【高松高判令和7年4月18日】
時効完成前に行われた複数回の催告が
「再度の催告」に当たるかどうかの判断基準が
示された事例
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- この記事のまとめ
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高松高裁令和7年4月18日判決では、交通事故によって負傷したX1とX2が、施術を受けた鍼灸整骨院を運営するY社から施術料の支払いを請求された事案が問題になりました。高等裁判所の判決ですが、上告審として争われました。
高松高裁は、Y社の請求を認めた控訴審判決を支持し、X1・X2の上告を棄却しました。特に、時効完成前に行われた複数回の催告が「再度の催告」に当たるかどうかの判断基準が示された点が注目されます。
未払いの債権を有している事業者は、本判決によって示された「再度の催告」の意義を踏まえつつ、債権の時効期間を適切に管理することが求められます。
| 裁判例情報 高松高裁令和7年4月18日判決(判例タイムズ1535号137頁) |
※この記事は、2026年4月27日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。
目次
事案の概要
交通事故によって負傷したX1とX2が、施術を受けた鍼灸整骨院を運営するY社から施術料の支払いを請求された事案です。高等裁判所の判決ですが、上告審として争われました。
X1とX2は、2016年6月27日に交通事故で負傷した後、それぞれ次の期間において、整骨院で施術を受けました。
X1:2016年6月29日~2016年10月31日
X2:2016年7月1日~2016年10月31日
発生した施術料の総額は、X1が29万4210円、X2が17万3860円でした。
Y社は、交通事故の相手方の損保会社(任意保険会社)の依頼を受け、施術料を損保会社宛に毎月請求し続けました。その一方で、X1・X2に対する直接請求は長期間にわたって行われませんでした。
損保会社から施術料が支払われないため(最終的には訴訟を提起するもY社敗訴)、Y社はX1・X2に対して施術料を請求することにしました。
まずY社は弁護士Aを通じて、2021年6月17日、X1・X2の代理人である弁護士Bに対し、施術料の支払いを求める通知書をファクシミリ送信しました。しかしBは、施術料の請求に関する対応を受任していないので、X1・X2に直接送付してもらわなければならない旨を告げました。
そのためAは、Y社を代理してX1・X2に対し、施術料の支払いを求める通知書を郵送しました。通知書は、遅くとも2021年7月10日にはX1・X2に届きました。
その後、Y社は2021年12月22日、徳島簡裁に対して施術料および遅延損害金の支払いを求める訴訟を提起しました。
第一審の徳島簡裁と控訴審の徳島地裁は、いずれもY社の請求を一部認めました。
控訴審においては、主に次の4点が争点となりました。
- 裁判の争点
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① Y社が損保会社との間で、X1・X2の施術料債務を免責させ、損保会社が債務引受けをする旨の契約を締結したか
② 施術料債権につき、3年間の短期消滅時効(当時)が適用されるか
③ 5年間の商事消滅時効(当時)の起算点はいつか
④ X1・X2に対する催告から訴訟提起までの間に6カ月が経過し、施術料債権が時効消滅したか
※X1・X2は、代理人であるBに対する通知がなされた2021年6月17日を起算点として、訴訟が提起された2021年12月22日時点ではすでに6カ月が経過したと主張しました。












