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覚書とは? 契約書との違いを解説!

契約ウォッチ編集部

契約ウォッチ編集部

2021/09/10 (公開:2021/07/29)
この記事のまとめ

契約書と覚書の関係を分かりやすく解説!

企業間などで取引を行うとき、「契約書」や「覚書」、「念書」などの書面が取り交わされます。これらの書面の違いは何でしょうか。

この記事では、契約書と覚書とは何か、契約書と覚書の関係について解説します。

企業間で「覚書」を取り交わすことがありますが、「覚書」は契約書とは違うのでしょうか?
ヒツジ
ムートン先生
「覚書」は契約書ではなく単なるメモである、と考えている方も多いですが、その考え方は危険です。

覚書と契約書の違い

企業間では、「契約書」「覚書」「合意書」「念書」などさまざまな合意書面が取り交わされます。

その中でも「契約書」と「覚書」は比較的締結される頻度が多いです。

それぞれどんな時に締結するのか、「契約書」と「覚書」の関係、覚書に関する留意点、を以下で解説します。

契約書とは

契約は意思表示の合致により成立します(民法522条1項)。また、契約書は意思表示の合致(=合意内容)を書面にして証明するものです。

例えば、「この機械を10万円で買いたい」「では、あなたに10万円で売ります」という会話をした場合、ここに意思表示の合致がありますので、この短い会話でも契約(売買契約)は成立します(民法555条)。

一部、法令に定めのある場合を除いて、契約において特定の方式は定められておらず、書面の作成も必須とはされませんので、口約束でも契約が成立します。

しかし、特に企業間の取引では、契約内容を記した契約書を作成し、契約書への署名捺印又は記名押印により合意をします。

商品の詳細、代金の支払い条件、引き渡しの条件など、細かく条件を決めておかないと安心して取引が実行できない企業間の売買契約などでは、契約の当事者が契約内容について明確に確認するために契約書を作成することが多いです。

また、後で契約に関してトラブルにならないように、また、トラブルとなったときに契約条件の確認が十分にできるようにするためにも、契約書を作成するのが望ましいです。
「契約とは何か」については、以下の関連記事で解説しています。

覚書とは

一般的には「覚書」とは、忘れないように書き留めておくこと、その文書、メモ、備忘録などを指します。しかし、契約法務の世界では意味が異なり、覚書は多くの場合「簡潔な内容の契約書」を指します

例えば、基本契約書に基づく具体的な取引内容を決めるための「覚書」、契約の有効期間延長のための「契約期間延長のための修正覚書」などがあります。すべてこれらは合意内容を書面に残し、証明するものであり、契約書の一種です。

このように、タイトルに「覚書」とあっても、当該書面の内容が「当事者同士の意思表示の合致」を証明するものであれば、契約書であることには変わりません

簡潔な内容について作成するのが覚書の一般的な特徴ですが、内容として非常に重要なことが定められる可能性もあること、法的拘束力は通常の契約書と変わらないこと、には注意が必要です。

契約書のタイトルと法的拘束力

契約書のタイトルは、契約内容が一目でわかるように便宜上つけられている場合が多く、タイトルをつける際のルールは定められていません。

したがって、「売買契約」や「秘密保持契約」と契約内容がわかるようなタイトルでも、「契約書」や「覚書」、「念書」といったそれだけでは契約内容がわからないタイトルでも、法的な効力は変わりません

当事者は、意思表示の合致により契約が成立すれば、その内容に拘束されます。

それは、意思表示の合致を記載した書面のタイトルにかかわりません。

契約書への署名又は押印をしなくても、契約そのものは成立しますが、署名又は押印があると、一般的には契約書の証拠としての価値が高くなります。

裁判上契約書を証拠とするためには、その文書が真正に成立したこと(本人の意思により作成されたこと)を証明する必要があります(民事訴訟法228条1項)。
紙媒体の私文書を証拠提出する場合、その文書に本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、その文書が真正に成立したもの(本人の意思により作成されたもの)と推定されます(民事訴訟法228条4項、1項)。

また、署名がなく押印のみの場合には、私文書に押印されている印影が本人又は代理人の印章と一致していることが確認されれば、反証のない限り、本人の意思に基づいて押印されたものと推定され、当該押印が本人の意思に基づいて行われたことにより当該私文書の成立が推定されます(いわゆる「二段の推定」と呼ばれるものです)。

民事訴訟法

第228条

1 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。

2~3 (略)

4 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。

引用元│民法– e-Gov法令検索 – 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

覚書を用いる場合

では、どのような場合に契約書のタイトルを「覚書」とすることが多いのでしょうか。

法的拘束力に違いはないと言っても、覚書よりも契約書の方が一般的に固く、重要なものであるかのようなイメージがあります。

実際、契約書に比べて、簡潔な合意内容を書面に残す場合に、覚書が用いられることが多く、具体的には以下のような場合に覚書が用いられることがあります。

・すでに契約関係にある両者で締結される「契約条件変更の覚書」
(有効期間の変更・条項の追加などがされます。)
・企業と個人の間で締結される「個人情報の取扱いに関する覚書」
・基本契約に対して、個別の契約条件を定める「基本契約書に基づく覚書」

簡潔な合意内容について覚書を作成することには、例えば、次のようなメリットがあります。

・記載内容の比較的簡潔な覚書を利用することで、長い契約書を確認・レビューする必要がなくなる(契約書に関する事務の処理負担の軽減)

・契約の条件変更のみを覚書で明確にするため、長期間の継続的取引に関する契約条件の変更履歴がわかりやすくなる

ちなみに、「覚書(年月日)」、「覚書(ナンバー)」など、覚書の整理分類に必要な情報をタイトルに付け加える場合もあります。

整理分類に必要な情報をタイトルに付けた覚書を、関連する契約書と同じ場所に保管し、順序良く保管すると、後で見返したときに便利です。

契約書管理については、以下の関連記事で解説しています。

覚書と印紙

印紙とは、国税の一部である印紙税の課税文書に貼る「収入印紙」のことです。

印紙についても、覚書と契約書では取り扱いが変わりません。契約書のタイトルではなく、実質的な内容から印紙税の課税対象文書であるかどうかが決まります

契約書と覚書は法的拘束力に違いはないので、覚書の実質的な内容が印紙税の課税文書と判断されるものであれば、収入印紙を貼付する必要があります。

印紙税の課税文書か否かの確認手順も、契約書の場合と同様です。
まず、請負・売買・準委任など、それぞれの覚書の内容の性質を判断し、次に覚書に記載されている役務や商品の金額を確認します。

そのうえで、印紙税法別紙第1に覚書の性質および金額をあてはめて、具体的な印紙税額を確認します。

この記事のまとめ

覚書も契約書の一種であり、法的拘束力に変わりはありません。

契約書のタイトルは、とくにきまりがなく自由につけられるので、実質的な内容を確認することがポイントです。

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