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【2020年4月施行】 民法改正とは?債権法の改正点を解説! (新旧対照表つき)

契約ウォッチ編集部

契約ウォッチ編集部

(公開:2020/08/21)
この記事のまとめ

この記事では、民法改正(2020年4月施行)について改正点を解説した記事をまとめました。 民法改正(2020年4月施行)では、民法のうち、いわゆる債権法の部分が改正されました。 契約ウォッチでは契約レビューに関連する改正点について、改正点と契約レビューへの影響をまとめています。

※この記事では、法令名を次のように記載しています。

  • 民法…2020年4月施行後の民法(明治29年法律第89号)
  • 旧民法…2020年4月施行前の民法(明治29年法律第89号)
民法改正って、何から学んでいったらよいのでしょうか?
ヒツジ
ムートン先生
まずは、ご自身の業務に関係のある改正点から学んでいくとよいでしょう。普段、多くレビューする契約類型に関連する記事から読んでいくのがおすすめですよ。

2020年の改正民法とは?

改正の目的

民法のうち債権関係の規定は、1896年に制定されて以降、約120年にもわたって、実質的な改正が行われていませんでした。そのため、社会・経済の変化に対応できていない内容であることが指摘されるに至りました。すなわち、制定以来、多数の判例法理が蓄積され、民法の条文からは解釈することが困難であるルールが実務で定着し、一般の国民には分かりにくいものとなってしまったのです。 そこで、一般の国民にも分かりやすい内容とするために、民法が改正されるに至りました。

公布日・施行日

改正の根拠となる法令名は、「民法の一部を改正する法律」(平成29年法律第44号)です。公布日と施行日は次のとおりです。
公布日・施行日

公布日│2017年6月2日
施行日│2020年4月1日

民法改正の概要

改正された対象範囲は、民法のうち、契約に関する規定が中心となります。改正事項は、その性質に応じて、 ①従来の判例・一般的な解釈を明文化したもの ②従来、解釈に争いがあった条項を明文化したもの/従来の条項・判例・一般的な解釈を変更したもの に分けることができます。

このうち、重要な改正ポイントは②です。

すなわち、①は、実質的には、今までと同じ運用となるため、実務には大きな影響はないものと考えられます。そのため、従来の民法を理解されていた方にとっては、あまり気にされなくてもよい改正といえるでしょう。他方で、②は、実務上、従来とは異なる運用がなされますので、しっかり理解しておく必要があります。

改正の性質

①従来の判例・一般的な解釈を明文化したもの
②従来、解釈に争いがあった条項を明文化したもの/従来の条項・判例・一般的な解釈を変更したもの ←重要!!

ムートン先生
つまり、従来の民法に慣れ親しんだ方々にとっては、②の改正事項をおさえてしまえば、改正民法を理解したのも同然です! 法務省では、②のうち、「重要な実質改正事項」として、次のような分かりやすい資料をまとめていますので、 この記事を斜め読みした後に、こちらの資料を熟読されてもよいでしょう。
参考ページ│法務省「民法(債権関係)の改正に関する説明資料-重要な実質改正事項-」

民法改正のポイント

契約ウォッチでは、契約解除、遅延損害金、危険負担、契約不適合責任、売買契約、消費貸借契約、保証契約、賃貸借契約、請負契約、定型約款についてまとめました。それぞれの記事のポイントをまとめています。

契約解除に関する改正点

解除条項に関連する主な改正点は、3つです。

・ポイント1│解除の要件から「債務者の帰責性」を削除された
・ポイント2│催告解除の要件が明確になった
・ポイント3│無催告解除の要件を整理した

改正点の詳細は、こちらの記事で解説しています。
関連記事
☑【民法改正(2020年4月施行)に対応】契約解除に関する条項のレビューポイントを解説!

遅延損害金に関する改正点

遅延損害金の条項に関連する主な改正点は、1つです。

・ポイント1│法定利率が引き下げられて変動制が導入された

改正点の詳細は、こちらの記事で解説しています。
関連記事
☑【民法改正(2020年4月施行)に対応】遅延損害金に関する条項のレビューポイントを解説!

危険負担に関する改正点

危険負担の条項に関係のある主な改正点は、3つあります。

・ポイント1│債権者主義を廃止した
・ポイント2│危険負担の効果として、反対給付債務の履行拒絶権が与えられた
・ポイント3│危険の移転時期が「引渡し時」となった

改正点の詳細は、こちらの記事で解説しています。
関連記事
☑【民法改正(2020年4月施行)に対応】危険負担に関する条項のレビューポイントを解説!

契約不適合責任に関する改正点

契約不適合責任とは、民法改正により、従来の瑕疵担保責任が廃止され、新たに登場した売主または請負人の責任です。こちらの記事では、次のような事項を分かりやすく解説します。

・契約不適合責任とは、どのような責任なのか?
・買主には、どのような権利が認められているのか?
・買主が権利行使できる期間はどのくらいなのか?

関連記事
☑【民法改正(2020年4月施行)に対応】契約不適合責任に関する条項のレビューポイントを解説!

売買契約に関する改正点

売買契約に関連する主な改正点は、3つあります。

・ポイント1│危険負担に関するルールを見直した
・ポイント2│売主の担保責任のルールを見直した
・ポイント3│解除の要件を見直した

とくに、不動産売買契約について、こちらの記事で解説しています。
関連記事
☑【民法改正(2020年4月施行)に対応】不動産売買契約のレビューポイントを解説!

消費貸借契約に関する改正点

消費貸借のうち、主に金銭のやり取りを内容とする金銭消費貸借契約に関係のある主な改正点は、6つあります。

・ポイント1│当事者の合意のみで契約を成立させることができるようになった
・ポイント2│利息のルールが明文化された
・ポイント3│法定利率が引き下げられた
・ポイント4│借主は、金銭を受け取る前であれば一方的に解除できるようになった
・ポイント5│金銭交付前に一方当事者が倒産したときは、契約終了となった
・ポイント6│借主は、期限前にいつでも返済できるようになった

改正点の詳細は、こちらの記事で解説しています。
関連記事
☑【民法改正(2020年4月施行)に対応】金銭消費貸借契約のレビューポイントを解説!

保証契約に関する改正点

保証契約に関係のある主な改正点は、4つあります。

・ポイント1│個人根保証契約に制限が加えられた
・ポイント2│事業用融資の場合に、公証人による意思確認手続が新設された
・ポイント3│保証人に対する情報提供義務が新設された
・ポイント4│連帯保証人への請求が主債務者に影響しない

改正点の詳細は、こちらの記事で解説しています。
関連記事
☑【民法改正(2020年4月施行)に対応】保証契約のレビューポイントを解説!

賃貸借契約に関する改正点

賃貸借契約に関連する改正点は、7つあります。

・ポイント1│借主が、賃貸物を返還する義務が明文化された
・ポイント2│借地借家法の適用のない賃貸借について、存続期間の上限が50年に延長された
・ポイント3│賃貸物の修繕に関するルールを見直した
・ポイント4│賃貸物が一部滅失したときの、賃料の減額と解除に関するルールを見直した
・ポイント5│賃貸借が終了したときに、原状回復・収去義務のルールが明文化された
・ポイント6│敷金のルールが明文化された
・ポイント7│賃貸不動産が譲渡されたときのルールが明文化された

改正点の詳細は、こちらの記事で解説しています。
関連記事
☑【民法改正(2020年4月施行)に対応】賃貸借契約のレビューポイントを解説!

請負契約に関する改正点

請負契約に関連する改正点は4つあります。

・ポイント1│請負人の担保責任のルールを見直した(瑕疵担保責任から契約不適合責任へ)
・ポイント2│請負人に対する割合的報酬のルールが明文化された
・ポイント3│解除の要件を見直した(全契約類型に共通)
・ポイント4│注文者の破産手続の開始による、請負人からの解除を制限した

改正点の詳細は、こちらの記事で解説しています。
関連記事
☑【民法改正(2020年4月施行)に対応】請負契約のレビューポイントを解説!

定型約款に関する改正点

今回の改正では、大量の取引を迅速かつ効率的に行うための画一的な取引条件を定めた約款についてのルールが新設されました。これが「定型約款」です。すべての利用規約が定型約款にあたるわけではありません。また、「契約書」という名称であっても定型約款にあたりうる場合もあります。どのような規約が定型約款にあたるのかを確認する必要があります。 こちらの記事では、定型約款についての基本的な事項を解説して、利用規約をレビューするときのポイントをご紹介します。

改正点の詳細は、こちらの記事で解説しています。
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☑【民法改正(2020年4月施行)に対応】利用規約(定型約款)のレビューポイントを解説!

【解説つき】改正前と改正後の民法の条文を新旧対照表で比較

それでは、改正点について、条文を確認しましょう。解説つきの新旧対照表をご用意しました。 以下のページからダウンロードできます。 前述のとおり、今回の改正事項は、その性質に応じて、次の2つに分けることができます。 ①従来の判例・一般的な解釈を明文化したもの ②従来、解釈に争いがあった条項を明文化したもの/従来の条項・判例・一般的な解釈を変更したもの

右欄の一言メモに、それぞれ、次のように記載しています。 ①の改正点には、〈従来の判例・解釈の明文化〉 ②の改正点には、〈実質的な改正点〉

参考文献

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