モラルハラスメント(モラハラ)とは?
モラハラをする人の特徴・具体例・
対策・発生時の対応などを
分かりやすく解説!

この記事のまとめ

モラルハラスメント(モラハラ)」とは、道徳倫理に反する嫌がらせ行為です。

職場において行われる嫌がらせ行為のうち、優越的な関係(例:上司と部下、集団と個人など)を背景に行われるものは「パワーハラスメントパワハラ」といいます。

これに対して、優越的な関係を背景とはしていないものの、従業員同士などの間で行われる嫌がらせ行為をモラハラと呼ぶことがあります。

例えば同僚間で、人格を否定する侮辱・無視・悪口・プライベートの過度な詮索や監視などが行われた場合は、モラハラに当たります。

この記事ではモラハラについて、基本から分かりやすく解説します。

ヒー

パワハラ、モラハラ、セクハラ、ケアハラ、マタハラ、パタハラ、SOGIハラ…。いろいろなハラスメントがあって覚えきれません。

ムートン

そのときはまず「ハラスメントとは?定義・種類・関係する法律・発生時の対応方法などを分かりやすく解説!」の記事を読んでみてください。頭の整理ができますよ。

※この記事は、2023年11月20日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。

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モラルハラスメント(モラハラ)とは

モラルハラスメント(モラハラ)」とは、道徳倫理に反する嫌がらせ行為です。職場においても、同僚である従業員同士などの間でモラハラが行われることがあります。

職場におけるモラハラとパワハラの違い

モラハラと同じく、職場において問題になり得るハラスメントの代表例として「パワハラ」が挙げられます。

パワハラとは、職場において行われる、以下の3つの要件を満たす行為です。

①優越的な関係を背景として行われること
②業務上必要かつ相当な範囲を超えて行われること
③労働者の就業環境を害すること

モラハラとパワハラの違いは、上記のうち①の「優越的な関係」が背景にあるか否かの点です。

パワハラについては、優越的な関係を背景として行われることが要件とされています。例えば

  • 上司の部下に対する行為
  • 集団の個人に対する行為
  • 専門的知識を有する従業員のそうでない従業員に対する行為

などが、優越的な関係を背景とする行為に当たります。

ムートン

これに対してモラハラは、パワハラと区別するため、優越的な関係を背景としていない行為を指すのが一般的です。

例えば同僚間で行われる侮辱的行為などは、集団的に行われたなどの事情がない限りパワハラには当たりませんが、モラハラには該当すると考えられます。

職場におけるモラハラの具体例

職場において問題になることが多いモラハラ行為としては、以下の例が挙げられます。

具体例1|人格を否定するような侮辱をする
具体例2|会話や連絡を無視する
具体例3|仕事上での嫌がらせをする
具体例4|プライベートを過度に詮索・監視する
具体例5|特定の人を仲間はずれにする

具体例1|人格を否定するような侮辱をする

相手の人格を否定するような侮辱は、モラハラに当たる行為の典型例です。

(例)
・仕事ができない同僚に対して、能力不足をからかうために「能無し」「ばか」「アホ」などと発言した。
・同僚の交友関係について、「あんな人と付き合うなんて理解できない、バカなんじゃないか」などと発言した。

具体例2|会話や連絡を無視する

話しかけられてもあからさまに無視したり、業務上必要な連絡に対して返信しなかったりする行為も、モラハラに当たる可能性があります。

(例)
・他の従業員にはきちんと挨拶するのに、特定の同僚からの挨拶は無視し続けている。
・同僚から仕事のメールを受けているのに、故意に数日間にわたって返信せず、その旨を指摘されると「忙しいんだから仕方がないだろう」などと開き直った。

具体例3|仕事上での嫌がらせをする

仕事がスムーズに進まないように妨害する行為も、モラハラに当たる可能性が高いです。

(例)
・仕事をしている同僚に対して執拗に話しかけ、作業に集中できないようにした。
・活躍している同僚の悪口を上司に対して言い、昇進を妨害しようとした。

具体例4|プライベートを過度に詮索・監視する

仕事とは関係がないプライベートに過度に立ち入る行為も、モラハラに当たる可能性があります。なお、性的な事柄を詮索する行為はセクハラにも当たることがあります。

(例)
・同僚に対して、預金額などの経済状況をしつこく聞き出そうとした。
・家族関係について複雑な事情がある同僚に対して、その詳細をしつこく聞き出そうとした。

具体例5|特定の人を仲間はずれにする

特定の同僚を仲間はずれにする行為は、集団で行った場合はパワハラに当たりますが、単独で行った場合などにはモラハラに当たることがあります。

(例)
・同僚を懇親会に誘うように上司から言われたが、その同僚を快く思っていなかったので、仲間はずれにするために懇親会の予定を伝えなかった。
・同期の間で飲み会を開催するに当たり、幹事が特定の従業員を除いた上で、その他の同期だけに開催日程を案内した。

モラハラをする人(加害者)にみられる特徴(共通点)

モラハラに当たる行為をする人には、以下のような特徴が見られることが多いです。

特徴1|自己中心的傾向が強い
特徴2|プライドが高い
特徴3|他責思考が強い
特徴4|感情の起伏が激しい

特徴1|自己中心的傾向が強い

モラハラは、自分の思い通りにならないことが気に入らないという気持ちから行われる傾向にあります。

このような理由でモラハラをする人は、自己中心的な傾向が強く、他人を思いやる気持ちに欠けていることが多いと思われます。

特徴2|プライドが高い

同僚に対するモラハラは、活躍している同僚を蹴落としたいという気持ちから行われることがあります。

このような理由でモラハラをする人は、プライドが高いため他人の活躍が許せないと考える傾向にあるケースが多いです。

特徴3|他責思考が強い

仕事や私生活などがうまくいかないことの原因を、自分ではなく他人に求めてしまうことを「他責思考」といいます。

他責思考の傾向が強い人は、不満や苛立ちを他人にぶつけることがよくあり、それがモラハラになってしまうことが多いと思われます。

特徴4|感情の起伏が激しい

モラハラに当たる行為は、社会人であれば理性によってコントロールすべきです。

しかし感情の起伏が激しい人は、衝動的な感情を抑えることができずに、モラハラに走ってしまうことが多いと思われます。

職場におけるモラハラを防止するための対策

職場におけるモラハラを防止するため、企業は以下の対策を講じることが求められます。

対策1|ハラスメント防止方針の明確化および周知・啓発
対策2|ハラスメント相談窓口の設置
対策3|ハラスメント発生時における対応体制の整備

対策1|ハラスメント防止方針の明確化および周知・啓発

まずはモラハラを含むハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、従業員に対して周知・啓発を行いましょう。

会社としての方針は、就業規則その他の服務規律によって定めます。さらに、社内報・パンフレット・ホームページなどを活用して、ハラスメント防止方針の周知・啓発に努めましょう。定期的にハラスメント防止研修を行うことも効果的です。

ムートン

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さらに、モラハラを行った従業員に対しては厳正に対処する旨と、その方針や対処の方法を明確化することも重要です。例えば、就業規則上の懲戒事由として、モラハラを含むハラスメントを明記するなどの対応が考えられます。

対策2|ハラスメント相談窓口の設置

モラハラを含むハラスメントを早期に発見して適切に対処するため、ハラスメント相談窓口を設置しましょう。社内窓口を設置することのほか、外部機関に相談対応を委託することも考えられます。

ハラスメント相談窓口の担当者は、従業員の相談について適切に対応できるようにしておかなければなりません。人事部門との連携や対応マニュアルの作成、担当者向けの研修などを通じて、いつ相談が来てもよいように準備しましょう。

対策3|ハラスメント発生時における対応体制の整備

実際に従業員からハラスメントの相談があった場合に備えて、会社として適切に対応できるようにするための体制を整備する必要があります。

例えば事実関係を確認する担当者や手続きを明確にすること、被害者をケアできるような仕組みを整備すること、再発防止策を適切に講じることなどが求められます。ハラスメント発生時にこれらの対応ができるように、関連する社内規程を整備したうえで、研修等を通じてシミュレーションを行っておきましょう。

職場でモラハラが発生した際に企業がとるべき対応

実際に職場においてモラハラが発生した際には、適切な形で事態の収拾を図るために以下の対応を行いましょう。

1|事実関係の調査・当事者に対するヒアリング
2|被害者のケア(加害者からの引き離しなど)
3|加害者に対する懲戒処分の検討
4|再発防止策の策定・実施

1|事実関係の調査・当事者に対するヒアリング

まずは事実関係の調査を行い、モラハラの有無や実態を正確に把握するよう努めましょう。事実関係の把握に誤りがあると、その後の対応も不適切なものになってしまうので、慎重な調査が求められます。

調査に当たっては、当事者に対するヒアリングも行うべきです。

特に加害者とされている従業員に対しては、証拠の隠滅などを防ぐため、客観的な事実の調査が終わった段階でヒアリングを行うのがよいでしょう。また、弁明の機会を与えたうえでその内容を検討し、必要に応じて追加調査を行うことも重要です。

2|被害者のケア(加害者からの引き離しなど)

モラハラの被害者に対しては、業務に支障が出ないように(休職中の場合は業務に復帰できるように)精神的なケアを行うべきです。産業医との面談やメンターの声かけなどを通じて、被害者の状態を把握した上で適切なケアに努めましょう。

また、モラハラの被害者と加害者が同部署である場合や、オフィスの座席が近い場合などには、お互いを引き離すことも被害者のケアの観点から必要と考えられます。迅速に社内調整を行ったうえで、配置転換などを適切に行いましょう。

3|加害者に対する懲戒処分の検討

モラハラの事実が認定できた場合は、加害者に対する懲戒処分を検討しましょう。モラハラに対して毅然とした処分を行うことは、将来に向けたモラハラの抑止力にもなり得ます。

懲戒処分を行うに当たっては、以下の要件を満たしていることを確認する必要があります。

①就業規則において懲戒の種類と懲戒事由が定められており、その内容が従業員に周知されていること
②従業員の行為の性質・態様などに照らして、懲戒処分が客観的に合理的であり、社会通念上相当であると認められること(=懲戒権の濫用に当たらないこと)

従業員の行為に比べて重すぎる懲戒処分は、懲戒権の濫用として無効になるので注意が必要です(労働契約法15条)。モラハラの内容に照らして、どの程度の懲戒処分が適切であるかを慎重に検討しましょう。

4|再発防止策の策定・実施

同じような形でモラハラが再び行われないように、再発防止策を策定・実施することも重要です。

再発防止策の検討に当たっては、モラハラが発生した原因を踏まえたうえで、その原因を摘むことができる方法を議論しましょう。また、モラハラに対する懲戒規定を強化すれば、抑止力の強化につながります。

再発防止策の検討は、社内の役員・従業員だけでなく、弁護士などの外部専門家も加えて行うことも一案です。外部の客観的な意見を取り入れることで、社内の論理にとらわれることなく、効果的な再発防止策を検討できます。

再発防止策の策定が完了したら、その内容を従業員向けに周知して、速やかに実施しましょう。もし再発防止策の不備が発見された場合には、その都度改善していく姿勢が求められます。

ムートン

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