コンプライアンスを推進する企業が
行うべき研修とは?
主なテーマやネタ・実施時のポイントを
分かりやすく解説!

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【2026年度版】コンプライアンス概論研修資料
この記事のまとめ

企業がコンプライアンスを推進するに当たっては、従業員向けのコンプライアンス研修を適切に実施することが大切です。人事・労務、情報セキュリティ、知的財産権、AI利用など、幅広いテーマを取り上げながら従業員のコンプライアンス意識を高めましょう。

コンプライアンス研修においては、受講者に合わせて研修内容を設計し、かつ実際の事例やケーススタディを取り入れると理解度の向上に繋がります。研修後に理解度の確認やフォローアップを行い、継続的・定期的に研修を実施すれば、知識の定着がいっそう期待できるでしょう。

この記事では企業が実施すべきコンプライアンス研修について、主なテーマや実施時のポイントなどを解説します。

ヒー

コンプライアンス研修の計画を立てたいと思います、他社はどんな研修を行っているんでしょうか?

ムートン

最近はハラスメントや法令遵守のほか、情報セキュリティやAI利用などの理解も必要になっています。一般的な研修のテーマと内容を紹介します。

※この記事は、2026年7月21日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。

※この記事では、法令名を次のように記載しています。

  • ・男女雇用機会均等法…雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
  • ・労働施策総合推進法…労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律
  • ・取適法…製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律
  • ・フリーランス法…特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律

コンプライアンス研修とは

コンプライアンス研修」とは、法令などの社会規範の遵守を意味する「コンプライアンス」に関する研修です。従業員が適切に業務を遂行できるように、コンプライアンスに関する知識のインプットや注意喚起を行うことを目的としています。

コンプライアンスとは

コンプライアンス(compliance)」とは、法令などの社会規範を遵守することを意味します。

企業が事業を行うに当たっては、さまざまな社会規範を遵守することが求められます。一例として、次に挙げる社会規範を遵守しなければなりません。

社会規範の例

・法令(法律、政令、府省令、条例など)
・ガイドライン
・社内規程
・企業倫理
・社会的な道徳
など

これらの社会規範を遵守することは、企業が社会における信頼を獲得するために必要不可欠です。特に近年では、SNS等によって社会の企業に対する監視が強化されているため、コンプライアンスの重要性がますます高まっています。

コンプライアンス研修の目的

コンプライアンス研修の目的は、従業員などの受講者に対し、コンプライアンスに対する知識のインプットや注意喚起を行うことにあります。

従業員が適切に業務を遂行するためには、どのようなルールを遵守すべきなのか、発生しやすい違反行為にはどのようなものがあるのかなどを知っておくことが大切です。定期的に実施するコンプライアンス研修は、従業員の知識や意識をアップデートするよい機会となります。

また、コンプライアンス研修の目的は、受講者が誰であるかによっても異なります。

例えば営業担当者向けのコンプライアンス研修では、営業行為に適用される法令や社内規程のルール、営業の中で起こりやすいコンプライアンス違反の具体例などを取り上げることが考えられます。
管理職向けのコンプライアンス研修では、労働時間の管理や部下に対する接し方など、マネジメントに関する要素を含めるのがよいでしょう。

コンプライアンス研修を実施する際には、受講者に求める行動を具体的に想定したうえで、それを効果的に伝えられるような内容を検討することが大切です。

コンプライアンス研修の主なテーマ|おすすめのネタとそれぞれのポイント

コンプライアンス研修のテーマは多種多様ですが、例えば次のようなテーマが挙げられます。

① 人事・労務|労働基準法・就業規則・ハラスメントなど
② 情報セキュリティ|個人情報や営業秘密の保護など
③ 知的財産権|著作権侵害の防止・対応など
④ AI利用|生成AI活用時の注意点など
⑤ 取引先との関係|契約管理・取適法・フリーランス法など
⑥ 内部通報制度|通報の対象や方法・窓口など
⑦ 新入社員向け|コンプライアンスの基礎知識やSNS利用時のルールなど
⑧ 管理職向け|部下への接し方・上層部や他部署との連携など

人事・労務|労働基準法・就業規則・ハラスメントなど

労働基準法では、従業員の労働条件に適用されるルールが定められています。例えば労働時間・休憩・休日・有給休暇などが挙げられます。
労働基準法は原則としてすべての従業員に適用されるので、管理職や人事担当者はもちろん、社内全体向けのコンプライアンス研修においても有力なテーマの一つです。

また、就業規則の内容を周知することも、コンプライアンス研修のテーマになり得ます。服務規律や懲戒規程、副業・兼業に関するルールの解説などを盛り込むとよいでしょう。

さらに近年では、セクハラ・パワハラ・マタハラ・カスハラなどのハラスメントの防止も、企業にとって重要な課題となっています。男女雇用機会均等法や労働施策総合推進法では、企業に対してこれらのハラスメントの防止措置を講ずる義務を課しています(カスハラは2026年10月1日から)。
どのような行為がハラスメントに当たるのか、ハラスメントをしないために注意すべきポイントは何かなどを、コンプライアンス研修の中で取り上げてみましょう。

情報セキュリティ|個人情報や営業秘密の保護など

情報漏えいは、企業に大きな損害を及ぼすコンプライアンス違反の代表例です。

外部からのサイバー攻撃だけでなく、メールの誤送信や記録媒体の紛失、クラウド保存の誤設定などの社内における人為的ミスによっても、情報漏えいは発生するおそれがあります。
このようなミスを防ぐため、適切な情報管理の方法やメール送信時の注意点などを、コンプライアンス研修の一環として取り上げるとよいでしょう。

知的財産権|著作権侵害の防止・対応など

著作権商標権特許権意匠権などの知的財産権に関する知識がないと、気づかないうちに他人の知的財産権を侵害してしまうおそれがあります。
どのような行為が知的財産権侵害に当たるのか、他人の創作物を利用する際には何に注意すべきなのかなどを、コンプライアンス研修を通じて従業員にインプットしましょう。

また、自社の知的財産権が他人に侵害される事態も想定しておく必要があります。コンプライアンス研修では、自社の知的財産権が侵害されているのを発見した場合の対応フローなどにも言及するとよいでしょう。

AI利用|生成AI活用時の注意点など

最近急速に普及した生成AIは便利である一方、利用に当たってはさまざまなリスクに注意しなければなりません。例えば、入力した情報が意図せず外部に流出するリスクや、誤った回答が出力されるリスク(ハルシネーション)、許可されていない生成AIを利用するシャドーAIのリスクなどが懸念されます。

コンプライアンス研修では、業務における生成AIの利用に当たって遵守すべきルールを取り上げて、従業員に適切な利用を促しましょう。

取引先との関係|契約管理・取適法・フリーランス法など

取引先との関係についてのコンプライアンスは、営業部門や調達部門、契約書の作成・審査に関与する法務部門など、幅広い部署に関わる重要なテーマです。

特に契約管理は、社内全体向けのコンプライアンス研修においてふさわしいテーマの一つといえます。契約交渉の際に留意すべき事項や、締結した契約の管理方法などを取り上げましょう。

また、特に業務委託などを利用する企業においては、委託先との関係で取適法フリーランス法を遵守することも求められます。発注者が遵守すべき取適法やフリーランス法のルールや、違反を犯さないための注意点なども、コンプライアンス研修の中で取り上げるとよいでしょう。

内部通報制度|通報の対象や方法・窓口など

コンプライアンス違反を早期に発見して対処するためには、社内または社外に通報窓口を設置する「内部通報制度」の導入が効果的です。

内部通報制度を導入した場合は、従業員に対して通報窓口の存在を知らせる(周知する)必要があります。また、通報者に対して解雇その他不利益な取扱いをしないことを徹底することも重要です。これらの事項を従業員に対して周知する場として、コンプライアンス研修を活用するとよいでしょう。

新入社員向け|コンプライアンスの基礎知識やSNS利用時のルールなど

新入社員は社会人経験が少ないことが多いため、コンプライアンスの基本的な考え方や、企業人として求められる行動規範を理解してもらうことが重要です。情報管理社内規程勤務時間経費精算のルール、ハラスメント防止など、日常の業務に関わるテーマを幅広く取り上げるとよいでしょう。

特にSNSの利用方法は、プライベートの場面を含めて、不適切な利用をしないように注意喚起をすることが大切です。実際の炎上事例も紹介しながら解説すると、新入社員の理解を促すことができます。

管理職向け|部下への接し方・上層部や他部署との連携など

管理職は部下を指導・監督する立場であるため、マネジメントに関するコンプライアンスを理解しておくことが求められます。

部下の指導・監督に関しては、ハラスメント防止労働時間の管理メンタルヘルス不調の相談を受けた際の対応などを取り上げるとよいでしょう。
また、問題が発生した際には自分だけで対応せず、経営陣や人事部門・法務部門・コンプライアンス部門などと連携することの重要性も、コンプライアンス研修の中でインプットする必要があります。

コンプライアンス研修を効果的に実施するためのポイント

コンプライアンス研修を通じて、従業員の知識定着や意識向上を促すためには、次のポイントに留意しつつ研修内容を検討するとよいでしょう。

① 受講者に合わせて研修内容を設計する
② 実際の事例やケーススタディを取り入れる
③ 研修後に理解度の確認やフォローアップを行う
④ 継続的・定期的に研修を実施する

受講者に合わせて研修内容を設計する

コンプライアンス研修の内容は、受講者の業務内容や立場などに応じて設計することが大切です。

例えば、新入社員にはコンプライアンスの基礎知識を幅広く教える一方で、管理職向けにはマネジメントに必要な内容を重点的に取り上げると効果的です。また、営業・法務・経理・システムなどの職種に応じて、それぞれの業務に特有のリスクを踏まえた研修を実施することも考えられます。

受講者が「自分の業務に関係がある」と感じられるような研修を行えば、コンプライアンスに関する理解や意識の定着につながります。

実際の事例やケーススタディを取り入れる

実際に起きた不祥事裁判例ケーススタディなどを取り入れると、受講者は「自分ならどう対応するか」を考えながら学ぶことができます。受講者の理解を促すため、具体例を交えながらコンプライアンスに関する知識や注意点を分かりやすく伝えましょう。

研修後に理解度の確認やフォローアップを行う

コンプライアンス研修は、必ずすべての対象者が受講を完了するよう、受講管理を行うことが必要です。また、実施して終わりではなく、そこで得た知識や意識を業務に活かすことが重要です。受講者の理解度を確認し、不足している場合はさらなる理解を促すため、研修後に確認やフォローアップを行うとよいでしょう。

研修内容の定着度を確認する方法としては、確認テストを課すことなどが考えられます。
また、研修後定期的にeラーニングによる復習を行えば、長期間にわたってコンプライアンスの知識や意識を維持できます。研修で取り上げたテーマにつき、最新の法改正や社内事例を受講者に共有することも効果的です。

継続的・定期的に研修を実施する

コンプライアンスを企業全体に定着させるためには、継続的・定期的に研修を実施することが大切です。

何度も繰り返し研修を行うことで、従業員のコンプライアンスに関する知識や意識は確実に定着します。また、法令などの社会規範は常にアップデートされていく中で、最新のルールや注意点にキャッチアップすることもできます。

コンプライアンス研修の実施にはコストがかかるものの、できれば3カ月~半年に1回程度、少なくとも1年に1回程度は実施することが望ましいです。
また、重要な法改正や不祥事などが発生した際には、臨時的にコンプライアンス研修を実施して注意喚起をすると、不祥事のリスクを防ぎやすくなります。

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