子の看護等休暇とは?
2025年4月改正による変更点や企業が
知るべきルールを解説!
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- この記事のまとめ
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「子の看護等休暇」とは、小学校3年生修了までの子の看病や、学校行事の出席などのために取得できる休暇です。
2025年4月に施行された育児介護休業法改正によって、従来の看護休暇が「看護等休暇」に変更され、労働者にとっては使いやすくなりました。企業としては、現行のルールを踏まえて子の看護等休暇を適切に運用する必要があります。
この記事では子の看護等休暇について、2025年4月改正による変更点や、企業が知るべきルール解説します。
※この記事は、2025年11月12日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。
※この記事では、法令名を次のように記載しています。
- ・育児介護休業法、法…育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
- ・規則…育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則
目次
子の看護等休暇(旧:看護休暇)とは
「子の看護等休暇」とは、小学校3年生修了までの子の看病や、学校行事の出席などのために取得できる休暇です。
2025年4月に施行された育児介護休業法改正によって、従来の看護休暇が「看護等休暇」に変更されました。この改正は、労働者にとって利用しやすい制度とすることを目的としています。企業としては、改正後のルールを理解し、適切に子の看護等休暇を運用する必要があります。
【2025年4月施行】育児介護休業法改正による子の看護等休暇の変更点
2025年4月に施行された育児介護休業法改正では、子の看護等休暇について以下の変更が行われました。
変更点1|対象となる子の範囲の拡大
変更点2|取得事由の拡大
変更点3|労使協定による除外規定の廃止
変更点4|名称の変更
これらの変更は、労働者が仕事と育児を両立できるように、労働者を支援する措置を講じることを目的として行われました。従来の看護休暇と比べて、さらに幅広い労働者が子の看護等休暇を取得できるようになっています。
変更点1|対象となる子の範囲の拡大
1つ目の変更点は、看護等休暇の対象となる子の範囲が広がったことです。
従来の看護休暇は、小学校就学の始期に達するまでの子(幼稚園児や保育園児など)が対象とされていました。
これに対して看護等休暇は、小学校3年生修了までの子が対象とされています。
変更点2|取得事由の拡大
2つ目の変更点は、看護等休暇を取得できる事由が追加されたことです。
従来の看護休暇は、けがをしまたは病気にかかっている子の世話をする必要がある場合、および子に予防接種または健康診断を受けさせる場合に限って取得が認められていました。
これに対して看護等休暇は、以下の場合にも取得できるようになりました。
- 子が感染症の疑いで出席停止になった場合
- 子の学校が閉校になった場合
- 子のクラスが学級閉鎖になった場合
- 入園式、卒園式、入学式に参加する場合
変更点3|労使協定による除外規定の廃止
3つ目の変更点は、労使協定によって子の看護等休暇の対象外にできる労働者の範囲が狭くなったことです。
従来の看護休暇では、引き続き雇用された期間が6カ月未満である労働者について、労使協定により子の看護等休暇を取得できないものとすることができました。
これに対して看護等休暇については、引き続き雇用された期間が6カ月未満である労働者を労使協定によって除外することができなくなりました。
変更点4|名称の変更
4つ目の変更点は、「看護休暇」という名称が「看護等休暇」へと変更されたことです。この名称変更は、子の看護(看病)をする場合に限らず、学校行事への出席などを含めた幅広い場合に取得できることを反映しています。
子の看護等休暇を取得できる労働者
子の看護等休暇を取得できるのは、小学校3年生修了までの子を養育する労働者です。ただし、例外的に対象外となる労働者もいます。
原則|小学校3年生修了までの子を養育する労働者は取得できる
子の看護等休暇は原則として、小学校3年生修了までの子を養育する労働者であれば取得できます(法16条の2第1項)。正社員に限らず、契約社員やパート・アルバイトなどの短時間労働者でも取得可能です。
例外|子の看護等休暇を取得できないケース
小学校3年生修了までの子を養育していても、以下の労働者は子の看護等休暇を取得することができません。
① 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
→労使協定で対象外とされた場合は取得できない
② 日々雇用される者
→常に取得できない
1週間の所定労働日数が2日以下の労働者|労使協定で対象外としてもよい
1週間の所定労働日数が2日以下の労働者は、労使協定によって子の看護等休暇を取得できない旨を定めることができます(法16条の3第2項、6条1項2号、規則8条2号)。
労使協定は、事業所の労働者の過半数で組織する労働組合、または事業所の労働者の過半数代表者と使用者の間で締結します。労働基準監督署への届出は不要です。
日々雇用される者|常に対象外
日々雇用される者(日雇い労働者)は、育児介護休業法における「労働者」の定義から除外されています(法2条1号)。
子の看護等休暇を取得できるのは「労働者」であるところ、日々雇用される者は労働者に当たらないので、子の看護等休暇を取得できません。
子の看護等休暇を取得できる事由
子の看護等休暇を取得できるのは、以下のいずれかの事由に該当する場合です。
① 負傷し、または疾病にかかった子の世話をする必要がある場合
② 子に予防接種または健康診断を受けさせる場合(規則32条)
③ 子が感染症の疑いで出席停止になった場合(規則33条1号)
④ 子の学校が閉校になった、またはクラスが学級閉鎖になった場合(規則33条2号)
※子自身が感染症に罹っていなくても取得できます。
⑤ 子の入園式・卒園式・入学式、その他これに準ずる式典に出席する場合(規則33条の2)
※上記以外の学校行事(運動会など)は対象外です。
子の看護等休暇の取得単位
子の看護等休暇は1日単位で取得できるほか、1時間単位でも取得することができます。ただし一部の労働者については、時間単位で子の看護等休暇を取得することができません。
原則として、時間単位での取得も可能
子の看護等休暇は原則として、1時間単位で取得することも認められています(法16条の2第2項、規則34条1項)。例えば1時間、2時間、3時間、4時間……など、労働者の希望する時間数の休暇を付与しなければなりません。
なお、1時間未満の端数が生じる形で子の看護等休暇を付与することはできません。例えば1.5時間(1時間30分)の子の看護等休暇を付与することは認められません。
また子の看護等休暇は、始業の時刻から連続し、または終業の時刻まで連続する形で申請する必要があります。いわゆる「中抜け」を許容することは、法律上必須ではありません。
時間単位での取得が認められないケース
時間単位で子の看護等休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者は、時間単位で子の看護等休暇を取得することができません(法16条の3第2項)。
厚生労働省の指針では、時間単位で子の看護等休暇を取得することが困難と認められる業務として、以下の例が挙げられています。
(a) 国際路線等に就航する航空機において従事する客室乗務員等の業務等であって、所定労働時間の途中までまたは途中から子の看護等休暇を取得させることが困難な業務
(b)長時間の移動を要する遠隔地で行う業務であって、時間単位の子の看護等休暇を取得した後の勤務時間または取得する前の勤務時間では処理することが困難な業務
(c) 流れ作業方式や交替制勤務による業務であって、時間単位で子の看護等休暇を取得する者を勤務体制に組み込むことによって業務を遂行することが困難な業務
子の看護等休暇の上限日数|対象となる子が1人なら5労働日、2人以上なら10労働日まで(1年度当たり)
子の看護等休暇の1年度当たりの上限日数は、対象となる子が1人なら5労働日まで、2人以上なら10労働日までです。年度は原則として4月1日~翌年3月31日とされています(法16条の2第4項)。
時間単位で取得した場合の上限日数の取り扱い
時間単位で子の看護等休暇を取得した場合は、累積して1日の所定労働時間数に達した時点で1労働日とカウントします(規則34条2項)。日によって所定労働時間数が異なる場合は、1年間における1日当たりの平均所定労働時間数を用います。
例えば1日の所定労働時間数が8時間で、すべて時間単位で子の看護等休暇を取得するとします。
この場合、対象となる子が1人であれば40時間まで、2人以上であれば80時間まで子の看護等休暇を取得可能です。
なお、所定労働時間数のうち1時間に満たない端数は、1時間に切り上げます。
例えば所定労働時間数が7時間30分の場合は、子の看護等休暇を8時間分取得した時点で1労働日とカウントされます。したがって、対象となる子が1人であれば40時間まで、2人以上であれば80時間まで子の看護等休暇を取得できます。
子の看護等休暇の申出方法
子の看護等休暇の申出は、以下の事項を明らかにして行わなければなりません(法16条の2第3項、規則35条)。
① 申出をする労働者の氏名
② 申出に係る子の氏名および生年月日
③ 子の看護等休暇を取得する日(1日未満の単位で取得するときは、子の看護等休暇の開始および終了の年月日時)
④ 以下のいずれかの旨
・子が負傷し、または疾病にかかっている事実
・予防接種または健康診断を受けさせるための世話をする旨
・出席停止となった子の世話をする旨
・閉校または学級閉鎖となった子の世話をする旨
・子の入園式、卒園式、入学式、その他これに準ずる式典に参加する旨
子の看護等休暇に関連する法令に違反した場合のリスク
育児介護休業法に違反して、子の看護等休暇を適切に付与しなかったとしても、直ちに罰則が科されることはありません。しかし、厚生労働大臣から報告を求められ、または是正を勧告される可能性があります(法56条)。
厚生労働大臣に求められた報告を怠り、または虚偽の報告をした場合は「20万円以下の過料」に処されます(法66条)。また、是正勧告を受けたにもかかわらず従わなかった場合は、企業名と違反の事実を公表されるおそれがあるので十分ご注意ください(法56条の2)。
子の看護等休暇に関する企業の注意点
子の看護等休暇を運用するに当たり、企業は特に以下の各点に留意してください。
① 子の看護等休暇の申出等を理由として、不利益な取扱いをしてはならない
② 子の看護等休暇は無給でもよい
子の看護等休暇の申出等を理由として、不利益な取扱いをしてはならない
事業主は、労働者が子の看護等休暇の申出をし、または実際に子の看護等休暇を取得したことを理由として、解雇その他の不利益な取扱いをしてはなりません(法16条の4、16条)。
上記の規定に違反して行われた解雇等は無効であるうえに、厚生労働大臣から是正勧告を受けるおそれがあります。
子の看護等休暇は無給でもよい
子の看護等休暇は無給でも構いませんが、会社独自の制度によって有給とすることもできます。労働者の働きやすさなどの観点から、無給とするか有給とするかを判断してください。
なお、子の看護等休暇の代わりに有給休暇の取得を申請された場合は、時季変更権を行使できる場合を除き、有給休暇を与えなければなりません(労働基準法39条5項)。
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