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株主総会とは? 種類・決議事項・決議要件・ 開催手続や必要な準備などを解説!

契約ウォッチ編集部

契約ウォッチ編集部

(公開:2022/09/09)
この記事のまとめ

「株主総会」とは、株主で構成される株式会社の最高意思決定機関です。

株主総会では、
会社の組織・事業に関する重要事項
株主の権利に直接関係する事項
役員の選任・解任
役員報酬
などを主に決議(決定)します。

決議の種類としては、決議の対象となる事項によって、普通決議・特別決議・特殊決議に分かれます。

株主総会を滞りなく開催するには、十分な事前準備を行うことが大切です。株主に対して真摯なメッセージや経営方針を伝えられるように、自社の状況を十分に踏まえて準備を行いましょう。

今回は株主総会について、種類・決議事項・決議要件・開催手続・必要な準備などを解説します。

株主総会の時期になると、総務・法務は毎年忙しくなりますよね。
ヒツジ
ムートン先生
そうですね。株主総会の運営業務は確かに大変な業務ですが、会社において非常に重要な業務でもあります。まずは、この記事で株主総会の概要を学んできましょう。

株主総会とは

「株主総会」とは、株主で構成される株式会社の最高意思決定機関です。

前提として、会社法は、株式会社の運営が適切に行われるよう、会社の規模などに応じて、機関(意思決定などをする組織・人)を置かなければならないと定めています。会社法によって定められた株式会社の機関は、以下のとおりです。

✅ 取締役・取締役会
✅ 代表取締役
✅ 会計参与
✅ 監査役・監査役会
✅ 会計監査人
✅ 監査等委員会・指名委員会等・執行役

株主総会は、これらの機関の中でも、最高の意思決定機関であり、会社に関する重要な事項は、基本的に株主総会決議によって決めることになります。

株主総会と取締役会の違い

株主総会と同じく、会社に関する事項を決定する機関として「取締役会」があります。しかし、会社における株主総会と取締役会の位置づけ・役割には大きな違いがある点に注意が必要です。

まず、株主総会が株主で構成されているのに対して、取締役会は取締役によって構成されています。

株主と取締役の違い

✅ 株主|株式会社に出資をする者
✅ 取締役|株主(=会社)から委任を受けて、会社の業務を執行する者
※なお、3人以上の取締役がいる会社は、取締役会を設置することができます(会社法331条5項)。

取締役会の行うべき職務は、以下の3点です(会社法362条2項)。

取締役会の職務

✅ 会社の業務執行についての決定を行うこと
✅ 取締役の職務の執行を監督すること
✅ 代表取締役の選定・解職を決定すること

つまり、取締役会は、会社における日常的な業務の運営方法などを決定する機関です。

これに対して株主総会は、会社の実質的な所有者である株主で構成されているため、取締役会よりも上位の機関として位置づけられます。日々の業務運営は取締役会に任せるものの、重要な事項については株主総会が決定するという形で棲み分けられています。

なお後述するように、取締役会を構成する取締役の選任・解任は、株主総会の決議事項です。この点からも、株主総会が取締役会の上位機関であることがわかるでしょう。


株主総会の種類

株主総会には、「定時株主総会」「臨時株主総会」の2種類があります。

定時株主総会とは

定時株主総会は、毎事業年度の終了後、一定の時期に招集しなければならない株主総会です(会社法296条1項)。したがって株式会社では、毎年必ず1回は定時株主総会を開催する必要があります。

定時株主総会の開催時期

定時株主総会の開催時期については、会社法上明確なルールはありませんが、株式会社の定款で定めるのが一般的です。

「定款」とは何ですか?
ヒツジ
ムートン先生
会社の事業目的や株主総会・取締役会の運営のルールなどが記載された書類です。株式会社を設立する際には、絶対に作成しないといけないものであり、会社における「憲法」とも言われるくらい、重要なものなんですよ。

日本では、事業年度の終了後3か月弱が経過した時期に、定時株主総会を開催する会社が多くなっています。特に上場会社の場合、3月を決算期とする会社が多いため、定時株主総会の開催日は毎年6月後半に集中するのが通例です。

臨時株主総会とは

臨時株主総会は、定時株主総会以外の株主総会です。

臨時株主総会の開催時期

臨時株主総会は、必要がある場合にはいつでも招集できます(会社法296条2項)。したがって、開催時期については特に制限がなく、取締役会が必要に応じて個別に決定します。

臨時株主総会が招集・開催されるのは、主に会社に関する重要な事項などを決定する緊急の必要性が生じた場合です。


株主総会の開催場所

株主総会の開催場所は、取締役会が招集事項を定める際に、個別に決定します(会社法298条1項1号、4項)。したがって、必ずしも毎回同じでなくても構いません。また後述するように、オンライン開催も認められる場合があります(バーチャル株主総会)。

ただし、前年の開催場所からあまりにも離れた場所で株主総会を開催する場合は、以下の場合を除き、そこに開催場所を決定した理由を、招集通知などで株主に明示しなければなりません。(会社法施行規則63条2号)

開催場所を決定した理由を明示しなくてもよい場合とは

✅ 開催場所が定款で定められたものである場合
✅ その場所で開催することについて、株主総会に出席しない株主全員の同意がある場合

また、上記の手続を踏んだとしても、株主の参加に著しい支障が生じる場所で開催する場合は、株主総会決議の取消事由となり得る点に注意が必要です(会社法831条1項1号)。


バーチャル株主総会(オンライン株主総会)とは

株主にとっての利便性や、コロナ禍における感染症対策などの観点から、株主総会にオンラインで参加できる「バーチャル株主総会」を導入する会社が増えています。

バーチャル株主総会には、以下の3つのパターンがあります。

バーチャル株主総会のパターン

✅ ハイブリッド参加型バーチャル株主総会
→実際の会場を設けつつ、オンラインでの株主総会の傍聴を認める方式です。オンライン参加者はオブザーバーに過ぎず、議決権等は与えられません。


✅ ハイブリッド出席型バーチャル株主総会
→実際の会場を設けつつ、オンラインでも株主総会への法律上の「出席」を認める方式です。オンライン参加者にも議決権等が与えられます。


✅ バーチャルオンリー株主総会
→実際の会場を設けず、オンライン参加のみを認める方式です。2022年8月23日時点の法令上は、以下の条件を満たす上場会社に限り、バーチャルオンリー株主総会の開催が認められています(産業競争力強化法66条1項)。
産業競争力強化法に基づく場所の定めのない株主総会に関する省令1~2条に定められた要件(省令要件)について、経済産業大臣と法務大臣の確認を受けること
・定款でバーチャルオンリー株主総会を開催できる旨を定めること
・招集決定時に「省令要件」に該当していること

図に表すと、以下のように整理できます。

バーチャル株主総会のメリット・デメリット

バーチャル株主総会には以下のとおり、メリット・デメリットの両面があります。実際にバーチャル株主総会を導入するかどうかは、自社の状況に応じて総合的にご検討ください。

バーチャル株主総会のメリット

✅ 遠方に住んでいる株主も参加しやすい
✅ 同じ日に複数の株主総会に参加しやすい
✅ 大きな会場を確保する必要がなくなり、会場費を節約できる
✅ 感染防止対策として効果的である

バーチャル株主総会のデメリット

✅ 開催中に通信障害やサイバー攻撃が発生する可能性がある
✅ オンライン参加のシステム導入にコストがかかる


株主総会で決定すべき主な事項

株主総会で決定すべき事項は、主に以下のカテゴリーに分類されます。

✅ 会社の組織・事業に関する重要事項
✅ 株主の権利に直接関係する事項
✅ 役員等の選任・解任
✅ 役員報酬

以下、それぞれ解説します。

会社の組織・事業に関する重要事項

会社の組織や事業の在り方を大幅に変更する以下の行為は、株主総会の決議事項とされています。

株主総会が決定すべき、会社の組織・事業に関する重要事項

✅ 定款の変更(会社法466条)
✅ 事業譲渡(会社法467条)
✅ 合併その他の組織再編行為の承認(会社法783条1項など)

株主の権利に直接関係する事項

株主の経済的利益を大きく左右し得る以下の事項は、株主総会の決議事項とされています。

株主総会が決定すべき、株主の権利に直接関係する重要事項

✅ 資本金の減少(会社法447条1項)
✅ 剰余金の配当(会社法454条1項)

なお譲渡制限株式の譲渡承認も、原則として株主総会決議事項ですが、取締役会設置会社では取締役会決議事項とされています(会社法139条1項)。

「譲渡制限株式」とは何ですか?
ジー
ムートン先生
譲渡するに当たり、会社の承認を要する株式のことです。例えば、中小企業などで、株式の譲渡を自由にしていた場合、株式が意図しない人物へ渡り、会社が乗っ取られてしまうといった事態になりかねません。こうした事態を防ぐために、譲渡制限株式を発行するのです。

役員等の選任・解任

株式会社における役員・会計監査人の選任・解任は、全て株主総会の決議事項とされています(会社法329条1項、339条1項)。

株主総会が選任・解任を決定すべき役員等

✅ 取締役
✅ 会計参与
✅ 監査役
✅ 会計監査人

なお、代表取締役及び指名委員会等設置会社における執行役は、取締役会が選任・解任を決定します(会社法362条2項3号、402条2項、403条1項)。

役員報酬

取締役・会計参与・監査役の役員報酬は、定款に定めがない限り、株主総会決議によって定める必要があります(会社法361条1項、379条1項、387条1項)。

なお、取締役・会計参与・監査役が各2人以上いる場合は、個々の役員について報酬を定めることは必須ではなく、総額を定めれば足ります。

(例)取締役3人の年間役員報酬を総額3,000万円として、配分は代表取締役に一任する


株主総会決議の種類

株主総会決議は、以下の3種類に分類されます。

✅ 普通決議
✅ 特別決議
✅ 特殊決議

普通決議

株主総会決議は、普通決議によって行うのが原則です(会社法309条1項)。役員の選任・解任や、役員報酬についても普通決議によって決定されます。

株主総会の普通決議とは、以下の定足数・賛成数の両要件を満たした決議のことです。ただし定足数要件については、定款の定めによって排除可能です。

普通決議の定足数・賛成数の要件

✅ 定足数
→行使可能議決権(票を入れることができる権利)をもつ株主の過半数が出席していること
(例)行使可能議決権が100万個の場合、合計50万1個以上の議決権を有する株主の出席が必要


✅ 賛成数
→株式総会に出席する株主がもつ議決権の総数に対し、過半数以上の賛成を得ること
(例)株式総会に出席する株主がもつ議決権が60万個の場合、合計30万1個以上の議決権を有する株主の賛成が必要

特別決議

特別決議は、定款変更・事業譲渡・合併その他の組織再編行為など、重要度の高い事項を決定する際に必要となります(会社法309条2項)。

株主総会の特別決議とは、以下の定足数・賛成数の要件を満たした決議のことです。ただし定足数要件については、定款の定めによって「行使可能議決権の3分の1まで緩和可能です。

特別決議の定足数・賛成数の要件

✅ 定足数
→行使可能議決権をもつ株主の過半数が出席していること
(例)行使可能議決権が100万個の場合、合計50万1個以上の議決権を有する株主の出席が必要


✅ 賛成数
→株式総会に出席する株主がもつ議決権の総数に対し、3分の2以上の賛成を得ること
(例)株式総会に出席する株主の有する議決権が60万個の場合、合計40万個以上の議決権を有する株主の賛成が必要

特殊決議

特殊決議は、特別決議の対象事項よりも、さらに重要度の高い事項について決定する場合に必要となります。決議事項に応じて、以下のとおり2パターンの決議要件が定められています。

特殊決議(パターン①)

特殊決議(パターン①)の決議事項

✅ 発行株式の全部につき、譲渡制限を設ける旨の定款変更の承認(会社法309条3項1号)
✅ 公開会社を消滅会社として、既存株主に譲渡制限株式を交付する吸収合併契約・新設合併契約・株式交換契約・株式移転契約の承認(同項2号、3号)

特殊決議(パターン①)の定足数・賛成数の要件

✅ 定足数
→行使可能議決権をもつ株主の過半数が出席していること
(例)行使可能議決権が100万個の場合、合計50万1個以上の議決権を有する株主の出席が必要
※定款による緩和はできません。


✅ 賛成数
→株式総会に出席する株主がもつ議決権の総数に対し、3分の2以上の賛成を得ること
(例)出席株主の有する議決権が60万個の場合、合計40万個以上の議決権を有する株主の賛成が必要

特殊決議(パターン②)

特殊決議(パターン②)の決議事項

✅ 以下のいずれかの権利につき、株主ごとに異なる内容を定める旨の定款変更の承認(会社法309条4項)
・剰余金の配当を受ける権利
・残余財産の分配を受ける権利
・株主総会における議決権

特殊決議(パターン②)の定足数・賛成数の要件

✅ 定足数
→総株主の半数以上が出席していること
(例)株主が1000人の場合、501人以上の株主の出席が必要
※定款による緩和はできません。


✅ 賛成数
→総株主がもつ議決権の総数に対し、4分の3以上の賛成を得ること
(例)総株主の有する議決権が60万個、出席株主の有する議決権が50万個の場合、合計45万個以上の議決権を有する株主の賛成が必要


株主総会を開催する手続の流れ

株主総会を開催する場合、会社法の定めに従い、以下の流れで手続を踏む必要があります。

①取締役会による招集事項の決定
②招集通知の発送
③当日の議事進行・採決
④議事録の作成・保存

①取締役会による招集事項の決定

取締役会は、株主総会の招集に関して、以下の事項を決定します(会社法298条1項、4項)。

株主総会の招集事項

✅ 株主総会の日時・場所
✅ 株主総会の目的事項
✅ 株主総会に出席しない株主の書面による議決権行使を認める場合は、その旨
✅ 株主総会に出席しない株主の電磁的方法による議決権行使を認める場合は、その旨
✅ その他会社法施行規則63条で定める事項

②招集通知等の発送

招集事項を決定したら、その内容を記載した招集通知を株主に対して発送します。公開会社では開催日の2週間前まで、非公開会社では開催日の1週間前までに招集通知を発送しなければなりません(会社法299条1項)。

公開会社と非公開会社の違い

✅公開会社|定款にて、少なくとも一部の株式につき、譲渡時の会社の承諾が不要とされている株式会社
✅非公開会社|定款にて、全ての株式につき、譲渡時の会社の承諾が必要とされている株式会社


参考元|独立行政法人中小企業基盤整備機構ウェブサイト「会社法上の「公開会社」の意味について教えてください。」

招集通知の発送は、原則として書面で行う必要があります。ただし、株主の承諾を得た場合には、招集通知を電磁的方法(メールなど)により発送することが可能です(同条3項)。

なお、欠席する株主に対して書面又は電磁的方法による議決権行使を認める場合、招集通知と併せて株主総会参考書類も発送しなければなりません(会社法301条、302条)。

株主総会参考書類についても、株主の承諾がない限り書面交付が原則となりますが、2022年9月1日以降は電子提供制度が施行されます。電子提供制度の詳細については、以下の記事を併せてご参照ください。

③当日の議事進行・採決

株主総会の当日は、議長が議事進行を行い、決議事項について採決を行います(会社法315条)。

株主から質問や動議の提出が行われることもあるため、臨機応変な対応が求められます。

④議事録の作成・保存

株主総会の終了後、取締役のうち誰かが議事録を作成しなければなりません(会社法318条1項、会社法施行規則72条)。

作成された株主総会議事録は、株主総会の日から10年間、本店に備え置くことが義務付けられます(会社法318条2項)。


株主総会を開催するに当たって必要な準備

会社が株主総会を開催するに当たっては、以下の準備が必要となります。円滑に株主総会を終えるためにも、慎重かつ丁寧に事前準備を進めてください。

✅ 報告事項・決議事項を整理する
✅ 株主による想定質問への回答を準備する
✅ 計算書類・事業報告を作成する

報告事項・決議事項を整理する

株主総会の招集事項の中で、もっとも重要となるのが「株主総会の目的事項」です。

株主総会の目的事項は、以下の2つに分類されます。

✅株主に対する「報告事項」
✅株主総会決議を要する「決議事項」

開催予定の株主総会において、何を報告事項・決議事項として提案するか、どのような形で提案するかを慎重に吟味しなければなりません。

株主による想定質問への回答を準備する

株主総会では、会社の業績や事業の状況などについて、株主から質問が行われることが予想されます。

質問に対してきちんと回答できないと、株主からの信頼を失ってしまうことになりかねません。そのため、株主からの想定質問をできる限りリストアップして、それに対する回答を事前に準備しておきましょう。

計算書類・事業報告を作成する

定時株主総会を開催する際には、取締役は会社の計算書類・事業報告を作成したうえで、株主に対して提供しなければなりません(会社法438条1項)。

特に計算書類については、定時株主総会の承認決議を得る必要があります(同条2項)。株主から不備を指摘されないように、計算書類の数字に誤りがないかどうか、定時株主総会の前に再三確認を行いましょう。


この記事のまとめ

株主総会の記事は以上です。最新の記事に関する情報は、契約ウォッチのメルマガで配信しています。ぜひ、メルマガにご登録ください!


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