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法令の読み方とは?基本を解説!

契約ウォッチ編集部

契約ウォッチ編集部

(公開:2020/10/02)
この記事のまとめ

法令の読み方を解説!

この記事では、以下の2点について分かりやすく解説します。

1.法令とは何か
2.法令の読み方

この記事では、法令名を次のように記載しています。
・日本国憲法…憲法
・行手法…行政手続法
・特許法…2020年10月施行後の特許法(昭和34年法律第121号)

法律って読みにくくて、内容を理解するのにとても時間がかかります・・・。
ヒツジ
ムートン先生
法令の読み方にはコツがありますよ。
コツをおさえると、内容も理解しやすくなります。

法令とは?

そもそも法律と法令って違うんですか?
ヒツジ
ムートン先生
法令の中に、法律、条例などが含まれています。
具体的な定義を見ていきましょう。

「法令」という用語は様々な定義で用いられますが、 一般的には、「国の立法機関たる国会が制定する「法律」と、国の行政機関が制定する 「命令」の総称をいいます。また、これらに加えて、条例及び地方公共団体の執行機関の規則 を含める場合もあります(行手法2条1号)。

(定義)
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 法令 法律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例及び地方公共団体の執行機関の規則(規程を含む。以下「規則」という。)をいう。
(2)~(8) 省略

引用元│行政手続法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

つまり、「法令」という用語の中に、「法律」や「命令」、「条例」が含まれるということです。
それでは、「法律」「命令」「条例」それぞれの定義を見ていきましょう。

法律│国会が議決を経て制定する国の規範
命令│行政機関が制定する規範
条例│地方自治体が定める地方の規範

法律とは?

法律とは、憲法の定める方式により、国会の議決を経て制定される国の規範をいいます。 憲法は、国の権力を立法・行政・司法の3つに分ける三権分立を採用しており、 法律を制定することができる権利(立法権)を有するのは、国会だけです。

第41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

引用元│日本国憲法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

立法過程

では、法律が制定される過程をみていきましょう。 まず、法律のもととなる法律案が作成され、国会に提出されます。次に、衆議院と参議院の両院で可決されれば、法律が成立します。

また、両院で異なった議決をした場合には、各議院から選出された委員による両院協議会を開いて、意見の一致を図ることもあります。 さらに、参議院が法律案を否決したとしても、衆議院で3分の2以上が賛成して再可決されれば、法律が成立します。

第59条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

引用元│日本国憲法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ



第84条 法律案について、衆議院において参議院の回付案に同意しなかつたとき、 又は参議院において衆議院の送付案を否決し及び衆議院の回付案に同意しなかつたときは、衆議院は、両院協議会を求めることができる。

引用元│国会法- 衆議院

法律案の提出方法

法律案は誰が提出するのですか?
ヒツジ
ムートン先生
国会議員が提出する場合と、内閣が提出する場合の2パターンがあります。
この2つについて、詳しくみていきましょう。

法律案の提出には、2つのパターンがあります。
1つ目は、国会議員が、賛成者と連署して、その 議院の議長に提出するものです。これによって成立した法律を「議員立法」といいます。

2つ目は、内閣総理大臣が、衆議院または参議院の議長に提出するもの です。これによって成立した法律を「内閣立法」といいます。政府が作成した法律案を、 内閣が政府を代表して提出するため、「政府立法」ということもあります。

議員が法律案を提出するにあたっては、衆議院では20人以上、参議院では10人以上の賛成が必要です。 ただし、予算を伴う場合には、衆議院では50人以上、参議院では20人以上の賛成が必要になります。

第56条 議員が議案を発議するには、衆議院においては議員20人以上、参議院においては議員10人以上の賛成を要する。但し、予算を伴う法律案を発議するには、衆議院においては議員50人以上、参議院においては議員20人以上の賛成を要する。
2 議案が発議又は提出されたときは、議長は、これを適当の委員会に付託し、その審査を経て会議に付する。但し、特に緊急を要するものは、発議者又は提出者の要求に基き、議院の議決で委員会の審査を省略することができる。
3 委員会において、議院の会議に付するを要しないと決定した議案は、これを会議に付さない。但し、委員会の決定の日から休会中の期間を除いて7日以内に議員20人以上の要求があるものは、これを会議に付さなければならない。
4 前項但書の要求がないときは、その議案は廃案となる。
5 前2項の規定は、他の議院から送付された議案については、これを適用しない。

引用元│国会法-衆議院

内閣が法律案を提出するにあたっては、まず各省庁などで立案し、閣議で決定してから、 内閣総理大臣名で法律案を提出する、という流れを経ることになります。

内閣立法案は、国会に提出する前に与党の了承を受けるため、議員立法案よりも成立しやすい傾向にあり、成立する法律の多くが内閣立法です。 例えば、第201回の国会(常会、令和2年1月20日~6月17日)で成立した法律のうち約87%が、内閣立法です。

命令とは?

政令・省令・内閣府令の違いがわかりません。
ヒツジ
ムートン先生
いずれも命令の一種である点では同じです。
この3つは、制定する主体が異なります。

命令とは、行政機関が制定する規範をいいます。命令のうち、内閣が制定するものを「 政令」といい、 各省の大臣が制定するものを「省令」といいます。 さらに、内閣総理大臣が制定するものを「内閣府令」といいます。

政令│内閣が制定する規範
省令│各省の大臣が制定する規範
内閣府令│内閣総理大臣が制定する規範

政令は、法律から委任を受けて、法律では定めていない細部の事項を定めています。
省令は、法律や政令の規定に基づいて、法律や政令で規定していない細部の事項を定めています。
内閣府令も省令と同様に、法律や政令の規定に基づいて制定されますが、省令とは制定する主体が異なります。

第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
(1) 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
(3) 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
(4) 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
(5) 予算を作成して国会に提出すること。
(6) この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
(7) 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

引用元│日本国憲法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ



第12条 各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、 それぞれその機関の命令として省令を発することができる。
2 各外局の長は、その機関の所掌事務について、それぞれ主任の各省大臣に対し、案をそなえて、省令を発することを求めることができる。
3 省令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない。

引用元│国家行政組織法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ



(内閣総理大臣の権限)
第7条 内閣総理大臣は、内閣府の事務を統括し、職員の服務について統督する。
2 内閣総理大臣は、内閣府に係る主任の行政事務について、法律又は政令の制定、改正又は廃止を必要と認めるときは、案をそなえて、閣議を求めなければならない。
3 内閣総理大臣は、内閣府に係る主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、 又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、内閣府の命令として内閣府令を発することができる。
4 内閣府令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない。
5 内閣総理大臣は、内閣府の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる。
6 内閣総理大臣は、内閣府の所掌事務について、命令又は示達をするため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。
7 内閣総理大臣は、第3条第2項の任務を遂行するため政策について行政機関相互の調整を図る必要があると認めるときは、その必要性を明らかにした上で、関係行政機関の長に対し、必要な資料の提出及び説明を求め、並びに当該関係行政機関の政策に関し意見を述べることができる。

引用元│内閣府設置法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

今まで紹介した規範をまとめると、「法令」の中に「法律」と「命令」が含まれ、「命令」の中に「政令」や「省令」、「内閣府令」などが含まれることになります。
そして、政令は、行政機関が制定する命令の中では、最も優先する効力を有します。

法規命令と行政規則

まず、行政権が定める一般抽象的な定めを、行政立法といいます。
行政立法のうち、国民の権利義務に関する法規である定め法規命令、 そうでないものを行政規則といいます。 今まで述べてきた命令(政令・省令・内閣府令など)は、厳密にいうと、法規命令にあたるのが一般的です。

もっとも、法規命令と行政規則の区別は内容によるのであって、形式的な名称により区別されるものではありません。 そのため、法規命令の形式をとりながら行政規則の性質をもつものや、その逆のものもあります。重要なのは、形式的な名称ではなく、 国民の権利義務に関する定めであるか否かです。

次に、法規命令は、国民の権利義務に関するものであるため、無制限に認めると、国会を唯一の立法機関とする憲法41条に 抵触してしまいます。そこで、委任命令執行命令の2つの場合に限って、制定が認められています。

これに対して、行政規則は、法規たる性質を有しない(国民の権利義務に関しない)ため、法規命令と異なり法律の授権を 必要とせず、行政権の当然の機能として定めることができます。法律の授権を必要としないため、 行政規則に違反する行政行為も、当然にはその効力を妨げられることはありません。

委任命令と執行命令

国会が唯一の立法機関なのに、どうして行政機関も規範を定めることができるのですか?
ヒツジ
ムートン先生
良い質問ですね。その理由について知るためには、委任命令と執行命令について知る必要があります。

前述のように、法規命令は、委任命令と執行命令のみが認められています。委任命令は、法律その他の上位の命令の委任(法律の授権) を根拠として発せられるものです。 委任命令については、憲法上正面から認めた規定はありませんが、実際上の必要から認められています。また、憲法も、間接的にこれを予定しているとされています(憲法73条6号ただし書)。

執行命令は、上位の法令の実施に必要な具体的・個別的事項を定めるために発せられるものです。 執行命令については、憲法73条6号本文が正面から認めています。

第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
(1)~(5) 省略
(6) この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
(7) 省略

引用元│日本国憲法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

国会が唯一の立法機関とされている以上、国会の立法権を骨抜きにするような一般的・包括的・抽象的な委任は許されません。委任命令で規定できるのは、 法律の補充的規定や、法律の具体的・個別的・特例的規定、法律の解釈規定にとどまると考えられています。

また、上位法令の実施のために必要な限度を超えるものは無効であり、法律で特に個別具体的に委任した場合でなければ、行政立法で罰則を定めることもできません。

パブリックコメント

行政機関が政令や省令などを定めようとする際に、あらかじめその案を公表し、広く国民から意見、情報を募集する手続のことを、 パブリックコメント制度(意見公募手続制度)といいます。平成17年6月の行手法改正により法制化されました。

パブリックコメントは、行政機関が政令や省令などを定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行 政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としています。

行手法に基づくパブリックコメントの対象は、以下のとおりです。

政令 憲法及び法律の規定を実施するために内閣が制定する命令
府省令 各府省の大臣が、主任の行政事務について制定する命令
処分の要件を定める告示 国の行政機関が決定した事項などを広く一般に知らせるためのもののうち、処分の要件を定めるもの
審査基準 申請に対して許可などをするかどうかを法令の規定に従って判断するために必要な具体的な基準
処分基準 不利益処分をするかどうか、どのような不利益処分とするかについて法令の規定に従って判断するために必要な具体的な基準
行政指導指針 同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとする際に、各行政指導に共通する内容

もっとも、行手法3条、4条、39条4項各号に該当する命令などは、例外的に、行手法の規定に従ったパブリックコメントを実施しなくてもよいこととされています。

適用除外
1 省略
2 次に掲げる命令等を定める行為については、第6章の規定は、適用しない。
(1) 法律の施行期日について定める政令
(2) 恩赦に関する命令
(3) 命令又は規則を定める行為が処分に該当する場合における当該命令又は規則
(4) 法律の規定に基づき施設、区間、地域その他これらに類するものを指定する命令又は規則
(5) 公務員の給与、勤務時間その他の勤務条件について定める命令等
(5) 審査基準、処分基準又は行政指導指針であって、法令の規定により若しくは慣行として、又は命令等を定める機関の判断により公にされるもの以外のもの
3 第1項各号及び前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(前条第七号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、次章から第6章までの規定は、適用しない。

(国の機関等に対する処分等の適用除外
第4条 国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る。)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この法律の規定は、適用しない。
2・3 省略
4 次に掲げる命令等を定める行為については、第6章の規定は、適用しない。
(1) 国又は地方公共団体の機関の設置、所掌事務の範囲その他の組織について定める命令等
(2) 皇室典範(昭和22年法律第3号)第26条の皇統譜について定める命令等
(3) 公務員の礼式、服制、研修、教育訓練、表彰及び報償並びに公務員の間における競争試験について定める命令等
(4) 国又は地方公共団体の予算、決算及び会計について定める命令等(入札の参加者の資格、入札保証金その他の国又は地方公共団体の契約の相手方又は相手方になろうとする者に係る事項を定める命令等を除く。)並びに国又は地方公共団体の財産及び物品の管理について定める命令等(国又は地方公共団体が財産及び物品を貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、信託し、若しくは出資の目的とし、又はこれらに私権を設定することについて定める命令等であって、これらの行為の相手方又は相手方になろうとする者に係る事項を定めるものを除く。)
(5) 会計検査について定める命令等
(6) 国の機関相互間の関係について定める命令等並びに地方自治法(昭和22年法律第67号)第2編第11章に規定する国と普通地方公共団体との関係及び普通地方公共団体相互間の関係その他の国と地方公共団体との関係及び地方公共団体相互間の関係について定める命令等(第1項の規定によりこの法律の規定を適用しないこととされる処分に係る命令等を含む。)
(7) 第2項各号に規定する法人の役員及び職員、業務の範囲、財務及び会計その他の組織、運営及び管理について定める命令等(これらの法人に対する処分であって、これらの法人の解散を命じ、若しくは設立に関する認可を取り消す処分又はこれらの法人の役員若しくはこれらの法人の業務に従事する者の解任を命ずる処分に係る命令等を除く。)

意見公募手続
第39条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。
2・3 省略
4 次の各号のいずれかに該当するときは、第1項の規定は、適用しない
(1) 公益上、緊急に命令等を定める必要があるため、第1項の規定による手続(以下「意見公募手続」という。)を実施することが困難であるとき。
(2) 納付すべき金銭について定める法律の制定又は改正により必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法についての命令等その他当該法律の施行に関し必要な事項を定める命令等を定めようとするとき。
(3) 予算の定めるところにより金銭の給付決定を行うために必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法その他の事項を定める命令等を定めようとするとき。
(4) 法律の規定により、内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法第3条第2項に規定する委員会又は内閣府設置法第37条若しくは第54条若しくは国家行政組織法第8条に規定する機関(以下「委員会等」という。)の議を経て定めることとされている命令等であって、相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として、法律又は政令の規定により、これらの者及び公益をそれぞれ代表する委員をもって組織される委員会等において審議を行うこととされているものとして政令で定める命令等を定めようとするとき。
(5) 他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等を定めようとするとき。
(6) 法律の規定に基づき法令の規定の適用又は準用について必要な技術的読替えを定める命令等を定めようとするとき。
(7) 命令等を定める根拠となる法令の規定の削除に伴い当然必要とされる当該命令等の廃止をしようとするとき。
(8) 他の法令の制定又は改廃に伴い当然必要とされる規定の整理その他の意見公募手続を実施することを要しない軽微な変更として政令で定めるものを内容とする命令等を定めようとするとき。

引用元│行政手続法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

条例とは?

条例とは、地方自治体が定める地方の規範をいいます。
政令などと同様に、法律の範囲内でしか定めることができません。憲法94条、地方自治法14条などに基づいて、地方公共団体が、法令の範囲内で、議会の議決により制定します。
地方公共団体が義務を課し、または権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならないとされています。

第94条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

引用元│日本国憲法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ



第2条
1 省略
2 普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。
3~17 省略

第14条 普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第2条第2項の事務に関し、条例を制定することができる。
2 普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。
3 普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、2年以下の懲役若しくは禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。

引用元│地方自治法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

その他(判例、通達、ガイドラインなど)

ここまでみてきたのが「法令」ですよね。
他に法令にと似たようなものはありますか?
ヒツジ
ムートン先生
法的拘束力を有する法令とは異なりますが、法令と似たようなものとして、判例、通達、ガイドラインなどが挙げられます。

判例

判例とは、裁判の先例をいいます。最高裁判所の先例を「判例」、それ以外の裁判所(下級裁判所)の先例を「裁判例」というように、言葉を使い分けることもあります。三審制を採用する日本では、最高裁判所の判断が特に重要だからです。

日本では、判例に法的な拘束力はありませんが、裁判所の判断に統一性がないと、どのような場合にどのような判決が下されるのかを予想することができず、国民の行動が萎縮してしまいます。
そこで、裁判所の判断の統一性を確保するために、最高裁の判例に違反する場合には、上告受理の申立てをすることができるとされています。

(上告受理の申立て)
第318条 上告をすべき裁判所が最高裁判所である場合には、最高裁判所は、原判決に最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは 控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある事件その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件について、申立てにより、決定で、 上告審として事件を受理することができる。
2 前項の申立て(以下「上告受理の申立て」という。)においては、第312条第1項及び第2項に規定する事由を理由とすることができない。
3 第1項の場合において、最高裁判所は、上告受理の申立ての理由中に重要でないと認めるものがあるときは、これを排除することができる。
4 第1項の決定があった場合には、上告があったものとみなす。この場合においては、第320条の規定の適用については、上告受理の申立ての理由中前項の規定により排除されたもの以外のものを上告の理由とみなす。
4 第313条から第315条まで及び第316条第1項の規定は、上告受理の申立てについて準用する。

引用元│民事訴訟法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

このような制度の下では、最高裁はもちろん、下級裁判所も、原則として、最高裁の先例(狭い意味での判例)にしたがった判断を下します。そのため、実務上も、判例に沿った運用がなされるのです。
このように、判例には、法的拘束力はありませんが、事実上の拘束力があるといえます。

通達

通達は、一般的に国民の権利義務に関しない行政規則にあたります。通達は、下級行政機関または職員の職務運営の細目的事項や法令の 解釈・運用の方針などに関する示達事項などを内容とする場合が多く、結果的には、下級行政機関及び職員を拘束するため、事実上は命令のような性質を有します。

第14条
1 省略
2 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達をするため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。

引用元│国家行政組織法- e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

ガイドライン

ガイドラインは、行政機関の判断基準を示したものであり、法的拘束力を有しません。 しかし、行政機関はガイドラインに沿った判断を行うため、事実上の拘束力があるといえます。

法令の読み方

法令の定義は分かったのですが、それではどのように法令を読めばいいのでしょうか?
ヒツジ
ムートン先生
お待たせしました。ここからは法令の読み方のコツなどを見ていきましょう。

覚えておきたい法令用語

例えば、日常用語では、「及び」と「並びに」を同じ意味で用いることが多いですが、法令上は、厳密な使い分けがなされています。
法令を正しく読み解くためには、このような法令用語を理解する必要があります。ここでは、主な法令用語をご紹介します。

「及び」と「並びに」 どちらも”and”(併合的接続詞)を意味します。単純に併合的な意味を示すには「A及びB」と表します。
併合的接続が二段階になる場合には、 「並びに」も登場し、「及び」は一番小さな接続だけで使います。接続が三段階以上の場合は、一番小さい接続に「及び」を使い、それ以外は「並びに」を使います。
例えば、「A及びB並びにC」という文章は、A・BグループとCとを繋いでいます。
「又は」と「若しくは」 どちらも”or”(選択的接続詞)を意味します。単純に選択肢を示すには「A又はB」と表します。選択的接続が二段階以上になる場合には、 「若しくは」も登場し、小さい接続の方に「若しくは」を使い、大きな接続の方に「又は」を使います。
接続が三段階以上の場合は、一番大きい接続に「又は」を使い、それ以外は「若しくは」を使います。
例えば、「A又はB若しくはC」という文章は、AとB・Cグループの選択肢を示しています。
「場合」・「とき」・「時」 「場合」と「とき」は、どちらも仮定的条件を示します。仮定的条件が二つ重なる場合には、大きい方の条件には「場合」を、小さい方の条件には「とき」を使います。 「時」は、文字通り、一定の時点や時間を示す場合に使われます。
例:
民法6条第2項
前項の場合 において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。
民法97条第1項 
意思表示は、その通知が相手方に到達したからその効力を生ずる。
「その他の」と「その他」 「A、B、その他のC」という文章では、AとBはCの例示としての役割を果たしています。つまり、Cの中にAとBが含まれる関係です。
これに対して、「A、Bその他C」という文章では、A、BとCは並列の関係にあります。
例:
民法175条 
物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない。
民法447条
保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
「推定する」と「みなす」 「推定する」は、事実が不明である場合などに、法令が一定の事実の状態にあるものとして、一応取扱い、法的 効果を生じさせようとするものです。当事者がこれとは異なる取扱いをする合意をしている場合や異なる事実が明らかになった場合には、その推定を否定することができます。
これに対して、「みなす」は、法令の適用に関する一種の擬制であり、反証が許されません。すなわち、当事者がこれと異なる取扱い をする合意をしていたり、異なる事実が明らかになったとしても、みなされた効果が覆ることはありません。
直ちに」・「遅滞なく」・「速やかに」 いずれも「急いで行うべき」ことを示しています。急いでいる順番でいうと、「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」となります。
「善意」と「悪意」 「善意」とは、ある事実を「知らない」状態を指します。
これに対して、「悪意」とは、ある事実を「知っている」状態を指します。
日常的に使われる「善意」「悪意」とは意味が異なるので注意が必要です。

法令の読み方のコツ

法令を読もうと思っても、長くて大変です。
ヒツジ
ムートン先生
法令の読み方のコツは、長い文章を分解することです。分解する方法について、説明していきます。

では、実際に法令を読んでみましょう。ここでは、改正によって新設された特許法102条の2(2020年10月1日施行) を題材にしながら、法令の読み方のコツをお伝えします。

(査証人に対する査証の命令)
第105条の2
1 裁判所は、特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、立証されるべき事実の有無を判断するため、相手方が所持し、 又は管理する書類又は装置その他の物(以下「書類等」という。)について、確認、作動、計測、実験その他の措置をとることによる証拠の収集が必要であると認められる場合において、 特許権又は専用実施権を相手方が侵害したことを疑うに足りる相当な理由があると認められ、かつ、申立人が自ら又は他の手段によつては、当該証拠の収集を行うことができないと見込まれるときは、 相手方の意見を聴いて、査証人に対し、査証を命ずることができる。 ただし、当該証拠の収集に要すべき時間又は査証を受けるべき当事者の負担が不相当なものとなることその他の事情により、相当でないと認めるときは、この限りでない。
2 査証の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
(1) 特許権又は専用実施権を相手方が侵害したことを疑うに足りる相当な理由があると認められるべき事由
(2) 査証の対象とすべき書類等を特定するに足りる事項及び書類等の所在地
(3) 立証されるべき事実及びこれと査証により得られる証拠との関係
(4) 申立人が自ら又は他の手段によつては、前号に規定する証拠の収集を行うことができない理由
(5) 第105条の2の4第2項の裁判所の許可を受けようとする場合にあつては、当該許可に係る措置及びその必要性
3 裁判所は、第1項の規定による命令をした後において、同項ただし書に規定する事情により査証をすることが相当でないと認められるに至つたときは、その命令を取り消すことができる。
4 査証の命令の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。

引用元│特許庁ウェブサイト「特許法等の一部を改正する法律(令和元年5月17日法律第3号)新旧対照表」

条・項・号

条文は条・項・号の順番で書かれています。

法令の全体像を把握する際は、まず「条」から見ていきましょう。
題材として取り上げた特許法102条の2は、特許法という法律の中の一つの条文です。タイトル部分を見れば、その条文が何を定めているのかがわかります。この条文のタイトルは「査証人に対する査証の命令」ですね。 なお、「~の2」という条文の名前になっているのは、この条文が新しく追加されたものだからです。

次に、「項」をみていきましょう。
特許法102条の2には、全部で4つの項があることがわかります。1項は長いので、保留とします。2項は書面の記載事項について、3項は裁判所の命令の取消しについて、4項は即時抗告について定めたものであることがわかります。

最後に、「号」をみていきましょう。
特許法102条の2第2項に、5つの号が並んでいます。2項は書面の記載事項について定めた条文であるため、この5つについて記載すればよいことがわかります。 なお、2項のうち「査証の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。」との部分は、柱書といいます。

本文・ただし書

では、最も長くて難解な特許法102条の2第1項を紐解いていきましょう。

この項は、2つの文章になっています。このように、後半が「ただし」から始まる文章のことを「ただし書」といい、前半を「本文」といいます。 本文は原則を、ただし書は例外を示しています。 なお、2つの文章からなる項であっても、後半が「ただし」から始まらないものは、前半を「前段」、後半を「後段」といいます。

本文(原則) 裁判所は、特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、立証されるべき事実の有無を判断するため、 相手方が所持し、 又は管理する書類又は装置その他の物(以下「書類等」という。)について、確認、作動、計測、実験その他の措置をとる ことによる証拠の収集が必要であると認められる場合において、 特許権又は専用実施権を相手方が侵害したことを疑うに足りる相当な理由があると認め られ、かつ、申立人が自ら又は他の手段によつては、当該証拠の収集を行うことができないと見込まれるときは、 相手方の意見を聴いて、査証人に対し 、査証を命ずることができる。
ただし書(例外) ただし、当該証拠の収集に要すべき時間又は査証を受けるべき当事者の負担が不相当なものとなること その他の事情により、相当でないと認めるときは、この限りでない。

主語・述語

次に、本文の主語と述語に着目しましょう。

基本的に、主語は最初に、述語は最後に書かれています。
特許法102条の2第1項では、「裁判所」が主語であり、「相手方の意見を聴いて、査証人に対し、査証を命ずることができる。」が述語であることがわかります。 これで、だいぶ整理されてきました。

要件・効果

最後に、要件と効果に分類しましょう。

多くの条文は、「~の場合には、~できる。」というように、要件と効果からなっています。特許法102条の2第1項では、「裁判所は、…相手方の意見を聴いて、査証人に対し、 査証を命ずることができる。」が効果であり、それ以外が要件であることがわかります。 主語と述語を構成する部分が通常は効果となります。

さらに、要件を分解すると、以下のように整理できます。

本文(原則) 主語 裁判所は、
前提 特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより*、
要件① 立証されるべき事実の有無を判断するため、相手方が所持し、又は管理する書類又は装置その他の物(以下「書類等」という。) について、確認、作動、 計測、実験その他の措置をとることによる証拠の収集が必要であると認められる場合において、
要件② 特許権又は専用実施権を相手方が侵害したことを疑うに足りる相当な理由があると認められ、かつ、
要件③ 申立人が自ら又は他の手段によつては、当該証拠の収集を行うことができないと見込まれるときは、
効果(述語) 相手方の意見を聴いて*、査証人に対し、査証を命ずることができる。
ただし書(例外) 要件④ ただし、当該証拠の収集に要すべき時間又は査証を受けるべき当事者の負担が不相当なものとなることその他の事情により、 相当でないと認めるときは、この限りでない。

*「特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟において」「当事者の申立てにより」「相手方の意見を聴いて」も厳密には要件に分類されます。

これで、難解な特許法102条の2第1項を紐解くことができました。以上で実践してきたように、法令の読み方のコツは、長い文章を分解することなのです。

まとめ

・法令は、国会が制定する「法律」と、行政機関が制定する「命令」からなる。
・命令には、政令・省令・内閣府令などがある。
・法令を正しく読み解くためには、法令用語を知る必要がある。
・法令を読み解くコツは、「条・項・号」や「本文・ただし書」、「主語・述語」、「要件・効果」に分解すること。

参考文献

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