【2026年10月施行】
パート・有期雇用労働者のルール改正のポイント
|3つの変更点と企業の実務対応
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- この記事のまとめ
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2026年10月1日から、パートタイム・有期雇用労働法関係の改正により、非正規雇用労働者の公正な待遇確保を一層進める枠組みが整備されます。
改正の柱は、次の3つです。
①雇入れ時の労働条件通知書への「待遇差について説明を求めることができる旨」の追記義務化
②同一労働同一賃金ガイドラインで賞与・退職手当・各種手当・休暇等の考え方を具体化
③雇用管理指針で福利厚生利用や正社員転換、説明方法などの取組内容が充実したこと企業は施行に向けて、労働条件通知書のひな形を見直すとともに、正社員との待遇差やその理由を改めて確認しておくことが大切です。必要に応じて、就業規則・賃金規程の見直しや、待遇差について説明を求められた場合の窓口・対応方法も整理しておきましょう。
今回の改正を単なる法令対応で終わらせるのではなく、自社の待遇や評価のあり方を見直す機会として活用することで、従業員の納得感や働きやすさを高め、人材の定着にもつなげていきましょう。
※この記事は、2026年8月25日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。
※この記事では、法令名等を次のように記載しています。
- ・パートタイム・有期雇用労働法、法…短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律
- ・パートタイム・有期雇用労働法施行規則…短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則
目次
2026年10月施行|パート・有期雇用労働者に関するルール改正の背景と概要
2026年10月1日から、パートタイム・有期雇用労働法に関する新たなルールがスタートします。
今回の改正では、企業に対して、パートタイム・有期雇用労働者への労働条件の明示や待遇差に関する説明・周知、雇用管理などについて、新たな対応や見直しが求められます。
人事労務担当者としては、「具体的に何が変わるのか」「自社ではどのような対応が必要なのか」を、施行前に確認しておくことが大切です。
本記事では、今回の改正の背景や主な変更点を整理したうえで、2026年10月1日の施行に向けて企業が準備しておきたいポイントを分かりやすく解説します。
非正規雇用労働者の現状とパートタイム・有期雇用労働法の適用
日本では、パートタイム労働者や有期雇用労働者などの非正規雇用労働者が、雇用者全体の約4割を占めています。人手不足が続くなか、非正規雇用労働者は、企業にとって欠かせない存在となっています。
一方で、正社員などの通常の労働者との間には、基本給や賞与、各種手当、福利厚生など、待遇面での差が残っています。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、正社員の賃金を100とした場合、フルタイムで働く非正規雇用労働者の賃金水準は令和7年時点で67.4となっており、依然として大きな差がみられます。
こうした状況のなか、雇用形態にかかわらず、一人ひとりが能力を発揮し、待遇に納得感を持って働ける環境を整えることが、これまで以上に重要になっています。
不合理な待遇差や差別的取扱いを禁止するパートタイム・有期雇用労働法はすでに施行されており、大企業には2020年4月から、中小企業には2021年4月から全面的に適用されています。
今回の改正は、これまでのルールを大きく作り替えるというよりも、公正な待遇を確保するための仕組みをより実効性のあるものにするための見直しといえます。
同一労働同一賃金の基本ルールと今回の改正ポイント
「同一労働同一賃金」の基本となるのが、パートタイム・有期雇用労働法8条の「均衡待遇」と、9条の「均等待遇」という2つの考え方です。似た言葉ですが、内容は次のように異なります。
- 均衡待遇と均等待遇
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均衡待遇
待遇ごとの性質・目的に照らして、①職務内容(業務内容・責任の程度)、②職務内容・配置の変更範囲、③その他の事情(職務の成果、能力、経験、労使交渉の経緯など)のうち適切な事情を考慮したうえで、正社員との間に不合理な待遇差を設けることを禁止するルールです。均等待遇
①職務内容と②職務内容・配置の変更範囲がいずれも正社員と同じ場合に、正社員と比べて差別的な取扱いをすることを禁止するルールです。
また、パートタイム・有期雇用労働者は、正社員との待遇の相違の内容・理由や、待遇決定に当たって考慮した事項について、事業主に説明を求めることができます(法14条2項)。
ところが、実際にはこの仕組みが十分に活用されているとはいえません。ルールの内容まで詳しく知っている労働者は全体の約3分の1にとどまり、実際に会社へ説明を求めたことがある労働者はわずか8.0%でした。
説明を求めなかった理由としては、「説明を求めることができることを知らなかった」(6.6%)のほか、「不利益な取扱いをされる恐れがある」(8.2%)、「説明を求めやすい雰囲気がない」(12.1%)といった声も挙がっています。
| 参考:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン等の改正内容について(パートタイム・有期雇用労働法関連)」10、11、13頁 |
つまり、法律上は説明を求めることができても、制度を知らなかったり、会社に聞きづらかったりすることで、実際にはその権利を十分に使えていないという課題があるのです。
こうした課題を踏まえ、待遇差に関する説明の仕組みをより実効性のあるものとするため、2026年10月1日から新たな制度改正が施行されます。
今回の改正のポイントは、大きく次の3つです。
1|雇入れ時の労働条件明示事項の追加(省令改正)
2|同一労働同一賃金ガイドラインの改正(厚生労働省告示第203号)
3|雇用管理指針の改正(厚生労働省告示第202号)
ここからは、それぞれ何が変わるのか、企業にはどのような対応が求められるのかを順番に見ていきましょう。












