一例です。

・営業日
・営業時間
・顧客情報の管理方法
・広告宣伝の方法(本部が定めた広告宣伝の方法に従う、独自の広告については本部の許可を要するなど)
・許可なく他の事業を行うことの禁止
・本部が認めていない商品やサービスの提供禁止
など

商品の仕入れ方法

フランチャイズ店において提供する商品についても、原則として直営店や他のフランチャイズ店と同等の品質・イメージを保持しなければなりません。

特に飲食店では、使用する原材料が違うと、提供する商品の風味が変わってしまい、フランチャイズ・チェーン全体における均質な商品提供ができなくなります。

そのためフランチャイズ契約では、商品の仕入れ方法について統一的なルールを設けるのが一般的です。具体的には、本部から直接仕入れるか、または本部が指定する業者から仕入れることを加盟店に義務付けます。

仕入れの条件(価格・数量など)については個別契約で定めることになりますが、フランチャイズ契約において一定の基準を定めることもあります。

加盟金・ロイヤリティなどの金銭的負担

フランチャイズ・チェーンに加盟することの対価として、加盟店は本部に対して加盟金やロイヤリティを支払います。加盟金は加盟時に支払う対価、ロイヤリティは営業開始後定期的に支払う対価です。

ロイヤリティについては、

  • 定額制
  • 変動制(売上や利益などを基準に金額が決まる)

2つに大別されます。

定額制の場合は、フランチャイズ店の業績が好調であれば加盟店に残る利益が大きくなる反面、不調時にはロイヤリティの負担が重くなります。

変動制の場合は、業績不調時のロイヤリティ負担を抑えられる反面、好調時には多くのロイヤリティを支払わなければならず、加盟店に残る利益が少なくなります。

さらに加盟店に対して、システム使用料広告分担金の金銭的負担が課されることもあります。

ムートン

加盟金やロイヤリティを中心とした金銭的条件については、フランチャイズ契約においてルールを明確化しておきましょう。

本部に対する報告

本部としては、フランチャイズ・チェーン全体の管理を行うため、各フランチャイズ店の運営状況を把握しておく必要があります。

そのためフランチャイズ契約では、加盟店に対して本部への報告義務を課すのが一般的です。定期報告のほか、臨時的に対応を要する事態が生じた場合の報告についても定めておくのがよいでしょう。

契約期間・中途解約

フランチャイズ契約には有効期間を設けた上で、自動更新条項を定めるケースが多いです。

ムートン

自動更新条項とは、当事者から契約更新拒絶の申し込みがない限り、自動で契約が更新される旨を定めた条項です。

自動更新条項を定める場合には、契約を更新しない場合の手続きについても定めておきましょう(例:一定期間前に書面で解約申し入れを行うなど)。

また、契約期間の途中での解約を認める(=中途解約条項を定める)場合は、その条件や加盟金・ロイヤリティの取り扱いについても、フランチャイズ契約に明記しましょう。

契約終了後の順守事項

フランチャイズ・チェーンの本部としては、フランチャイズ契約が終了した後、加盟店にはフランチャイズ店の営業をやめてもらわなければなりません。ロイヤリティを支払わず、報告なども行わない店舗をフランチャイズ・チェーンの一員として認めるわけにはいかないからです。

そのためフランチャイズ契約では、契約終了後の加盟店側の順守事項として、以下の事項などを定めます。

・本部側が提供したノウハウの使用禁止
・フランチャイズ・チェーンに関する商標の使用の禁止
など

その他

上記のほか、フランチャイズ契約に定めることが多い事項としては、以下の例が挙げられます。

① 秘密保持
本部側が提供するノウハウやフランチャイズ・チェーンに関する秘密情報について、本部側の承諾なく第三者に開示することを原則として禁止します。

② 損害賠償
いずれかの当事者がフランチャイズ契約に違反した場合について、損害賠償の範囲や金額を定めます。

③連帯保証
フランチャイズ契約に基づく債務(加盟金やロイヤリティの支払い、損害賠償など)について、連帯保証の内容(連帯保証人・主たる債務の範囲・極度額など)を定めます。

④反社会的勢力の排除
暴力団員等に該当しないこと等の表明保証、および暴力的な要求行為をしないこと等の確約、ならびにこれらに違反した場合における契約の解除や損害賠償について定めます。

⑤合意管轄
フランチャイズ契約に関する紛争が生じた場合に、訴訟を提起する裁判所を指定します。

など

ムートン

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