ハラスメントのチェックリストとは?
セルフチェック・項目例や
作成時のポイントなどを分かりやすく解説!

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この記事のまとめ

企業がハラスメント防止に取り組む際には、確認すべき事項をまとめたチェックリストを作成するのが効果的です。次に挙げるような主なハラスメントについて、現場担当者の行動指針となるようなチェックリストを作成しましょう。

① セクハラ(セクシュアルハラスメント)
② パワハラ(パワーハラスメント)
③ マタハラ(マタニティハラスメント)・パタハラ(パタニティ・ハラスメント)
④ ケアハラ(ケアハラスメント)
⑤ カスハラ(カスタマーハラスメント)

ハラスメントのチェックリストにおいて挙げる項目は、個人の行動だけでなく、会社としての管理体制にも焦点を当てましょう。また、社会において問題となっている事案や、自社が経験した事案を通じて得られた教訓などを反映するため、定期的にチェックリストを見直すことも求められます。

この記事ではハラスメントのチェックリストについて、項目例や作成時のポイントなどを解説します。

ヒー

職場のハラスメント対策は、どのように確認すればよいでしょうか?

ムートン

ハラスメントの種類と具体例を把握し、チェックリストで職場の状況を確認してみましょう。

※この記事は、2026年9月30日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。

ハラスメントのチェックリストとは|加害者・被害者にならないために

ハラスメントのチェックリストとは、企業がハラスメント防止に取り組むに当たって確認すべき事項をまとめたチェックリストです。

ハラスメントとは

「ハラスメント(harassment)」とは、相手の嫌がることをして不快感を覚えさせる行為全般を意味します。

職場においては、次に挙げるハラスメントなどが問題になります。

① セクハラ(セクシュアルハラスメント)
職場における性的な言動により、労働者に対して不利益を与えること、または就業環境を害すること

② パワハラ(パワーハラスメント)
職場における優越的な関係を背景とした、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動により、労働者の労働環境を害すること

③ マタハラ(マタニティハラスメント)
妊娠・出産・育児に関する言動により、女性労働者の就業環境を害すること

④ パタハラ(パタニティ・ハラスメント)
育児に関する言動により、男性労働者の就業環境を害すること

⑤ ケアハラ(ケアハラスメント)
介護休業などの制度・措置の利用に関する言動により、労働者の就業環境を害すること

⑥ カスハラ(カスタマーハラスメント)
顧客等の社会通念上許容される範囲を超えた言動により、労働者の就業環境を害すること

事業主は労働者を保護すべく、これらのハラスメントを防止するために必要な措置を講ずる義務を負っています。

ハラスメントのチェックリストを作成するメリット

ハラスメントのチェックリストは、加害者にならないように、あるいは被害を受けた際に適切に対処できるようにする観点から、現場担当者の行動指針として役立ちます。

適切な内容のチェックリストを作成し、現場担当者が必要に応じて参照できるようにしておけば、職場におけるハラスメントの件数や発生頻度を抑える効果が期待できます。また、万が一実際にハラスメントが発生した場合でも、周囲がチェックリストに基づいて不適切な行動を指摘しやすくなるなど、深刻化の防止につながります。

ハラスメント防止を推進する企業は、チェックリストを作成しておくことをお勧めします。

実務に役立つハラスメントのチェックリスト例

職場で問題になり得るハラスメントの種類ごとに、チェックリストの参考例を紹介します。自社の状況に応じて、適宜調整したうえでご利用ください。

セクハラ(セクシュアルハラスメント)

□ 上司・同僚・部下に対し、性的な冗談やからかいをしていないか。
□ 相手の身体的特徴や容姿について、性的な発言をしていないか。
□ 恋愛経験や交際相手など、私生活について不必要な質問をしていないか。
□ 性的な内容を含むメールやメッセージを送っていないか。
□ 性的な画像や動画などを職場で閲覧・共有していないか。
□ 相手の意に反して身体に触れるなどの行為をしていないか。
□ 飲み会などで、特定の従業員に対して過度なスキンシップをしていないか。
□ 食事や交際などを、一度断られたのにしつこく誘っていないか。
□ 部下が性的な要求を拒否したことを理由として、不利益な取扱いをしていないか。
□ 性的な言動によって職場環境を不快にしていないか。
□ 性的指向や性自認について、からかいや本人の望まない形での暴露をしていないか。
□ セクハラを受けた場合の相談・対応体制を整備しているか。
□ セクハラの相談者や関係者のプライバシーを適切に保護しているか。
□ セクハラの相談をしたことを理由として、不利益な取扱いをしていないか。
□ 従業員に対して、セクハラへの対応方法について研修を実施しているか。

パワハラ(パワーハラスメント)

□ 殴る、蹴る、物を投げるなどの身体的な攻撃をしていないか。
□ 脅迫や侮辱などの精神的な攻撃をしていないか。
□ ミスをした従業員に対して、他の従業員がいる前で繰り返し叱責していないか。
□ 業務上のミスについて、必要以上に長時間にわたって説教していないか。
□ 「使えない」「給料泥棒」など、従業員の人格を否定する発言をしていないか。
□ 特定の従業員を職場で無視したり、仲間外れにしたりしていないか。
□ 業務上必要性のない業務を押し付けていないか。
□ 遂行不可能な業務や過度に困難な目標を強制していないか。
□ 必要な指導をせずに放置した上で、後から「なぜできないのか」と責めていないか。
□ 合理的な理由なく仕事を与えないなど、過小な要求をしていないか。
□ 本人の能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事だけをさせていないか。
□ 退職させることを目的として、仕事を与えない、単純作業だけをさせるなどの対応をしていないか。
□ 私生活や家族関係など、個人の事情に過度に立ち入っていないか。
□ 部下を指導する際、業務上必要かつ相当な範囲を超えていないか。
□ パワハラを受けた場合の相談・対応体制を整備しているか。
□ パワハラの相談者や関係者のプライバシーを適切に保護しているか。
□ パワハラの相談をしたことを理由として、不利益な取扱いをしていないか。
□ 従業員に対して、パワハラへの対応方法について研修を実施しているか。

マタハラ(マタニティハラスメント)・パタハラ(パタニティ・ハラスメント)

□ 妊娠・出産を理由として、嫌がらせをしていないか。
□ 妊娠・出産を理由として、退職や降格などを求めていないか。
□ 妊娠した従業員に対して、本人の意向を確認せず一方的に仕事を減らしていないか。
□ 妊娠中の従業員に対して、必要な配慮をせずに無理な業務をさせていないか。
□ 妊娠中の従業員に対して、つわりや通院などの事情を理由に嫌味を言っていないか。
□ 育児休業等の利用を妨げていないか。
□ 育児休業等の制度を利用したことを理由として、嫌がらせをしていないか。
□ 育児休業等の利用を申し出た従業員に対して、利用しないよう繰り返し説得していないか。
□ 男性従業員の育児参加に対して否定的な発言をしていないか。
□ 「育児休業を取るなら辞めてもらう」などの発言をしていないか。
□ 子どもの保育園への送迎などを理由として、業務上の評価を不当に下げていないか。
□ 妊娠・出産・育児に関する相談を理由として不利益な取扱いをしていないか。
□ マタハラ・パタハラを受けた場合の相談・対応体制を整備しているか。
□ マタハラ・パタハラの相談者や関係者のプライバシーを適切に保護しているか。
□ マタハラ・パタハラの相談をしたことを理由として、不利益な取扱いをしていないか。
□ 従業員に対して、マタハラ・パタハラへの対応方法について研修を実施しているか。

ケアハラ(ケアハラスメント)

□ 介護休業や介護休暇の取得を妨げていないか。
□ 介護のための勤務時間短縮等の制度利用を妨げていないか。
□ 介護休業等の利用を申し出た従業員に対して、利用しないよう繰り返し説得していないか。
□ 介護休業等の制度を利用したことを理由として、嫌がらせをしていないか。
□ 「介護休業を取得するなら仕事を任せられない」などの発言をしていないか。
□ 家族の介護を理由として退職を促していないか。
□ 家族を介護している従業員を不当に評価・処遇していないか。
□ 介護に関する事情を、本人の同意なく職場で広めていないか。
□ ケアハラを受けた場合の相談・対応体制を整備しているか。
□ ケアハラの相談者や関係者のプライバシーを適切に保護しているか。
□ ケアハラの相談をしたことを理由として、不利益な取扱いをしていないか。
□ 従業員に対して、ケアハラへの対応方法について研修を実施しているか。

カスハラ(カスタマーハラスメント)

□ 顧客等から暴行・脅迫・暴言などを受けた場合の対応方針を定めているか。
□ 顧客等から従業員に対して不当な要求がなされた場合の対応基準を定めているか。
□ 同じ内容の苦情を繰り返し申し立てる顧客等に対して、対応を終了する基準を設けているか。
□ 長時間にわたる不合理なクレームへの対応ルールを定めているか。
□ 顧客等から従業員個人の連絡先や住所などを聞かれた場合の対応方法を定めているか。
□ 顧客等からの著しい迷惑行為につき、従業員に1人だけで対応させていないか。
□ 顧客等が従業員に対して暴行・脅迫・つきまといなどをした場合につき、警察への相談を含めた対応を定めているか。
□ カスハラが発生した場合に、上司等へ速やかに報告できる体制を整備しているか。
□ カスハラを受けた場合の相談・対応体制を整備しているか。
□ カスハラの相談者や関係者のプライバシーを適切に保護しているか。
□ カスハラの相談をしたことを理由として、不利益な取扱いをしていないか。
□ 従業員に対して、カスハラへの対応方法について研修を実施しているか。

ハラスメントのチェックリストを作成する際のポイント

企業がハラスメントのチェックリストを作成する際には、特に次に挙げるポイントに留意しましょう。

① 現場における行動指針となるように、具体的な行動を記載する
② ハラスメントの種類ごとにチェックリストを作成する
③ 個人の行動だけでなく、会社の管理体制にも焦点を当てる
④ 定期的にチェックリストを見直す

現場における行動指針となるように、具体的な行動を記載する

ハラスメントのチェックリストは、主に現場担当者が行動する際に参照することを目的としています。そのため、現場における行動指針として有用となるように、具体的な行動に落とし込める項目を記載することが大切です。

例えばパワハラについては、単に「身体的な攻撃をしていないか」と記載するだけでなく、「殴る、蹴る、物を投げるなどの身体的な攻撃をしていないか」などと具体例を示すことが考えられます。
「精神的な攻撃」についても、「脅迫」「侮辱」「他の従業員がいる前で繰り返し叱責」など、不適切な行動の具体例を示すのがよいでしょう。

具体性のある項目を記載すると、現場担当者にとって分かりやすい行動指針となり、ハラスメントの未然防止につながります。

ハラスメントの種類ごとにチェックリストを作成する

ハラスメントには、セクハラやパワハラをはじめとしてさまざまな種類があります。問題となる行動はハラスメントの種類によって異なるため、その種類ごとにチェックリストを作成することが望ましいです。

個々のハラスメントに特有のNG行動などをチェックリストに盛り込むと、具体性が増して有用性が高まります。

個人の行動だけでなく、会社の管理体制にも焦点を当てる

ハラスメントを予防するためには、個々の従業員が気を付けるだけでは不十分で、会社としての適切な管理も必要になります。

そのためチェックリストには、会社が取り組むべき管理体制(ガバナンス体制)の整備に関する事項も盛り込むとよいでしょう。例えば、相談窓口の設置や相談者に対する配慮、従業員に対するハラスメント研修などについて記載することが考えられます。

定期的にチェックリストを見直す

ハラスメントのチェックリストをより網羅的かつ質の高いものとするため、定期的にその内容を見直しましょう。

チェックリストの見直しに当たっては、例えば社会において新たに注目されているハラスメント行動について明記する、自社が経験したハラスメント事案から得られた教訓を反映するといった対応が考えられます。少なくとも1年に1回程度は定期的に見直しを行うことをお勧めします。

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