コンプライアンス違反によって
企業が受ける影響は?
事例・注意すべきリスクや
とるべき対応を分かりやすく解説!

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この記事のまとめ

法令などの社会規範に背く「コンプライアンス違反」が社内で発生すると、企業イメージの低下や損害賠償、行政処分や刑事罰などのリスクを負ってしまいます。
特に粉飾決算や横領、労働基準法違反、個人情報の漏えいといったコンプライアンス違反は、企業にとって甚大な悪影響をもたらすおそれがあるので要注意です。

企業においては、コンプライアンス違反の発生をできる限り防ぎつつ、万が一違反が発生したら速やかに収拾することが求められます。
社内規程の整備やコンプライアンス研修による違反の予防、内部通報制度による早期発見、事前に定めた手順に沿った迅速・適切な違反対応などに努めましょう。

この記事では、コンプライアンス違反によって企業が受ける影響、企業が注意すべきリスクやとるべき対応などを解説します。

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コンプライアンス違反が起きると、企業にはどのような影響がありますか?

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行政処分や損害賠償だけでなく、信用の低下や取引への影響も生じ得ます。防止策も確認しましょう。

※この記事は、2026年9月30日に執筆され、同時点の法令等に基づいています。

※この記事では、法令名を次のように記載しています。

  • ・景品表示法…不当景品類及び不当表示防止法

コンプライアンス違反とは?

「コンプライアンス」とは、事業者が社会規範を遵守することをいいます。法令をはじめとして、社内規程・契約・企業倫理なども遵守すべき社会規範に含まれます。

事業者が社会規範に背いた行動をすることは「コンプライアンス違反」と呼ばれます。粉飾決算や横領、労働基準法違反、個人情報の漏えいなどは、コンプライアンス違反の典型例です。

コンプライアンス違反が生じた場合、企業イメージの低下や損害賠償、行政処分や刑事罰などのリスクが伴います。事業者はこれらのリスクを防ぐため、コンプライアンスを徹底することが重要です。

コンプライアンス違反によって企業に生じる主な影響

コンプライアンス違反が社内で発生すると、企業は次に挙げる悪影響を受けてしまうおそれがあります。

① 企業イメージの低下|収益減少や人材採用の難航につながり得る
② 損害賠償責任などを負う
③ 取引先に契約を解除される
④ 行政処分を受ける
⑤ 刑事罰を受ける

企業イメージの低下|収益減少や人材採用の難航につながり得る

コンプライアンス違反が発生した場合、その内容や重要度、企業の規模や注目度などによっては、報道やSNSを通じて違反事実が拡散されることがあります。また、監督官庁によって違反の事実が公表されるケースもあります。

コンプライアンス違反の事実が社会的に広まると、企業イメージの低下は避けられません。その結果、顧客離れが生じて収益が減少したり、入社に関する応募が減少して新規人材を採用しにくくなったりするおそれがあります。

損害賠償責任などを負う

企業がコンプライアンス違反によって他人に損害を及ぼした場合は、その損害を賠償する責任などを負う可能性があります。

例えば、製造した商品の欠陥によって購入者や利用者がけがをした場合は、製造物責任に基づいて損害を賠償しなければなりません。他人の著作権を侵害した場合は、差止請求や損害賠償を受けるおそれがあります。

損害賠償責任などを巡って他人(他社)との争いが生じた場合、その対応に多大なコストを要するほか、敗訴または不利な条件での和解となれば経済的に大きな損害も生じてしまいます。

取引先に契約を解除される

コンプライアンス違反に起因して、取引先に契約を解除されるケースもあります。

例えば、コンプライアンス違反によって資金繰りが悪化し、取引先に対する支払いが滞った場合は、契約違反(債務不履行)を理由に契約を解除される可能性が高いです。
また、コンプライアンス違反のために行政処分を受けたことや、企業イメージの低下によって取引の継続に支障を来したことなどが、解除事由として契約に定められている場合もあります。

特に、重要な取引に関する契約を解除されてしまうと、収支が一挙に悪化して事業の存続が危うくなることもあり得るので要注意です。

行政処分を受ける

企業が事業者に適用される法令に違反した場合は、監督官庁から行政処分を受ける可能性があります。

例えば、景品表示法によって禁止されている不当表示(優良誤認表示や有利誤認表示など)をした場合は、消費者庁長官から措置命令や課徴金納付命令を受けることがあります。これらの行政処分を受けた事実は企業名とともに公表されるため、社会的評判の低下も懸念されます。
また、業務停止命令や許認可の取消処分を受けて操業ができなくなると、企業の存続自体が危うくなってしまいます。

刑事罰を受ける

企業活動に関する法令違反行為の中には、刑事罰の対象とされているものもあります。会社資金の横領、粉飾決算、労働基準法違反(賃金の不払い・違法な長時間残業の指示など)、インサイダー取引などは、刑事罰の対象となる行為の典型例です。

刑事罰は法的なペナルティの中でも特に重大であり、逮捕された場合や有罪判決を受けた場合は、報道やSNSなどによって拡散される可能性が高いと思われます。刑務所への服役や罰金の納付に加えて、社会的評判の悪化も強く懸念されます。

企業が注意すべきコンプライアンス違反の事例・具体例

企業において発生し得るコンプライアンス違反の具体例を紹介します。これらの違反はいずれも大規模な企業不祥事に発展し得るため、予防や早期の発見・対処に努めましょう。

① 欠陥品に対するクレーム
② 違法な長時間残業
③ ハラスメント
④ 個人情報の漏えい

欠陥品に対するクレーム

販売中の商品について重大な欠陥が判明した場合、リコールや損害賠償請求を受ける可能性があります。
最近では、自動車を製造・販売するダイハツ工業株式会社が認証申請に関する不正行為について、大規模なリコールの届出をした事例が報道されました。

参考:ダイハツ工業株式会社ウェブサイト「当社の認証申請における不正行為に関する公表情報」

違法な長時間残業

労働基準法や36協定の規定に違反し、本来は認められない長時間残業を労働者に指示する例がしばしば見られます。違法な長時間残業の指示は、労働基準監督署による是正勧告や刑事罰の対象となります。

2015年には、広告代理業を営む株式会社電通の女性労働者が、上限を超える長時間残業を指示された末に自ら命を絶つ事件が報道されました。同社は労働基準法違反の罪で起訴され、罰金50万円の有罪判決が確定しました。

参考:日本経済新聞ウェブサイト「電通に罰金50万円 違法残業事件で東京簡裁判決」

ハラスメント

近年では、セクハラやパワハラなどの職場におけるハラスメントが強く問題視されています。ハラスメントが発生した場合、企業は被害者に対して損害賠償責任を負う可能性があるほか、大々的に報道されれば企業イメージの低下は避けられないでしょう。

最近では、大手芸能事務所であったジャニーズ事務所の元代表者(故人)による、多数の所属タレントに対する性加害事件が報道されました。同社は社名を変更したうえで補償対応に当たっており、多くの所属タレントは同社から独立する事態に発展しました。

参考:株式会社SMILE-UPウェブサイト

個人情報の漏えい

企業が管理する個人情報が漏えいした場合、個人情報保護委員会への報告や本人に対する通知などの大規模な対応を要するほか、事業者としての信頼も失われてしまいます。

2024年10月には、飲食店業を営む株式会社サイゼリヤのサーバーが第三者の不正アクセスを受け、約6万件の個人情報が漏えいした事案が報道されました。

参考:日本ネット経済新聞ウェブサイト「サイゼリヤ、不正アクセスにより取引企業や従業員関連の個人情報が漏えい」

コンプライアンス違反による影響を防ぐため、企業がとるべき対応

企業においては、コンプライアンス違反の発生をできる限り防ぎつつ、万が一違反が発生したら速やかに収拾することが求められます。具体的には、次の対応などを適切に行いましょう。

① 社内規程の整備
② 従業員に対するコンプライアンス研修の実施
③ 内部通報窓口の設置・運用
④ 違反対応のマニュアル化・担当者向け研修の実施
⑤ 違反発生時の迅速・適切な対応

社内規程の整備

社内規程によって従業員が守るべきルールや禁止事項などを明確化すれば、日々の業務における行動指針として機能し、コンプライアンス違反のリスクを抑えることができます。

整備すべき社内規程の種類は、会社の状況に応じて個別に検討しましょう。
例えば「コンプライアンス規程」を設け、コンプライアンスに関する理念や基本的な考え方、コンプライアンスに関する事務を司る委員会の組織・運営などを定める例がよく見られます。
そのほか、ハラスメント防止規程・広告表示に関する規程・知的財産権の取扱いに関する規程など、個別のコンプライアンス上の問題について社内規程を設けることも考えられます。

社内規程の内容は、法令改正や事業環境の変化、実際に経験したヒヤリハット事例による教訓などを反映するため、定期的に見直しを行いましょう。

従業員に対するコンプライアンス研修の実施

従業員が法令や社内規程を正しく理解し、日常業務の中で適切に行動できるようにするため、定期的にコンプライアンス研修を実施しましょう。従業員のコンプライアンスに対する意識が高まり、違反行為を未然に防止する効果が期待できます。

コンプライアンス研修のテーマは、会社の事業内容や時事的な関心の高さ、受講者の業務や役割などに応じて検討しましょう。

例えばコンプライアンスとは何か、労働基準法、ハラスメント、個人情報の取扱いなどは、従業員全体向けの研修のテーマとして適しています。
そのほか、営業担当者に対しては広告表示に関する研修、コンテンツ制作を担当する従業員に対しては著作権に関する研修を行うなど、取り扱う業務に応じた個別の研修も実施するとよいでしょう。
管理職向けには、部下のマネジメントに関する研修を追加したり、ハラスメントについて研修内容をより充実させたりすることも考えられます。

内部通報窓口の設置・運用

コンプライアンス違反やその原因を早期に発見し、問題が重大化する前に対応するため、内部通報窓口の設置を検討しましょう。従業員が安心して相談できる内部通報窓口を設ければ、不祥事の発生や深刻化を防ぎやすくなります。

内部通報窓口は、社内に設ける例と社外の弁護士などに依頼する例の両方が見られます。前者は「社内窓口」、後者は「社外窓口」と呼ばれるのが一般的です。
社内窓口は関係部署との連携がしやすい一方で、経営陣からの独立をどのように確保するかが課題となります。社外窓口は独立性を確保しやすい反面、社内との連携が疎かになりがちである点に注意を要します。

内部通報窓口の設置に当たっては、通報者の秘密を保護すること、および通報を理由に不利益な取扱いをしないことが大切です。これらの事項を保障することにより、初めて従業員は安心して違法行為の通報ができるようになります。

内部通報窓口を設置したら、社内広報などを通じてその存在を従業員全体に周知しましょう。

違反対応のマニュアル化・担当者向け研修の実施

コンプライアンス違反が発覚した際の対応手順や注意点をマニュアル化し、担当者に対して研修を実施しましょう。あらかじめ対応手順を定めて担当者にインプットしておけば、迅速かつ漏れのない対応がしやすくなります。

対応マニュアルには、事実確認の手順やヒアリングすべき事項、経営陣を含む関係者間の情報共有、再発防止策の検討などを定めておきましょう。

違反発生時の迅速・適切な対応

実際にコンプライアンス違反が発生した場合には、影響の拡大を防ぐために迅速・適切な対応が求められます。

まずは関係者へのヒアリングや客観的資料の確認を通じて、事実関係を正確に把握しましょう。そのうえで、ステークホルダーに対する説明や被害者のケア、違反行為者に対する処分などを要領よく行う必要があります。
事前に整備した対応マニュアルに準拠しつつ、実際に起きている出来事をよく観察して、適切な対応のあり方を臨機応変に検討してください。社内だけでは対応に当たる人員を確保できない場合や、専門的な知見に基づくアドバイスを受けたい場合は、外部弁護士などにサポートを求めることをお勧めします。

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